ScanSnap Evernote Edition レビュー 書類の自動認識はどのくらいの精度か実験してみた

ScanSnap Evernote Editoin 外箱

ScanSnapアンバサダー(大使)、ごりゅごです。

先日のEvernote Conferenceで発表された、Evernote専用のScanSnap「ScanSnap Evernote Edition」をレビュー用にいただくことができたので、色々と実験をしまくってみました。

ScanSnap Evernote Ediotionとは

ScanSnap Evernote Editionは、無線スキャンができるようになったドキュメントスキャナ「ScanSnap iX500」をベースに、Evernote専用のカスタマイズが多数施された特別製品。

主な特徴を挙げるとこんな感じです。

  • 「文書」「名刺」「レシート」「写真」の4種類を自動認識
  • 上記4種類の紙が、Evernoteに自動で分類されて保存される(自分でノートブックやタグの指定も可能)
  • Mac or Windowsで専用ソフトを立ち上げている必要がある
  • 初期設定を済ませれば以降は「無線」でスキャン可能
  • 基本的にEvernoteに保存することしかできない
  • つまり「自炊」に使うのは難しい
  • 買うとEvernoteのプレミアムアカウント1年分が付いてくる

参考:紙をつっこんでボタンを押せばそれでおk ScanSnap Evernote Editionが凄くいい感じだったぞ | ごりゅご.com

ScanSnap Evernote Edition外観

「形」は基本的にiX500と一緒ですが、外箱は「Evernote」しててなんかステキです

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Evernoteアイコンの象さんの耳は「めくれ」てるんですが、ScanSnapのロゴもそうなってるのがステキ

ScanSnap Evernote Editoin 外箱

iX500と並べたところ

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ちなみに外側のグレーの部分は、ちょっとラバーっぽいすべりにくそうな素材です(iX500は梨地ブラックのプラスチック)

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蓋を開けても基本的な形は同じ(デザインはちょいちょい違う。

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ちなみにボタンは「緑」に光ります

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実際にどんな仕組みなのか

とまぁ、外観はとりあえずおいといて、個人的に一番気になってた「Evernote保存」の仕組みについて。

Evernote Editionを利用するには「専用のScanSnapマネージャー」が必要で、初期設定時に4種類の紙それぞれを「どのノートブックに保存するのか」決めることが可能です。

そして、実際にスキャンする際には、スキャン前にメニューバーから「スキャンモード」を決めて、スキャナのボタンを押す。

スキャンモードは「自動判別」「書類をJPEG」「書類をPDF」「名刺」「写真」「レシート」の6種類。

また、それぞれ「カラーモード(自動orカラーorグレー)」「画質」「圧縮率」「両面読み取りか片面読み取りか」「原稿の自動回転」「白紙削除」「裏移り軽減」の有無を選ぶことが可能です。

なお「書類」に関してのみ、自動判別の際に「JPEGにするかPDFにするか」を選択することも可能です。(OCRの有無も選択可能)

(現段階ではβ版のソフトのため、細かい仕様は変わる可能性がある)

書類は「1回1ノート」その他は「1枚1ノート」

実際にどんな感じに動いているのか、動画に撮ってみました。

ちょっと細かい部分なんですが、できるだけ手間無くいい感じに「ペーパーレス」するために気になるのが、どういう風にノートに保存されるか(ちゃんと名刺とかは1枚1ノートにしてくれるか?)って所だと思います。

この点に関して言うと、書類については「1回で読み取ったものを1つのノートに保存」その他の写真やレシート、名刺については「1枚を1つのノートに保存」してくれるようになっています。

また、書類の枚数が多くて「1度に読み取れない」って場合には、設定で「継続読み取りを有効にする」にしておけば、複数回にわたってスキャンしたものを1つのノートにまとめることも可能です。
そして、これと「読み取ったものをデータで残す」設定を使えば無理矢理「自炊」できなくもない気がする(未体験)

自動認識がどのくらい「使える」のか

で、これらをぜーんぶ踏まえて、結局一番気になってたのが、どのくらい「ラク」なのか。

とにかく「紙」をScanSnapに突っ込んで、ぜーんぶ「いい感じ」にEvernoteに保存してくれるようになれば、これはもう「ぼくのかんがえたさいきょうのペーパーレスツール」になるわけです。

で、とりあえず現段階での私の使用用途においては「完璧」にはまだまだ至らないけど「現状これがベスト」という感じ。

スキャンした紙の一覧。Evernote Edition専用ソフトをインストールすると、自動で「スキャンした原稿」というショートカットを作ってくれる。これがかなり便利
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名刺のスキャンはほぼ完璧

とりあえず「名刺」のスキャンに関してはほぼ完璧です。

名刺の「向き」がズレてた、ってのは1~2割くらいあったりするけど、これは「英語だけ書かれてる面」の向きが違った、って場合がほとんど。(表面日本語、裏面英語っていう名刺とか)

それを除けば、100枚くらい試してみて向きがズレたのは体感5%以下。

それどころか、表面は縦向き、裏面は横向き、とかっていう名刺も、ほぼ完璧に「正しい向き」に回転して保存してくれてとても嬉しい。

Evernoteでの名刺管理に使うツールとしては最強と言ってもいいと思います。

とにかく名刺を貰ったらScanSnapに名刺を突っ込んでボタンを押してやるだけでおk。パソコンを立ち上げる必要こそあるものの、無線で繋がるから、ScanSnapの置き場所は「どこでもいい」

「レシート」は認識できるが「領収書」は半々

それに対して、ちょっと残念だったのが「レシート」

スーパーとかコンビニとかでもらえる「ぺらぺらした紙のレシート」に関しては名刺と同じくらいの、ほぼ完璧な精度で認識を行ってくれて、向きの補正もほとんど間違いなく実行してくれます

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しかも、こんな感じで斜めにスキャンしてしまっても、きちんと「まっすぐ」にしてくれます
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ただ、いわゆる「領収書」と言われるような、手書きで複写するタイプの領収書になると、認識の精度が落ちる。

写真として認識されたもの
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こっちはうまく認識してくれた
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まぁ、確かにこういう「領収書」を「レシート」として定義するべきなのかどうかってのは難しいと思うんですが、Evernoteにお金関係の紙を全部取り込んでおくと経費精算が便利で、この手のやつを全部「レシート」扱いしてくれたら理想だったなぁ、と思います。

あと、公共料金の請求書なんかは「文書」として認識されました。
(これもオレ的には「レシート」にして欲しいけど、実際「レシート」じゃないから難しいだろうなぁ)

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「文書」は「1回で1つになる」と覚えておく

で、上記の「公共料金の紙が文書として認識される」ということと絡んで、気を付けないといけないのが「文書」の取り込みに関して。

ScanSnapが自動認識で「文書」と判定したものは「次に文書でない紙をスキャンする」か「一旦スキャンし終える」まで、全て1つの文書として認識して、1つのノートとして保存される仕組みのようです。

この仕組み自体はヒジョーによくできてて、実にいい感じだと思うんですが「自動認識」で色んな種類の紙を一気にスキャンしようとするとメンドクサイことになる可能性が出てきます。

たとえば試しに「電気料金」と「ガス料金」の紙を自動認識で一気にスキャンしたところ、どちらも「文書」と認識して、1つのノートにまとめて保存されてしまいました。

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まぁ、そんな細けぇこたぁ気にするなって話でもあるんですが、こういうのが気になる人の場合だと、ちょっと「自動認識」は使えないかなぁという結論です。

一手間だけでいい感じにEvernote保存できるScanSnap

スキャン前の一手間(どのタイプか決める)だけで、あとは自動でEvernoteにいい感じに保存してくれるドキュメントスキャナ。

ScanSnap Evernote Editionを一言で言えばそんな感じかなーと思いました。

現行モデルiX500でも、初期設定を色々と頑張れば「ほぼいっしょ」くらいのことはできるんだけど、少なくとも「どのノートブックに保存するか」とかが選べなかったり、複数のJPEGファイルを1つにまとめてEvernoteに保存したりとかはできません。

最初はこんな風に頑張ってたくさんの「設定」を作ってましたが、そもそもこういうたくさんの設定を作る事自体が「難しい」
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最近は「PDF」じゃなくてJPEGでEvernoteに保存したい、って理由から、とりあえず全部iPhoneにスキャンしたものをJPEGで取り込んで、ヒマな時にPictShareというアプリで「手動仕分け」してEvernoteに保存する、ってことをやってました。

(PDFで保存すると、スマフォでスキャンしたものを見るのがメンドクサイ。JPEGでもEvernoteが文字認識をしてくれるので、結局こっちの方があとで便利だった)

これは「自分の好きな形で保存できる」し「とりあえずスキャンしとけばいつでも整理出来る」ってのは便利なんですが、当たり前ながらすんごいめんどくさかったし、取り込んだまま「忘れて」そして「行方不明になる」可能性も高かったわけです。

これが、Evernote EditionのScanSnapを使えば、名刺かレシートか文書か、だけを最初に選んで、スキャンボタンを押すだけ。

向きの補正とかもほぼ完璧なんで、そういうのも気にする必要なし。

これだけで、名刺は名刺の場所に、レシートはレシートの場所に、文書は文書の場所にちゃんと「整理」されて保存される。

極端なことを言えば、こんな風に紙を突っ込んでもなんとかしてくれる。とは言え、うまく紙を取り込めない可能性が出てくるので、最低限はキレイに揃えておいた方がいい
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残念ながら「全自動で俺の思い通りに保存できる」という所には至らなかったんですが、名刺は名刺、レシートはレシートで分けてスキャンしてやれば、ほとんど自動で整理して保存してくれると言える感じ。

「Evernote専用ドキュメントスキャナ」という、ものすげぇ尖った製品で、使う人を大いに選ぶものだと思うんですが、ハマる人にはすごーくハマる製品かな、と。

iX500との価格差さえ考慮しなければ、個人的にはこっちの方がオススメです。
(iX500はAmazonで36,000円程度。Evernoteモデルは49,800円。Evernoteプレミアムが1年分、4000円相当付いてくるとはいえ、1万円くらい違う)

参考

ScanSnap – Evernote Edition スキャナ

PictShare – multiple photos/movies uploader
価格: ¥250
バージョン: 3.4.5

この記事を書いた人

五藤隆介(goryugo)

「仕事効率化」「ライフログ」「家族Hack」「デジタル情報共有」みたいなことを書いてます。

面白い本について語るPodcast「ブックカタリスト」も始めました

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