なんか最近またしてもいろいろエディタへの興味が増えてきています。
私の中の主なエディタの用途っていうと「ブログを書く」か「本を書く」なんですが、これをもうちょっといい感じにしたいなー、と。
ブログ書くことに関して言えば、最終的なエディタはブログ専用の「MarsEdit」でほぼ100%満足できてるんですが、ブログを書く以外の、本書いたり電子書籍作ったりするときには、全体を見渡しやすいなんらかのエディタが欲しい。
そして、もう一つの用途「本を書く」の時には、これまではScrivenerってアプリを使っていました。これはこれでまぁ、難しいながらも色々すごくて悪くないよね、って思ってた中、Ulyssesっていうアプリを試してみたら、これが実にいい感じで、わりとお高いお値段ながらも小一時間お試しのあとサクッと購入してしまったのでした。
「長文」をシンプルかつ構造的に書けるエディタ
Ulysses(ユリシーズ)ってアプリ名は、20世紀初期の世界的に有名(らしい)同名の小説から取った名前みたいなんですが、要するにこのアプリの主な目的は「小説」を書くのに使うこと。
ただ、Scrivenerと大きく違うのが、Ulyssesはマークダウンで執筆するツールだということ。
大雑把に言うと、Wordの「見出し」とかって色々設定するのめんどくさいから、もうそういうのMarkdownを使って「構造」だけはっきりさせときゃいいじゃん。そしたら見た目が崩れるとか難しいことも少なくなるし、ファイル自体も軽くてすげー便利じゃん。
ただ、なんの装飾もないプレーンテキストでは「一覧性が劣る」とか「構造がわかりにくい」という問題がある。
だから、それを解決するためにMarkdownを使おう。そしたら、本体はテキストファイルで軽くて扱いやすいし「見た目」も後からどうにでもなるやん、て感じのもの。
個人的にも、マークダウンエディタ自体はよく色んなところで見かけたりはしていましたが、その中でも一定以上の「長い文章」をマークダウンで書こうぜ、ってのは初めて見た感じで、これだけでもけっこう他にはないすごいやつなんじゃないかと思います。
見た目を気にして書くのはめんどくさい
マークダウンの文書は自動で「見やすく」してくれる
アプリを起動した時の「はじめに」の中でも、こんな感じのいい言葉が書かれてます。
ライターはレイアウトに翻弄させられるべきではない、と私たちは考えます。少なくとも、レイアウトは決して執筆中の思考の妨げとなるべきではありません。
なんていうか、これまさに私がScrivener使ってた時に感じた「めんどくせー」ってのを解決してくれそうな素晴らしい思想な感じなんです。
ScrivenerとかEvernoteとか、色々と「文字の大きさとか色」なんかを覚えてくれるエディタを使うと、アプリ間のコピペがとにかく鬱陶しい。
コピペした部分だけが文字の大きさとかがわかってすっげぇめんどくさい。
これ、まぁ「一手間」で予防や解決はできるんだけど、その一手間が「必要」ってのが結構めんどくさいんですよね。
なんていうかワタクシの基本は「Web」で、テキストベースのものが好きみたいで、HTMLでブログは書けるんだけど「WYSIWYGモード」とかは好きじゃない。
もちろん「Word」とかで文章書くのも「できない」し、できればやりたくない。ていうか、同じ「書く」でも、書くって結構色々あるような気がしてて、Wordとかの役割って「最後に整える」だと思います。
そして、Scrivenerというツールも、Wordと同じように「最後に整える」まで出来るやつであるために、できることが色々あって難しい。(さらに言えば、Scrivenerは執筆前の段階でも便利に使える機能がいっぱいある)
逆に、このUlyssesは最終的な見た目を整えるのは不得意だけど「レイアウトに翻弄されない」ので、ただひたすらに「書く」に集中できそうな感じ。
イメージとしては、Scrivenerは「本を作るツール(全部入り)」で、Ulyssesは「原稿を書くツール」
この違いで、自分が「どっちが好きか」ってのが分かれてくるような気がします。
iPhone iPadとも簡単に同期ができる
他にも、文字数のカウントやらなんやらもちゃんと付いてる(どころか目標文字数設定、とかもできる)し、マークダウン記号もヘルプはあるし、ショートカット設定も可能。見出しへのジャンプだったり、串刺しでの検索や置換、ファイルの並べ替えやら分割結合など、いろいろと「原稿を書く」機能は充実してる上に、書き出しに関ししてもCSSみたいなのをいじれば「デザインの自作」も可能な自由度の高さ。
おーこのアプリいいじゃん今度本を書く時とかこれ使おう、なんて意気込んで色々試してたら、オレの中で「本を書く」以外の用途でも役に立ってくれそうな感じがしてきて盛り上がってきています。
「ファイルという概念がなく」「iCloud同期がすごくシンプルでわかりやすい」
Ulyssesにはファイルみたいな概念は存在していなくて、保存場所はあくまでも「1つだけ」
それぞれの原稿はどこかの「グループ」(プロジェクト)の中の「シート」(ノート)として保存され、それら全てに常にアクセスできる状態になっています。
「全部」を前提にできるのも、マークダウンテキストの軽量さゆえだと思うんですが、このおかげで書いた文章たちは、iPadのUlyssesアプリや、iPhoneのDaedalusで、手間暇ほぼゼロで自動同期が可能。
私がScrivenerでやりたくて、でも面倒で諦めてたことの1つが、手間暇かけずに原稿をiPhoneとかiPadでも読んだり書いたりできるようにする、ってことだったんですが、これ簡単に実現できるんじゃね?
ていうか、これだけ簡単にテキストが同期できるなら、隙間時間にiPhoneでブログの下書きとかできるんじゃね?って思い始めているところなのであります。
アプリDaedalus。同じ会社のアプリなんだけど、読み方が難しい…
これまで何回もiPhoneでブログ書くのは挫折して、もうパソコンでしかブログは書かない、って決意してたんですが、つい先ほどからブログの下書きならうまく隙間時間を使ってiPhoneで書いてもいいんじゃないかとあっけなく決意がひっくり返りそうな感じになってきています。
工夫の余地はいっぱいありそうですが、とりあえずここまで試しにUlyssesを使ってブログ書いてみましたが、ほとんどなにも問題なく書けてて驚いているところであります。
Ulyssesのアプリは4500円とかするすっげぇ高価なものですが、10時間のお試し期間の間(起動してから、ではなく、起動した時間の合計が10時間まで)はずっと自由に使えるんで、一度試してみる価値はあると思います(ただし、iCloud同期が使えない)
また、iPhoneとの同期に関して公式サイトでほとんど説明がない感じがするんですが、MacAppStoreからUlyssesを、そしてiPhoneでDaedalusをインストールして、どちらも同じApple IDでログインすれば問題なくテキストの同期は可能です。
Daedalusは名前も中身もちょっと特殊な使用感なので、これが気になるならば他のDropbox同期アプリで同期してやるのもいいかも。
Markdownみたいなプレーンテキストを使うと、デバイスごとのアプリの自由度が高い、ってのもメリットの1つですねぇ。
参考
蛇足ながら、Daedalusって書いて、ダイダラスorディーダラス、って読むらしいですよ。小説「ユリシーズ」の主人公の名前らしい。
Ulysses(公式サイト)