4時間以上働いたら「生産性が下がる」

クリエイティブな仕事は1日4時間が最も生産性が高くなる、という記事を最近読みました。

How much work is enough work – Ness Labs

研究者の労働時間と執筆論文数
研究者の労働時間と執筆論文数

かいつまんで説明すると、知識労働者の場合、週に20時間以上働いても効率が上がらないどころか、より多く働くと生産性が下がる、という話です。

グラフを見ると「20時間」のところ以外に「50時間」部分にもピークがありますが、この人たちは「測定や機械の操作に多くの時間を費やす」「肉体的な仕事」をしている研究者ばかりだったそうです。

労働時間はなぜ「8時間」なのか

例えば日本の場合、多くの企業は週の労働時間を8時間x5日と設定していると思いますが、この「価値観」は「肉体労働の時代」に工場の生産性を高めるための労働時間として設定されたもの、と言って間違いはないと考えます。

そして、研究では「20時間(1日あたり4時間)」が「最も生産性が高い」という結果。

あくまでもこの研究の「生産性」というのは「書いた論文の本数」での評価なので、これが全ての仕事に当てはまるか、という疑問は残ります。

とはいえ「仕事」というものが肉体労働ではない人間にとって、果たして何が正解なのか、ということは考えてみる価値があるように思います。

1日4時間の「生産的な時間」を意識する

これを読んでからは、この「1日4時間の生産的な時間」というのを意識して生活をするようになりました。

メルマガを書く時間だったり、本を執筆する時間、エバーグリーンノートを作る時間なんかを自分の中の「生産的な時間」ということにして記録を残し、できるだけそれが「1日4時間」「週5回」となるように意識して活動するようにしています。

うまく4時間できた日
うまく4時間できた日

直感的な認識としては確かに「1日4時間くらいがちょうどいい」感じはしています。

結局、世の中の「新しいもの」というのはほとんど全てが既存のアイデアの組み合わせである、ということだったりするように、新しいアイデアというものは大抵「新しいこと」に沢山経験してこそ生まれるもの。

良質なアウトプットというのは良質なインプットが沢山あるからできるわけで、長期的に高い生産性を維持するためには「インプット」という新しい体験が欠かせない、ということ。

見方を変えると、生産的な時間以外でのインプットというものが、生産性を高めるためにどれだけ重要なのかを示した結果、ということだとも言えるわけです。

いかに時間の使い方を工夫するか

労働時間の自由がきかない働き方の人でも「知識労働者」であるならばある程度「生産的な時間」を意識して働くことで、よりよい結果を残せるかもしれません。

8時間の仕事時間のうち会議が大半を占めるのであれば、それを減らす方向に。逆に「ずっとコードを書いている」というような場合には、4時間を超える分は、勉強だったり、他の人に相談してみたり、書類整理などの時間を作ってみたり。

最も大事なのは「多く働けば高い生産性が得られる、というわけではない」という意識。

短期的な成果であれば、知識労働でも「長い方がいい」ことになるかもしれませんが、長期的に見れば短い方がいいくらい。

上記グラフでは、週10時間の仕事でも十分に高い生産性を得られています。(50時間の人より多い)

「多いのはダメだけど少なのはいい」

そのくらいの意識でいることで、ワーカホリックになることも抑制できるだろうし、精神的にも健全に「働かない理由が作れる」

ごりゅごとしては、同じ成果を得られるんだったら働く時間は短い方がいいと思うので、この話を信じて、1日4時間の「生産的な時間」を意識して生きてみます。

もちろんこのグラフは、あくまでも一つの研究結果であり、全ての人に同じことが言えるわけではありません(2回目)

とはいえこの研究結果というのは「精神の健全性を保つため」「堂々と休むため」「時間の使い方を見直すため」など、色々なヒントになる非常によい概念のものでした。

英語なので読むのがめんどくさいんですが、オリジナル記事もおすすめです。

How much work is enough work – Ness Labs

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この記事を書いた人

五藤隆介(goryugo)

「仕事効率化」「ライフログ」「家族Hack」「デジタル情報共有」みたいなことを書いてます。

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