久しぶりに小説を読んだ。
東野圭吾の「時生」
最近はあんまり小説を読んだりしていないのだが、わりと好きなのは「泣ける系」(あと歴史物)
東野圭吾は、例えば、大ヒット作「容疑者Xの献身」なんかでもそうだが、「ミステリーなのに泣ける」という所がすげー好き。
この「時生」は、あまり「ミステリー」な話ではないが、泣ける。ていうか泣く。
展開は比較的ベタ
病気で若くして息を引き取る息子が、その後タイムスリップして若き日の父の元へ。そこで起こる様々な出来事を通して、父が息子の助けを借りて成長していく。
なんていうか、まぁよくありそうな話。
しかし、神は細部に宿るというのかなんなのか、ベタなストーリーでありながらも、東野圭吾の世界にしっかり引き込まれて、どんどん続きが読みたくなる。
そもそも最初の段階で「種明かし」があるので、展開自体もだいたいわかるのに、ついつい読みふけってしまう。
完璧すぎるラストで泣く
で、所々ほろりとくる場面を織り交ぜながら、最後の「さらなる種明かし」と、最後の最後の「ひとこと」
もうこれ以上ないエンディング。
フィクションなのに、フィクションだからこその、これ以上ないエンディング。
全てが凝縮された最後の一言。
ここまで「完璧」な最後の一文は中々出会えない。
ここまですっきりした気分で本が読み終えられた事も中々無いかも。「白夜行」とか「幻夜」が、何とも言えない難しい終わり方だったりするから、余計にそういう事を感じたのかもしれない。
読んで、いい気分になれる、安心してオススメ出来る作品。