仕事は人生の多くを占めることは間違いない。それを嫌々やる人生なんて、絶対にまっぴらだ。
しかし、すべてが思い通りになるほど世の中は甘くないこともわかっている。
編集、市川様より献本頂きました。ありがとうございます。
サラリーマンでもない、独立起業とも言えない、東京R不動産という会社の「フリーエージェント」という働き方を元に、著者3人の仕事観、価値観に非常に共感出来た一冊。
現状に不満があるかないかはさておいて、こういう「働き方」っていうのがあるんだ、ということを知り、こういう「価値観」があるんだ、ということを知る。
そのためだけでも本書を一度手に取る価値はあると思う。
東京R不動産
この本を読むまで、東京R不動産という会社のことを知らなかった私は、とりあえず会社のHPを見てみることにした。
東京R不動産は、いい意味で個人のレビューサイトのようだった。
紹介する物件一つ一つが、いちいちマジメに丁寧に「レビュー」されてる。
ただその物件を褒めるだけではなく、こういうところがいいんだけど、ここはちょっと問題かもしれなくて、その辺踏まえてよく考えてね、っていう「正直」なスタイルを崩さない。
本書を読まずにこのサイトを見るだけでも、なんとなく、どういう会社なのかわかる。
フリーエージェント
本書の前半は、東京R不動産がどういう組織なのか、どういうことを目指しているのか、ということがいろいろ書かれていて、まずそこがとても「面白い」
例として挙げられていて非常にわかりやすかったのが、プロ野球チームのようだ、ということ。
選手一人一人は「球団」と契約をして、自分の実力で給料をもぎ取る。成果が上げられなければ、給料は上がらないし、最悪仕事を失うこともあり得る。
そんな形でありながらも、選手全員が「優勝」という目的に向かって「球団」の為に働く。
「球団」という組織があるからこそ、一人では絶対になし得ない大きな事ができる。
サラリーマンという形でもなく、個人事業主では出来ないようなことをやるための「フリーエージェント」という、新しい「働き方」
「やる」か「やらない」か選べる自由
なにより共感出来たのは「なぜ」そういう働き方を選んだのか、という部分。
会社を辞めて一番大きかったのは、この仕事は自分に向かないなとか、ポリシーに合わないと、「すみません!」と断る自由を得たことだ。
好きを仕事にするのは難しい。「好き」だけではなかなか食べていけない。
そのために苦労することは必ずある。
それでも何よりも得がたいものは、選択が出来るという「自由」なんだと思う。
その上で、きちんと「好き」なことをお金にするように努力する。
お金だけではない。しかし、理想論を振りかざしているだけでは生きていけない。
それでも「やりたい仕事をして生きる」ために、努力をしていく。
最終第5章「やりたい仕事をして生きる」
この部分は、もの凄く共感出来、そして、多くの学びを得ることが出来た。
朝起きて、自分のやりたいことをやれる人。それが成功者だ
帯にも書かれている、本書の締めにも用いられているボブ・ディランのこの言葉がかっこよさ過ぎる。