Apple CarPlay 1ヶ月じっくり使ってみたレビュー

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先日購入したクルマSUBARU XVには、Apple CarPlay対応のカーナビを付けました。

ある程度色々CarPlayを試してみて、CarPlayとは一体どういうものなのか。

何ができてどこが便利なのか。

CarPlayでできることと、実際に使ってみての感想などをまとめてみたいと思います。

CarPlayの基礎知識

「iPhoneをカーナビにすれば、音楽聴けるしナビも出来るし、もう普通のカーナビいらないんじゃね?」

一言で言うと、これを実現したのがAppleのCarPlayです。

使用するのに必要なのは、クルマとiPhoneとCarPlayに対応したカーナビ。(iPhone5以降から利用可能)

(CarPlayは「iPhoneを母艦として動作する」ものなので、正確にはカーナビではなく「タッチパネル付きのモニター」を車に搭載できればいいんですが、まだそういう商品は少なく、CarPlayにも対応したカーナビを装着して使う、というのが現実的な方法)

CarPlayが使えるナビを探すと、4万円くらいで売ってました。(もっと安いのもあるかもしれない)

CarPlay対応のナビでの起動方法は基本「車から出てるケーブルをiPhoneに繋ぐ」

無線で接続できる機種も存在するらしいんですが、まだほとんどないみたいです。

ナビとiPhoneをケーブルで接続すると、iPhoneに「CarPlay」みたいな画面が表示され、ナビ側でもCarPlayの画面が表示されます。(iPhoneでスクリーンショットのボタンを押すとCarPlay画面のスクリーンショットも保存される)

使えるアプリは「地図と音楽」くらい

CarPlayの画面はiPhoneのホーム画面とほぼ同じで、ホーム画面からアプリをタッチするとアプリが使えて、そこで色々操作できる、って感じの仕組みです。

現状でCarPlayに対応しているアプリは極めて限られており、基本的にApple標準の電話、メッセージ、地図、ミュージックにポッドキャストくらい。

Apple製ではないアプリもインストール可能ではありますが、SpotifyやAmazonMusicなどの音楽系・Podcast系アプリしか対応していません。(iOS12から地図アプリも標準以外に解放される。音楽、地図以外は運転の安全のため基本的には使えないと考えておいた方がいい)

メッセージアプリも現状はiMassage以外には解放されていません。

Apple Mapが思った以上に優秀

なんだかんだ1ヶ月くらいCarPlayを試していますが、Appleの地図は思ったより優秀です。

目的地の検索なども、かなり幅広い場所が「名前入れるだけ」で見つけられるようになってました。(ここ1ヶ月使った範囲でGoogleMapに唯一負けたのが、パン屋さんの「ラスティコ3」を「ラスティコスリー」と入力しないといけなかったところ。他は全て同レベルの結果が返ってきた)

飲食店とかは、日本だと食べログデータを活用してるみたいで、遠方でもサクッと候補が出てきます。

いろんなCarPlayのレビューを見ても、アップルのナビ(マップ)はダメダメって言ってる人多いんですが、Apple製の地図登場時の最悪だったイメージに引きずられてることが多いように思います。

GoogleMapの検索には劣るけど、普通に使う分には違いを感じることは少ない感じ。

いろいろとまだまだ足りない部分は多いけど、ナビとしても前の車についてたオンボロなカーナビよりはるかに優秀だし、見た目綺麗で道がわかりやすいし、GoogleMapみたいに「1分早く到着するために何度も曲がりながら車で走りにくい細い道を走らせようとする」ということをしてこないのもあって、AppleMapは総合的に十分に「使える」もの、ってのが私の意見。

Apple謹製の地図アプリのいいところをざっとまとめると以下の通りです。

  • iPhone(というかiCloud)との連携が優秀
  • Apple Watchとの連携が天才
  • 次の曲がり角までを常に見せてくれて見やすい(縮尺可変)
  • ナビの案内中はPodcastが止まる

逆に、やっぱりこの辺はあんまりかな、ってのはこんな感じ。

  • ルートは大して賢くない
  • 予測時間がGoogleMapほど正確ではない(渋滞情報がない?のかルートも常に同じ)
  • 高速道路が大好きすぎてやめてほしい
  • 2018年とは思えないぎこちない音声
  • 過去の酷かった時期の記憶から、目的地を信用していいか未だに不安

以下詳細。

iCloudとの連携

CarPlayを使って一番「おーすげー」って思ったのがiPhoneとの連携。

カレンダーの予定や自分の過去の履歴などを元にして、実に賢く「ここ目的地だよね」みたいなのを提案してくれます。

この画面は「ナビにiPhone接続して何も操作してない状態」です(カレンダーの予定に書かれてた住所を読み取って候補に出してきた)

クルマに乗る前にiPhoneで目的地を調べたりしてた場合には、その場所を「ここが目的地だよね」って提案してくれるし、同じ時間、同じ曜日に同じ場所に行っていると、その履歴を元に?自動で「ここだよね」って目的地候補を出してくれたりもします。

また家に帰ろうという時にも「今から家帰るんだよね」ってうまいこと判断し、そういう時には「家までのルート」を自動で提案してくれます。

この、半自動の目的地設定というのが思った以上に便利で重宝します。

ちゃんとナビして欲しい場合はそのまま「ナビ開始」を選べばナビが始まるし、「到着時刻を表示」というのを選べば音声案内なしで目的地までのルートを表示してくれます。

2箇所以上回る時の「ゆるいナビ」が重宝する

クルマで2箇所以上の場所を回る時なんかにこの「ゆるいナビ」がすごく便利です。

基本的に「家から何処かに行く」場合には自分独自の行きやすいルートってのがあるんだけど、これが「どこかに寄ってから次の目的地に向かう」ってなるとなかなかそうはいきません。

家以外の場所からどこかに向かうときは、どの道が最適なのかの判断が非常に難しい。(特に我が家の近辺は、複数の線路、一方通行の通学路、北にも西にも流れている川などがあり、それらを考慮した最適ルートを考えるのが難しい)

こういう場面って、道路だけはだいたいわかるから「音声案内」とかはいらないんだけど、どの道で行けばいいのかってのによく悩むんですが、こういうときに道順だけ見せてくれると考えることが減ってめっちゃ快適。(曲がるときにAppleWatchに通知は来る)

音声案内って便利なんだけど、わかりきった道で音声の案内はいらない。

案内で音楽やPodcastが聴こえにくくなるのは「不便」です。

そういう時にこの「目的地とルートだけが出る音声なしのナビ」が日常生活にいい感じにマッチします。

曲がる時なAppleWatchが震えて教えてくれる

そして何よりも、Appleの地図アプリで最強なのが「Apple Watchとの連携」

ナビしてる最中に、ここで曲がるよってタイミングでApple Watchが震えて教えてくれるというシンプルなものなんですが、これがめちゃくちゃ便利でわかりやすい!

「まもなく左折です」みたいなフレーズって、ナビによって結構タイミングが違って、交差点が連続するようなところではどこで曲がるのかが非常にわかりにくいです。(自分がいろんなスマホのナビアプリを試してたから、ってのもある)

しかも音声でのナビって割と聴こえにくいこととかもあったりしたんですが、Apple Watchは物理的に振動するんで「ほぼ確実に反応できる」

音声ナビは「どのタイミングで通知してくるか」を覚えるのが難しかったんですが、Apple Watchはルールが非常にシンプルなんで数回使って「あ、ここで振動したらここで曲がるんだな」みたい感覚をあっさりと身につけることができました。

CarPlayってちゃんといろんなことが考えられてて、CarPlay利用中は地図のナビ以外では絶対Apple Watchが振動しない(通常の通知はApple Watchに一切届かない)ので、Apple Watchが振動したら必ず曲がる時。

震えたら絶対ここで曲がる。

この安心感は通常のカーナビでは得られない機能で、大変便利です。

次の曲がり角までを常に見せてくれて見やすい

もう1個、あーこれはいいなーっていうのが「地図の見やすさ」

地図の見やすい見にくいというのは大いに主観が混じったものではあるんですが、アップルの地図がよく考えられてるなーって思うのが「地図の縮尺が常に変わるところ」

自分が使ったことがあるカーナビは、走ってる最中は地図の縮尺は固定で、縮尺を変えるには必ず手動で操作する必要がありました。(新しくなると交差点で「拡大表示」を入れることで対応してた)

これが、CarPlayの地図だと「次に曲がるところがわかりやすいように」自動で縮尺が変わって地図が表示されます。

「直進の場合は全体を」「曲がるところはできるだけ詳しく」表示してくれるのが大変素晴らしいです。

他にも、信号待ち時などにルートの確認で地図を操作した場合、既存のカーナビは現在地に戻るには「現在地ボタン」を押す必要がありましたが、CarPlay(AppleMap)だと走り始めたら自然に現在地に戻ってきてくれました。

一個気をつけないといけないのが、CarPlayの地図が現状はマルチタッチに非対応で、ナビの画面を触って地図を拡大縮小したりするとクッソめんどくさいです。(全体表示、ってのはあるので、そこをタップで全行程はざっと把握できる)

将来的にはここも変わってくると思いますが、CarPlayでの地図は基本「表示するだけ」が良さげ(地図を操作して見たいならiPhoneを手に取った方が簡単)

ナビの案内中はPodcastが止まる

ちなみにCarPlayは、ナビ音声が入るとものすごくBGMの音量が下がる(他のカーナビとの比較)という特徴があるんですが、設定で「読み上げオーディオを停止」という風にしておくと、ナビの音声案内時にはPodcastやオーディオブックの再生を止めてくれるという機能があり、これによってPodcastが非常に聴きやすくなります。

つまりごりゅご.com Castを聴くにも大変便利です。

ただ自分の場合、カーナビが必要になるような慣れない道ではPodcastを聴く余裕はなく、大抵そういう時は音楽聴いてるんで、この恩恵に預かることは少ないです。

AppleMapの大したことないところ

AppleMapのいいところばっかり色々書いてきましたが、正直Appleの選んでくれるルートは「安心」ではあるけど大して賢いとは思えません。

Appleの地図はまだ渋滞情報を取得していないのか考慮していないのか、いつ道順を調べても運転時間は同じで、いつも同じルートを選んできます。

通る道自体は車で走りやすく、安定したルートではあるんですが、自宅に帰る時なんかは「これは遠回りすぎるだろう」と思うこともしばしば。

また、高速道路が大好きすぎて、5分早く到着するために遠回りして高速に乗せようとしてくる、ってのも正直やめて欲しいところです。

GoogleMapも「5分早く到着するために遠回りして高速に乗せる」し、Googleはさらに「3分早く到着するために何回も曲がって細い道を通る」って仕様であることを考えれば遥かにマシではあるんですが、いろいろ改善の余地は多く感じます。

(ちなみに、細い道を車で通るのとか好きじゃないので、CarPlayでGoogleMapが使えるようになっても今後も使うことはないと思う)

高速にすぐ乗せようとする仕様は、仕方ないので「高速道路を使わない設定」を標準にして乗り切っています。

高速道路を走らない設定にしていても「高速使うと早いよ」みたいな提案をしてくる場合もあるので、遠出の際にはそういうルートを自分で選ぶ予定。

また、最近のナビなら教えてくれる「左折専用レーンがあります」とか「合流があります」みたいな案内はまだありません。(というか、まだAppleのMapには日本の「車線」的な概念は搭載されていない模様。Yahooカーナビがこの辺りはめちゃくちゃすごい)

追記:2018年8月に「合流のために右車線に移動してください」という音声ガイドを確認しました(国道23号線への合流時)最近は「アメリカではすでにAppleMapはGoogleMapより賢い」と言う噂を聞いたり、ストリートビューのための撮影車も日本で目撃されていたり、これからの便利さは加速して行く予感。

また、ナビの音声は2018年とは思えないぎこちなさですが、少なくとも2017年9月(AppleのMapをよく試した時期)に比べればかなり良くなってるので、この辺りは今後を考えればほぼ確実にもっと良くなると思います。

というかこの1年くらいの進歩を見るだけでも、AppleMap結構な勢いでよくなっていってるのは実感できます。

どうしても昔酷すぎたせいで今でもAppleのナビを信用していいのか不安になるというのだけはなくならないんですが、実はGoogleMapとかでもうまくナビしてくれなかったこともあるので、半分は「自分のイメージ」な気もしています。

徹底的な「安全運転仕様」

また、CarPlayでよく考えられてるなーって思ったのが「可能な限り安全運転させる」仕様。

iPhoneをCarPlayに接続すると、とにかくいろいろiPhoneを触らせない、見せないようにする工夫をしてきます。

メッセージ(iMassage)が届いた場合には、着信音はなるけど内容は絶対に読ませない。

メッセージの内容を知るにはSiriを使って「メッセージを読み上げさせる」のが基本。

メッセージをSiriから送る場合にもSiriを使うんですが、この場合も内容確認はSiriの読み上げのみ。

また、Apple Watchを着けている場合にもあらゆる通知は一切Apple Watchに送られないようになります(ナビ利用時の「ここで曲がる」の時だけApple Watchが震える)

電話は着信できるけど、Facetime(テレビ電話)がかかってきた場合には呼び出し音も鳴らなかったりなどなど。

いろいろ「不便」にも感じるんですが、仕組みとして、仕様として安全運転を強制するという姿勢は実に合理的で良く考えてるなーと感心します。

まとめ 5年後考えたらCarPlayは圧倒的にオススメ

私の場合、標準ナビの地図のデザインが嫌すぎて、ナビは基本CarPlay(AppleのMap)しか使わないようになりました。

自分の感覚ではナビのデフォルメされた地図より、Appleのリアル寄りのデザインの地図の方が運転しやすかったです。

CarPlayと普通のカーナビを比較してみると、まだまだ「普通のカーナビ」の方が優れている点は多いと思いますが、それでも私は見た目的にCarPlayを使いたくなります。

また、カーナビでわりと重要だと思うのが今よりも将来。

今回買ったクルマに搭載されてたナビは、3年間の地図の更新は保証されてるけど、以降は古いまま(もしくはお金を払ってデータ更新する)

さらに「ナビ本体」に関しても、多分5年以上「同じ機械」を使い続けるはずで、ハードウェア的なパワーアップはなし。

ナビのソフト自体も、ずっと「買った時のまま」で、これ以上良くなる見込みは(たぶん)なし。

iPhoneは、地図のデータは(通信が必要だけど)ほぼ確実に常に最新で、1年か2年に1回本体も新しくなる(予定)

そして多分今後もルートの探索やナビの音声やら、どれもこれもいろいろ進歩していくはず。

1年で「カーナビより圧倒的に良くなる」ってことは難しそうだけど、5年経てば「CarPlayの方が賢いし完全に便利」ってなる可能性は極めて高いと思ってます。

何よりも、せっかくこういうiPhoneていう持ち歩いて通信できるコンピュータがあって、これに「カーナビと同じ機能」が標準で入ってるんだから、普通のナビに高いお金出すのは勿体無いよね、って思うようになりました。(カーナビ20万もした。。。iPhoneより高い)

今あえてCarPlayが搭載されているカーナビに買い換えるメリットはあまりないと思いますが、もし「新しくカーナビを取り付ける」という場合には、CarPlayが搭載されたナビというのは極めて有力な選択肢(というかCarPlay付いてないナビ買うのは勿体無い)ではないかと思います。

CarPlayへの期待値がそもそも低かったというのはありますが、期待してたよりもかなり便利で快適だったし、将来には大いに期待できる、てのが正直な感想です。

この記事を書いた人

五藤隆介(goryugo)

「仕事効率化」「ライフログ」「家族Hack」「デジタル情報共有」みたいなことを書いてます。

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