先日サンフランシスコで行われたEvernote Conference3(EC3)では、Evernoteや、それに関係する様々な新製品、新サービスが発表されました。
その中でも個人的に一番「すげー良い」と思ったのが、PFUから発表されたEvernote専用のScanSnapである「ScanSnap Evernote Edition」
今までのScanSnapと何が違うのか、何が便利なのかまとめてみたいと思います。
Evernote満載な外観
ScanSnap Evernote Editionは、大雑把に言うとEvernoteな見た目になった「ScanSnap iX500」
製品のデザインにはどうやらEvernoteの中の人も関わっていたみたいで、今までのScanSnapとはちょっと違った感じになっています。
とりあえず目に入ってくるのは、本体の中央にあるEvernoteのロゴ。また、iX500は梨地のブラックカラーだったのに対し、Evernoteエディションではグレーでラバー風な仕上げの製品になっています。
蓋を開けると再び中央にはEvernoteのロゴが光り、ScanSnapの文字が左側に。Scan開始のためのボタンは、緑に光るようになっています。
Evernoteカラーである「緑色ボタン」が、デザインする段階で一番最初に決まったことらしいw
そして、給紙トレイを開けるとなんか不思議な水玉模様が登場。いったいなんなのかイマイチピンと来なかったんだけど、これは「紙が流れていく感じ」をイメージしたものらしいです。
自動で仕分けしてくれるScanSnap
と、ここまでならばふーんEvernoteの見た目なScanSnapかー、これはこれで中々いいかもなー。Evernoteファンの俺なら欲しいなー、と思っていたのですが、違いは「外見」だけではありません。
というか、このEvernoteエディションが凄いのは、見た目じゃなくて「中身」
何が凄いって、書類の「向き」を自動で判別し、さらに「写真」「名刺」「レシート」「書類」を自動で判別し、自動的にEvernoteに設定したノートブックに振り分けてくれるということ。
要するに、大雑把に言えばとりあえずもらった紙をなにも考えずScanSnapに突っ込んで、ボタンを押してやればそれだけで「ちゃんと整理された」状態にしてくれてしまうというわけです。
現段階では読み込み、判別をPCで行うため、パソコンの電源が入ってないとあかん、という制約はあるんですが、iX500と同じく無線対応なので、PCとケーブルで繋げる、という必要はありません。
まぁもちろん100%正確に仕分けしてくれる、というわけではないんですが、自分が持ってた名刺、書類、レシートであえて斜めに取り込んだりなどの「いじわるな」読み込みをしても、だいたいきちんと向きを補正して取り込んでくれました。
といいつつ、何度かいじわるなことを試したらレシートが1枚横向きになってしまった
名刺からLinkedinデータを取り込んでくる
さらに面白かったのは、名刺の読み込みに関しての「関連情報」
名刺を読み込んだ時にScanSnapがメールアドレスを認識し、それを元にLinkedinのデータを探してきて、メアド、写真などのLinkedinに書かれている情報を自動で取り込んできてくれるという機能。
まぁぶっちゃけ日本ではLinkedinを使ってる人が少ないから、これはさほど役に立たないかもしれませんが「まずはLinkedinに対応した」みたいなニュアンスで話していたので、ここら辺は今後に期待したいところ。
また、細かい点ですが「書類」はOCR処理をした上でPDFで保存。その他の情報はJPEGで保存という、現状自分が求めている方法でうまいことEvernoteに保存してくれるのも嬉しい点です。
「Evernote専用」な点に注意
と、こんな感じでEvernoteラブ、ペーパーレスラブな私にとっては嬉しさ満載な「Evernote Edition」なんですが、注意しないといけないのは、この製品が「Evernote専用」という、とてつもなく尖った製品だということ。
ハードウェア的な内部の部品の違いはわかんないんですが、このスキャナは「専用アプリ」でしか書類の取り込みができません。
一応、スキャンした紙は特定のフォルダにコピーを残す、ということはできるみたいですが、良くも悪くも取り込んだものは全てEvernoteに保存する、という仕様です。
そして、ファイルサイズの制限だとかアップロード容量の制限などを考えると、「自炊」用途で使うのは、非常に「難しい」です。
ものすげーとんがった製品で、しかもお値段49,800円(Evernoteプレミアムアカウント1年分付き)と中々に大層な価格設定であり、ぶっちゃけ手軽に手を出しづらい製品にも感じますが、それでも「ワンタッチ」で「ペーパーレス」ができるということを考えると、十分にメリットがある製品だと思います。
さらに言えば、これは「Evernote Business」とすごく相性が良さそう。個人ではお高いものでも、きっと「かいしゃ」なら手が出せるだろうし、これ1台で社内の紙を減らし、共有できるようになるのであれば、49800円なんてのはすぐに元が取れるのではないかと。