「マネーボール」を読み終えましたgoryugoです。
マネーボールは日本でも盛んな「野球」の本。
アメリカメジャーリーグで、総年棒がヤンキースの3分の1しかない球団「オークランド・アスレチックス」がなぜ「勝てる」のか。
メジャー球団「アスレチックス」のドキュメンタリーであり、ゼネラルマネージャー「ビリー・ビーン」を描いた本でもある。
マネーボールの舞台
野球は金持ってるチームが勝つ。
そんな野球の「常識」を覆すチームが「オークランド・アスレチックス」
チームの年俸総額は「金持ち球団」ヤンキースの3分の1。それなのに、2000年は91勝、2001年には102勝(総試合数162)という、驚異の成績。
なぜ、こんなことが可能なのか。
その「なぜ」について、アスレチックスのゼネラルマネージャー「ビリー・ビーン」を主軸にして語られていく。
「非効率」な野球界と「役に立たない」データ達
「なぜ」勝てるかの仕組み自体はものすごくシンプル。
世間的に評価されていない「良い選手」を、安い年棒で集めてきて有効に使った。
ただそれだけ。
世間一般で考えられる「安く買って」「高く売る」という「商売の常識」というものが、野球の業界では行われていないから、それをきちんとやっただけ。
そして「安い」選手を見つけ出すもっとも簡単な手段が「データ」
従来の野球で重要視されている「打率」や「防御率」、またデータ化しにくい「守備力」や「走力」
これらの「常識」で選手を評価せず、もっと「有効な」データを使って選手を発掘する。
「読み物」だし「勉強になる本」でもある
野球が好きならば、いや、別に好きじゃなくても、野球のルールくらいわかる、という人ならまず文句なしに面白い。
特に、色々な「データ」が好きな人であれば、これはますます面白い。
ところどころアメリカの人名が連発するせいで、誰が誰だかわからなくなって混乱する場面などもあったが、そこは洋書全般ではある程度仕方ないところ。
「勝つ」ために一番重要なのは、業界の常識に惑わされないこと。
それが、この本全体を通して貫かれている「テーマ」に感じた。
そして、この「勝つための秘訣」というのは、実は野球に限らず、どんな業界でも当てはまることなのではないだろうか?
同じ業界に長く居ればいるほど、その常識が体中に染みこんでしまい、新しい視点から物事を見つめられなくなってしまっていないのか。
そんな事を読みながら常に考えさせられた本だった。