Apple Booksを使ってみたのでKindleと比較してみる

2018年にAppleの「Books」アプリがリニューアルされて、なんか色々気になっていました。

で、先日ようやくちょっと本格的にApple Booksを使って本を読み始めました。

(主にKindleと比較して)Apple Booksの良い所や悪い所、使い勝手の違いなどをまとめてみたいと思います。

家族で共有ができる

Apple Booksのまず一番の大きなメリットは「共有」

AppleIDで家族の登録さえしておけば、基本的に家族が買った本は誰でも無料で読むことができます(アプリの共有と同じイメージ)

Kindleでも同じIDでログインすれば、仕組みとして共有はできなくはないんですが、全ての本が強制的に「同じ」になるし、読んだところを同期する機能などが役に立たなくなったりして、なんだかんだ物足りない部分が多いです。

ちなみに、アメリカではKindleもFamily Libraryというものがあって、大人2人、子供4人までは「共有」が可能みたいです。

本を探すUIが(iOSで)大変優秀

最近のiPhoneは画面が巨大化したことにより、画面の上の方を片手操作でタッチするのはめっちゃ難しくなってます。

その対策として、最近のApple純正アプリはできるだけ画面の上の方を触らなくて済むようなデザインになってるものが増えてきています。

写真アプリ(写真を下スワイプで1枚表示か終了)だとか地図アプリ(検索窓が常に下)などが代表格だと思うんですが、Apple Booksも「下の方だけでだいたいの操作が完了する」ように考えられてます。

ハイライトのコピーが簡単

AppleBooksは「ハイライトのコピーが簡単」というのも大きなところです。

基本的に、読んだ本の面白いと思った部分はScrapboxにまとめるようにしてるんですが、Kindle本はハイライトのコピペが色々ややこしい。

AppleBooksの本は(確認できる限りMacからならば)ハイライトのコピペは超簡単。

https://read.amazon.co.jp/notebookにアクセスすれば本来はKindle本も簡単にハイライトのコピペができるんだけど、私の場合USのKindleアカウントと連結させた時からのエラーで、2015年7月以降にハイライトをつけたものは全く表示されません。(当時サポートに連絡したらこれはUS機能だからサポート対象外と言われた)

また、細かいところでいうとKindleの「メモとハイライト」は「ハイライト部分だけ」しか見られないのに対し、AppleBooksならばハイライト部分に飛んで、前後の文章も読めるので「後から何をメモるか考える」のがやりやすい。

これに関してもKindleの場合には「Kindleアプリ」を使えば「ハイライトとその前後」を見ることはできますが、今度はKindleアプリからは引用のコピペができないという問題が発生し、結局ハイライトを扱いやすいのはAppleBooksかな、という結論に至ってます。

スクロールで読める

本は縦書きが標準の日本では便利さを実感しづらいんですが、AppleBooksのテキスト本は(確認できた範囲では全ての本で)いわゆる「無段階無限スクロール」ができるようになっています。

この機能についても、Kindleは「機能として対応してる」けどどうやら「本の方で対応する必要がある」ため、事実上殆どの本では使えない状態です。

縦書きの本はスクロール方向が横向きで、読みにくいと感じる人も結構いそうなんですが、横書きの場合「Webを読むいつもの感じ」で本が読めてすごく読みやすいです。

というか基本的に、特殊な理由がない限りは本は横書きで読みたいよなって思うんですが、そう思う人は少数派なんですかね。縦書きのメリットが、巻物時代からの歴史に伴う「慣れ」以外思いつかん。

暗いところだと自動で暗くなる

いいか悪いかわからない微妙な機能だけど、AppleBooksには「周りが暗くなると背景色が自動で黒になる、という機能もついてました。

これに関しては特にコメントなし。別にどっちでもいいかな。

マンガ余白の色違いが気になる

と、ここまでは基本的にAppleBooksのいい機能ばかり並べてきましたが、マンガを読むことに関しては残念ながら現状はKindleの方が優れていると思います。

その理由は「AppleBooksは上下の余白がグレー」というところ。

左:AppleBooks

右:Kindle

この「色が違う」のが結構気になって、かなりマンガのサイズが小さいように感じます。

また、全てを見比べてはいないんですが、全体的に「左右の余白の量」もAppleBooksの方が多い感じがします。

余白面積はマンガによって色々違うんで、一概には言えないんですが、上下グレーなのもあって印象としては「Kindleの方が読みやすい」かな。

画面サイズや余白の比較(テキストとマンガ)

参考までに(iPhone X利用時の)AppleBooksとKindleでのテキスト本でのレイアウトの違いも載せておきます。

左:AppleBooks

右:Kindle

メニュー非表示

メニュー表示

Appleは「Appleが考えるちょうどいい長さ」(メニューを表示しても文字が隠れない長さ)で1行を切っているのに対し、Kindleは「可能な限り画面を文字で埋める」感じの方向性。

個人的には「横書きにして縦スクロール」が最強だと思うんで、どっちがいいとかは判断し難いです。

現デザインでの私の意見は「Appleの方がカッコいいけどKindleの方が読みやすい」(読書部分の文字組みのみについての意見。慣れの可能性もある)

シリーズを揃えたくさせる仕様

これもまた良いことであり悪いことであるんですが、AppleBooksで1回マンガなどのシリーズものを買うと、持ってない本まで「同じシリーズの本」として表示されるんですよ。

これが、利便性としては大変に素晴らしいんだけど、続きを買うのが簡単すぎて、さらに揃えたくなる欲求も上手に刺激してきて、金銭的には非常に悩ましい。

Kindleは仕様上iOSアプリで直接買うことができないので、言ってみればAppleだけズルイ、って仕組みではあるんですが、ユーザー的にはまあ当たり前に「すぐ買える方が便利」なのは確かです。

値段はほぼ確実にKindleが安い

最後に、非常に重要な大きな違いなんですが、自分が確認できる範囲において、ほぼ全ての本がAppleBooksよりKindleの方が安いです。

新しく出たばっかりの本なんて値段変わらんだろ、って思ってたんですが、どの本見てもだいたい50円とか小さな違いだけどKindleの方が安い。

AppleBooksもセールっぽいことたまに見かけるけど、セールの範囲や頻度なんかはもう圧倒的にKindle。

コンビニなどで開催されるiTunesカード購入で10%追加キャンペーンをうまく使えば AppleBooksとKindleの差はなくなりそうな感じはします。

ただ、その辺りは本によっての値段など比較するのがめんどくさすぎてもうどっちがいいかわからない状態。

どちらにせよ、純粋な販売価格においては「ほぼ確実にKindleが安い」というのは知っておくと損しません。

個人的な使い分け方

現在使ってる電子書籍読書ツールは以下4種類。

  • iPhone X
  • Kindle Paperwhite (防水のやつ)
  • Fire HD 10
  • MacBook Pro(今後使ってみようと思ってる)

これを踏まえて今後のAppleBooksとKindleは、こんな風に使い分けていこうと思っています。(どうやって読むかも含む)

  • 気になった本があれば基本的にAppleBooksで買う
  • 隙間時間でiPhoneを使ってAppleBooksの本を読む
  • Kindle Paperwhiteで、これまでの積ん読とKindle Unlimitedコンテンツ消化
  • 2〜3日に1回ゆっくりお風呂入りながらKindle Paperwhite
  • Fire HD10でKindle Unlimitedで読める雑誌を読む
  • マンガを買うならKindleかなぁ
  • マンガもAppleBooksで買ってMacで読むのも良さそう(Macのブックアプリはすごく綺麗で読みやすい)
  • というかもう今後買う本は全部AppleBooksにしよう(Mac使えばいい気がしてきた

この記事を書いた人

五藤隆介(goryugo)

「仕事効率化」「ライフログ」「家族Hack」「デジタル情報共有」みたいなことを書いてます。

面白い本について語るPodcast「ブックカタリスト」も始めました

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