iPhone, iPad, Macでクラウド同期しながら書けるマークダウンエディタの2強「iA Writer」と「Ulysses」
つい最近までは「iA Writer派」だったんですが、最近私は宗派替えをいたしまして、Ulyssesを愛用するようになりました。
「画像も扱えて、Wordpress投稿ができるエディタ」という点で、どちらも素晴らしく、似たような部分も多いんですが、乗り換えた理由と共にこの二つのマークダウンエディタの違いなどをまとめてみようと思います。
クラウド同期できるマークダウンエディタ iA WriterとUlysses
2つのアプリの特徴をざっとまとめるとこんな感じです。
- マークダウン対応のエディタ
- HTMLやPDFなどでの書き出し可能
- iCloud やDropboxを使ってMacとiOSで同期可能
- 独自拡張で画像も扱える
- WordPress & Mediumに投稿可能
どちらもこの1〜2年くらいの間にiOSアプリができたりWordpress投稿機能がついたりして一気にエディタとしての機能が充実してきてます。
個人的な話で言うと、Macの最強ブログエディタ「MarsEdit」から完全に抜け出して、ついにようやく快適なクラウドで同期できるブログ執筆環境が手に入った、ってのが大事なところ。
Ulyssesのいいところ
Ulyssesのいいところをまとめるとざっとこんな感じ。
- 自由なテキスト順序の並べ替えや柔軟なフォルダ管理(スマートフォルダ、タグなどもある)
- WordPressへの投稿機能が充実(特に、一行目をきちんとタイトルとして認識してくれるのが最強)
- テキストの結合や分割、並び替えも自由自在
また、テキスト本文以外にも「キーワード」「メモ」「画像」を添付ファイル的なイメージで保存することも可能で、ブログを書くときの下準備段階で必要な画像をとりあえずその記事に入れとく、ってことができるのは結構便利で気に入ってます。
その他、Wordpress投稿時には先頭のイメージをアイキャッチとして保存してくれたり、メモが「概要」でキーワードがカテゴリやタグになるのも細かいこだわりを感じてお気に入りです。
投稿スラッグもいい感じ(英語のみを抜き出す)になるのもポイント。
基本的にはこの「メーラーっぽい画面での記事の管理」ができる、と言うのがUlyssesの一番わかりやすくて便利なところではないかと思います。
ちなみにiPhone上ではこんな感じ。
Ulyssesの物足りないところ
逆に、Ulyssesで「ここは物足りない」ってのがこれ。
- 無駄な親切で「加工して貼り付け」されたりする
- 例)記号が勝手に変換される(_アンダーラインが自動エスケープで貼り付けられたり)
- 例)URLを貼ると勝手に「リンク」として貼り付けられる
- iPhoneでの画像の貼り付けが色々とても面倒
とにかく最初にUlyssesを使わなかった最大の理由は「無駄な親切が邪魔」だったことでした。
HTMLをUlyssesに貼り付けとかしようなら実に残念なもので、見た目的に色がごちゃごちゃして見づらいってだけでなく、括弧で囲まれたものを自動で「リンク」にしてくれたりとかアンダーバーが強調になったりとか、何かと色々めんどくさかったのです。
ただこれは、先頭にチルダを2つ入れて「ソースブロック」として扱い、そこに貼り付けする、って方法をとることで、多くの問題が回避できました。
これによって基本的にUlyssesへの不満点はほぼなくなり、純粋に「いいところ」を比べてどっちにするか悩むことができるようになりました。
iA Writerのいいところ
iA Writerのいいところをまとめるとざっとこんな感じ。
- 自動目次作成機能
- 「行移動」ショートカット
- 同時プレビューと追従スクロール
- iPhoneアプリの天才的キーボード
- CSVやtxtファイルの取り込み
- ファイルへのリンク
- Dropbox共有でも画像が扱える
iA Writerは全体的に「1個の文章を書くための補助機能」がとても優れてて、今でも正直まだ捨てがたい魅力がたくさんあります。
よくブログで見かけるような「記事の先頭に目次を入れる」ってことも{{TOC}}と入れてやるだけでできるし、ショートカット(⌥+矢印)で1行まるっと上下に動かせるのはとても魅力的。
CSVファイルやテキストファイルを「貼り付け」てやることで、CSVを自動で表にしてくれるし、テキストも「ソース」として表示することが可能。(iA Writerで書いてる文章自体を貼り付けて、1つの文章のように書き出すこともできる)
何よりも、マークダウンで書きながら右側に画像付きの成形された文章が表示できるリアルタイムプレビューは本当に優秀で、すごく直感的にわかりやすくて素晴らしい。
HTMLを貼り付けておいた場合には、それすらもちゃんと「リアルタイムにプレビューできる」ってのは本当に天才。
iA Writerの物足りないところ
- フォルダは使えるんだけど扱いづらい
- というか全体的にテキストの整理整頓は難しい
- ファイル名という概念が残っている(自動でタイトルが残る。見出しの修正が面倒)
- 階層の移動がしにくい、現在の場所がわかりにくい
- iPhoneで「今どこにいるのか」がわかりづらい
- iPhoneでDropboxにあるテキストを開くのはとても面倒
1つの文章を扱うことに関しては本当にiA Writerは天才で素晴らしいんですが、iA Writerはどうしても「複数の文章の整理」がやりづらかったです。
一応フォルダみたいなのは作ることができるんだけど、並べ替えが「名前順」「更新順」などはできても「自由に並べ替える」ってのができません。
結局それができないとまとまった量の文章を書くのは難しいし、ブログを書く場合でも「下書きなのかただのメモなのか」などを把握しづらく、量が増えると実質管理ができてない状態になってしまいました。
また、iPhoneでファイルを開くと「今どこにいるのか」がとてもわかりにくく、書いたと思った文章がどこに行ったんや、みたいなことも何度か発生してたりもしてました。
まとめ・全体の雑感
iA Writerは「プレーンなテキストファイル・フォルダシステム」を意地でも維持しつつ、根性で多機能を作り出したエディタ。
もともと「他のエディタでも扱いやすい」のがマークダウンのメリットだと思いますが、とにかくそれを行けるところまで突き詰めた、って感じ。
対してUlyssesは「テキストっぽく見えるけど実は少し加工してる」ことによって便利さを追求していっているイメージ。
UlyssesはiCloudで同期すると、フォルダの中身は通常では見えないとか、Dropboxで同期すると画像が扱えないとかの制限があったりはするんですが、おかげで「ファイル名が見出し」なんてことにもならないし、メモを添付したり、テキストを自由に並べ替えたり途中で分割したりくっつけたりなどが自由自在。
個人的な意見だと、「1つのファイルの扱いやすさ」のみに関して言うと完全にiA Writerが優秀。
でも、Ulyssesみたいにフォルダが扱いにくかったり、テキストの順番を自由に並べ替えができない不便さはとても大きく、テキストの管理がだんだん大変になってきた。
そんなタイミングで、ULyssesで不便すぎると思っていた点は「そんなに不便じゃない」ことが判明したことで、 Ulyssesに舞い戻ってきた、って感じです。
参考
Ulysses、昔買って忘れてたけど、両方買い揃えると結構高いですね。
まぁ、それでもエディタが大事な人にとっては安いものだと思いますが。