ノートアプリObsidianの基本的な使い方

シゴタノ!で2回連続でRashitaさんが紹介していた、Obsidianという(エディタ|ノート)ツールを使ってみました。

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一言で雑にまとめると「ローカルで使えるRoam Research。ただし、アウトライナーではない」というものです。

最初ちょっと触ってみるつもりが、自由度の高さがすごい面白くて、1日中いじくり倒したり、過去データを変換したりと、一気に9時間半くらいいろいろ試してみる程度にはハマっていました。

Obsidianはどういうものか

Obsidian公式のページで紹介されているキャッチコピーは以下のようなもの。

A second brain,
for you, forever.

Obsidianは、ScrapboxとかRoam Researchとかと同じような、ノート間でのリンクを重視した「ネットワーク系」の「ノートアプリ」に分類されるツールなんですが、その特徴は「データを全部ローカルで管理する」というところ。

さらに、管理するデータ自体は基本 .md という一般的なマークダウン形式のものなので、Obsidianの開発が終わっても自分が作ったノートはそのまま使い続けられるというのが特徴。

もちろん、Roam ResearchとかScrapboxとかでもデータのエクスポートはできるけど、Obsidianの場合は「ほぼなにもしなくてもそのまま汎用的なデータが手元に残る」ので、ツールの乗り換えなんかも簡単にできる(はず)

その他、基本的な機能はできるだけ抑えて、便利な機能というのは「プラグイン」という形でユーザーが自分で自由に追加できる、という形式にしてるのも特徴の一つ。

Obsidianの特徴的な機能

Obsidianでできることをざっとまとめると、以下のような感じです。(多くが設定の中の「プラグイン」をオンにすることで使える。

  • Roam Researchからのインポート
  • デイリーページを作れる
  • バックリンク(このページにリンクしているページ)
  • ランダム表示
  • システム全体からの検索(正規表現可)
  • コマンドの呼び出し&コマンドでファイルを開く
  • 上下左右の画面分割
  • プレビュー並べての左右での編集(画像あるとき特に便利
  • テンプレートの作成&呼び出し
  • 結構カスタマイズできるショートカットキー
  • D&Dでの画像の埋め込み

Roam Researchからのインポート

ObisidianはRoam Researchに似たツールだと思うんですが、割とド直球に「Roam Researchからのインポート機能」もプラグインとして標準でついてます。

というか、そもそもRoam Researchが大変優秀で、Roam Researchから「Export All」したデータは、拡張子 markdown で全て書き出して、1つのフォルダに整理された状態にしてくれます。

言ってみれば「これをそのままObsidianで開く」だけで、もう大体Roam Researchのデータ移行は出来上がり。

#と[[]]を併用した一部のマークアップだけ表示が崩れるんですが、それはRoam Researchからの変換ツール、というやつを使ってやればそれで変換完了。

Roam Researchにアップしてた画像なんかも「プレビューモード」ならナチュラルにそのまま表示してくれます。(移行後のノートは全てリストになるので、それは一括で修正しました。需要あれば手順もまとめる予定)

デイリーページを作れる

これもまたRoam Researchと同じように、Obsidianは(プラグインで)デイリーページ、というのも作ることができるようになってます。

また、別プラグインの「テンプレート」と組み合わせて、デイリーページは自動で自分が作ったテンプレートが書き出し、ってこともできます。

また、この設定を使えば「デイリーページだけ別フォルダ」というのも簡単。

バックリンクとランダム表示

これまたRoam ResearchやScrapboxで便利な「このページにリンクしてるページの表示」という機能も、Obisidanについてました。

Obsidianの場合は「トグルでバックリンクを呼び出す」意外にも、右側のタブにバックリンクを表示、っていうのが可能で、ある程度大きなウインドウにしてやると「常にバックリンクが目に入る」というのが特徴です。(画像右側)

Image from Gyazo

Roam ResearchもScrapboxも「下」が基本なのに対して、Obisidianは「右の常時表示が可能」

この辺りは好み等いろいろあると思いますが、個人的に「デカい画面使って常に右にリンクを表示させとく」というのは、後述の「左の検索結果」と合わせて大変よいと思ってるところです。

「Show more context」を選ぶとリンク行の上下までプレビューできるおかげで、Roam Researchのリンクのように「ページの中の該当部分」だけ表示させつつ、Roam Researchの「クリックしないと下が見えない」めんどくささも解決してくれて、これだけでRoam Researchから乗り換えてしまおうか、と思える素晴らしい機能。

また、Scrapboxですごい便利だと思ってる「ランダム表示」も実装されてて、これにショートカットを割り当ててやれば「パラパラとノートをめくる」のデジタル版も容易に実現可能。(アナログノートよりもっとランダム性が強い)

システム全体からの検索(正規表現可)

この「検索結果の上下も表示できる」というのが個人的なObisidan最大の素晴らしいポイントだと思ってます。

この「上下含めてプレビュー」はObisidanの中身のファイル全体に対しても有効で、これがとにかくすごい探しやすい。

この左側の検索結果をクリックしてやれば、メインのノート部分にノートが表示させることができます。

Image from Gyazo

検索結果はファイル名昇順に並ぶので、目的によっては別の手段の方がよいこともありますが、基本的に「特定のフレーズだけ」を簡単かつファイル名順で並べられるというのは非常に使い勝手がいい。(検索結果の並び替え、というのも、この記事書いた直後に実装されました)

たすくまのログを、同じタスクだけ並べる、とかすごい簡単。

この検索があれば、リンクは必要最小限にした方がいいかな、とか思えるくらいには便利そうで良さげな検索です。

だいたいキーボードだけで操作できる

また、ローカルアプリならではな強みとして、キーボードショートカットがたくさんあって、さらにそれらは割と自由にカスタマイズ可能で、これに加えて「ファイルを開く」だとか「特定の機能呼び出し」もキーボードだけで操作可能。
(⌘+Oでファイル、⌘+Pで特定機能の呼び出し)

Image from Gyazo

自由に並べられるウインドウ

それに加えて、画面を上下やら左右やらに自由自在に分割できて、さらにそれらをキーボードで行ったり来たりできて、マークダウンのプレビューは左右で同時にスクロールもオッケー。

Image from Gyazo

以前Roam Researchを紹介した記事でも、左右分割できるエディタは本当に素晴らしい、ということを書いてますが、これができるものは実に少ない。

プログラマ向け「じゃない」エディタで、ウインドウを上下左右に分割できるノートアプリはすごいレアです。(とは言え、Obsidianは全体的にプログラマ向けっぽい仕様ではある)

その他良いところ

他にも、画像はドラッグドロップすれば自動でその場に「画像用コード」を挿入してくれて、画像は設定で指定したフォルダに自動コピーしてくれたり、テンプレート、という機能を使って、文字通りのテンプレートを、幾つでも作って呼び出すことができたりなどなど。

キーボードショートカットでできることも多く、それらもかなり自由にカスタマイズできたりと「キーボード派」な人に嬉しいこと満載。

感想

今回この記事もObisidianで書いて、iA Writerにコピーしてブログに投稿、ってことをやってるんですが、日常使う「ノート」からそのままブログに移行できる、というのは結構いい感じかもしれないな、って感じてます。

プレビュー常時表示はちょいちょい動作が怪しいかな、って感じたりもしてて、そこは不安点ではあるんだけど、個人的には「今一番好み」なノートツールでした。

個人利用においては無料で使える、ということなので、この手のやつが好きな人は試して見て損はないと思います。

何よりもやはり、ローカルツールで、ファイル1つ1つはすごく軽いので、ページの切り替えやらなんやらの、あらゆる動作が超速い。

さらに、ローカルツールではあるんだけど、例えばファイルをiCloudに置いといたり、Dropboxに置いたりすれば同じファイルをiPhoneやiPadで触るのも簡単。

個人的に、iCloudでデータ同期しておくと、iPhoneのSpotlightからもファイルを検索して見つけられるようになるというのはすごくモバイルでの可能性を感じます。(料理レシピ)

Roam Researchと違って「アウトラインではない」事による違いはありつつも、自分の場合は「検索結果、リンク結果に上下の行を含められる」ということで不満点はほぼなくなりそう。

ScrapboxといいDynalistといいRoam Researchといい、どれもこれもすごい自分好みの良いツールが出てきまくって、どれにするか悩む、というのが今最大の悩みなのかもしれません。

最初に覚えておきたい操作

最後に追記なんですが、個人的に苦労した点が1つ。

「1つ前のページに戻る」という操作の仕方は、標準では「コマンド+オプション+左矢印」です。

ショートカットを探すときは「Navigate back」というコマンドです。

個人的に、パラパラページめくるのはいいけど、一個前に戻る、というアイコンがなくて困ったので、ここだけ紹介しておきます。

個人的にはこれを自由に使えないと、Obsidianはクッソ使いにくいツールになってしまうと思うので、是非最初にこれだけ覚えておくのをオススメします。

参考

ブログはこんな感じで描いてました。デカい画面で、贅沢に上下左右あらゆるウインドウを大きくしてやると、これだけでめっちゃいろんなことできるぜ、感が強くて楽しいです。

使ってるテーマはCybertronていうやつです。

ちょっと特殊ではあるんだけど、独特な操作がなかなかに面白いです。CSS当てるだけでこれだけのことができるんだ、って感心しとります。

Obsidian(公式)

PodcastでもObsidianについて話しています。ブログではあんま詳しく書かなかったけど、PodcastではiPhone, iPadとの連携の話なども(ちょっと詳しく)話してます。
Obsidianというノートツール使ってみた すげえこれはよい感じ by ごりゅごcast • A podcast on Anchor

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この記事を書いた人

五藤隆介(goryugo)

「仕事効率化」「ライフログ」「家族Hack」「デジタル情報共有」みたいなことを書いてます。

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