🧘‍♂️やりたいことを全部やるのが一番効率がいい

以前ブックカタリストで紹介した『Learn Better』に書かれていた「分散学習は余計な時間がかかるわけではない」というフレーズが強く印象に残っています。

「分散学習」という言葉を使われると、なんだか面倒で、時間がかかる大変なものという印象を受けてしまいがちですが、実際には至ってシンプルなもの。

要するに、一気にやるより毎日ちょっとずつやるのは効率がいいということです。

今回は、そんな分散学習というものについて少し考えてみたいと思います。

間隔をあけて繰り返すことで記憶に残る。

毎週読んでたドラゴンボールは内容を詳しく覚えているが、一気読みした漫画の内容はほとんど覚えていない

これは、以前ブックカタリストで話して、自分の中でも「なかなか上手いこと言えたんじゃないか」って思ったエピソードです。

BC011 『Learn Better ― 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』 – ブックカタリスト

多くの人がこのことに関してある程度納得できると信じて話を進めますが、要するにこれこそが「間隔学習の威力」というものです。

一気読みが記憶に残らない主な原因は「記憶を整理する時間」と「復習する時間」が少ないからだ、と言えます。

漫画を一気に読んでしまうと「寝て記憶が整理される回数」は圧倒的に少なくなります。

また、間隔を空けずに次の話に進んでいくことで、前回はどういう話だったかを思い出すという「復習する時間」がほとんどなくなってしまいます。

分散学習は余計な時間がかかるわけではない

ここで注目したいのが、最初に出てきた「分散学習は余計な時間がかかるわけではない」という言葉。

確かに、漫画を一気読みしても、毎日ちょっとずつ読んでも、かかっている時間は変わりません

しかも、これだけのことで内容は記憶に残りやすくなっている。

ちょっと意地悪なことを言えば、毎回「ジャンプを引っ張り出してくる」みたいな手間はあります。

また、ドラゴンボールの場合はアニメだったり漫画だったり、複数のメディアで展開されたものを目にしていたり、漫画自体も何回か読み返している可能性は高いです。

とは言え、これも「少し復習しただけですごく記憶に残る」ことの証明だとも言えるので、まあオッケーにしておきましょう。

重要なのは「間隔を空けて繰り返すだけでも記憶に残りやすくなる」ということと、そのことに関して「余分な時間はかかっていない」ということ。

余談ですが、ごりゅごは、20年前くらいに友達の家で読んだ「聖闘士星矢」の記憶がほとんどありません。

確か、豪華版10〜20冊くらいをリアルに一晩で読んだような気がするんですが、覚えてるのが黄金聖闘士の後にあと2回くらい大きな戦いがあったってことと、アンドロメダ舜がどうにかなった、くら

いですかね。同じように「北斗の拳」も一気読みしたからか内容がほとんど記憶に残っていません。

この「全然記憶に残らなかった」というエピソードは今でもすごく記憶に残っていて、この頃からなんとなく「一気読みは覚えられない」みたいなことは考えていたのかもしれません。

人は積み重ねの偉大さを直感で理解できない

もう1つ、分散学習と関連して重要なのが、人間は「平均」は直感でわかるけど「合計」は直感で理解できない、ということ。

ちょっとソースは失念してしまったんですが、こんな感じの図を見せられて、妙に納得した記憶があります。

平均と合計
平均と合計

人間は「書かれてる棒の長さの平均」は直感で理解できるけど「棒の長さの合計は直感ではわからない」というものでした。

家計簿をつけている人であれば、1ヶ月に使った金額を直感でイメージするのは難しい、ということはよく理解できるかと思います。(これがクレジットカードが怖い、と言われる理由でもある)

また、スーパーで買い物をしてる時にカゴに適当にものを詰め込むと「合計いくらくらいなのか」というのがパッとわからない、なんて感覚でもいいのかもしれません。

とにかく言えるのは「人間は合計を直感で理解できない」「足し算を直感で理解できない」ということ。

そしてこれは「毎日ちょっとずつ積み重ねることがどれだけの量になるかを直感で理解できない」ということでもあります。

英単語は積み重ねたらすぐに終わる

ここでちょっと「積み重ね」の話をしたいと思います。

ごりゅごは、2021年の2月から英単語のAnkiをはじめました。

💭10分かける価値があることは全て「Anki」する – ナレッジスタック

今は「Anki」を使ってNGSLという単語のリストを「1日10個覚える」ということをやっています。(同時に復習も実行される)

NGLS(NEW GENERAL SERVICE LIST)というのは「これだけ覚えるといいよ」って厳選された単語のリスト。このリスト(2800語)を覚えれば、一般的に目にする単語の90%はカバーできるそうです。

💭Ankiデッキのカスタマイズの基本と、普段どんなことをどのくらいやっているかという話 – ナレッジスタック

そんなNGSLなんですが、2月から地道にAnkiを繰り返していたら「残り1ヶ月で一通りの新規学習が完了する」というところまで到達しました。

これが大変だったかというと全然そういうことはなく、やってたことは「毎日のゲームやTwitterのかわりにiPhoneでAnkiアプリを触っていた」という程度のもの。

トイレや休憩などの隙間時間に、1日平均15分触っていたらこうなった、という感覚です。

Ankiの統計画面
Ankiの統計画面

これだけで、半年も経たないうちに基本的な英単語を一通り学習できるところまで到達できたんですよ。

もちろん1日10個覚えれば、2800語覚えるのは1年かからない、というのは「計算すればわかること」です。

さらに、NGSLというのはthisだとかthat、heやsheみたいな「超初心者レベル」の単語も含まれるものなのでここまで早かった、というのはあります。

それでも「もうほとんど終わった」というのは直感よりも相当早く、もう終わるの?って驚きがあります。そして、そう感じることこそが「積み重ねのすごさ」と言えるかもしれません。

加えて言うならば、数字などの根拠は出せませんが、現段階でも確実に「以前よりは英語を読めるようになった」という実感もあります。

たくさんのことに同時に興味を持って進めればいい

と、ちょっと話が外れてしまいましたが、この2つ(分散学習は余分な時間がかかるわけではない、積み重ねは偉大)を踏まえて伝えたいのは「たくさんのことを毎日ちょっとずつやるのはとても効率がいいことだ」ということなのです。

やりたいことがいっぱいある、でもどれから手をつけたらいいかわからない、という人に向けて「やりたいこと全部を毎日ちょっとずつやればいい」と伝えたい。

一つのことを一気に極めようとするのではなく、興味があること全部に手を出してみてみればいいし、大抵の場合はそっちの方が「ラクしてうまくいく」はず。

大事なことは「繰り返すこと」と「積み重ねること」の2つ。

ごりゅごは最近「読書」だったり「英語」だったり「キーボード作り」だったり「フィンガードラム」だったりと、色々やりたいことが増えています。

どれも全部手を出すのって無理でしょ、って考えてしまいがちですが、どれも毎日ちょっとずつやることで、結果的にたくさんのことを「効率よくレベルアップ」できる。

仮にそうじゃなかったとしても、そう思えた方が人生が楽しめるのは間違いないことでしょう。

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今回の内容は、ナレッジスタックというニュースレターに書いた記事の転載です。

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この記事を書いた人

五藤隆介(goryugo)

「仕事効率化」「ライフログ」「家族Hack」「デジタル情報共有」みたいなことを書いてます。

面白い本について語るPodcast「ブックカタリスト」も始めました

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