LogseqとObsidianで一つのライブラリを共有して使う

最近使い始めたLogseqという「アウトライナー&ネットワーク型ノート」が大変気に入って、現在「ObsidianとLogseqを両方併用して使う」という方法を実践するようになりました。

Logseq

それぞれのツールにはそれぞれ便利なことがあるので、得意なことは得意なツールに任せるというのはごく普通のことなんですが、ここでいう「併用」はObsidianもLogseqも同じフォルダで、同じファイルを使うという併用の仕方。

どっちかでファイルを編集するだけで、両方のツールに影響を及ぼす編集ができる。これによって、それぞれのツールが得意なところに特化させつつ、なおかつどっちのツールからでも「すべてのノート」を参照できるというのが強みです。併用のデメリットがないわけではありませんが、今のところは便利なことのほうが多いです。

ざっと、どういう方法を使って、どういう併用を行っているのかまとめてみたいと思います。

なお、わかりやすさのために今回、これ以降は常体で記述します。

全体概観

まず大ざっぱに、それぞれのツールを主にどういう用途で使うのか。

Obsidian

「ノート」を整理するツールとして使う。自分自身の成果物は「文章」だと考えているので、文章の形で自分の成果をまとめられる場所が必要。この成果をまとめる場所がObsidian。

「まとまったものを残す場所」というイメージが強い。

Logseq

「日記」「日誌」「ライフログ」「メモ」的な用途。

機能を絞る分モバイルで使いやすい、というのが気に入っているところ。ちょっとしたアイデアを書いたり、その日の記録を残したり、ライフログ的なものを参照しやすくするために使う。

また、PCの前にいないときの、ノート(主に料理のレシピ)の閲覧にもよく使う。

一言で言うならば「日誌」的なもの。


あえて区別するならば、よりパーソナルで、自分用のものという性格が強いのがLogseq。対してObsidianはよりオフィシャルで「人から見られる」ことを意識したもの、という言い方もできる。

別の言い方をすると「過程のLogseq」と「成果物のObsidian」というイメージだろうか?

Logseqで主にやること

これまでObsidianでやっていたことの中から「Logseqでやった方が便利なこと」をLogseqに移行した。なのでここでは、普段どんなことをLogseqを使って行うのか、ということをまとめる。

今日やったことを書く

Logseqで書くのは、ほぼ100%「デイリーページのみ」

これは、デイリーページをうまく使えば「いつなにをしたか」の記録が容易にまとめられるから。

デイリーページでは以下のように記述(ツリーの下にぶら下げる)ことで、自分がまとめたいと思っている情報をまるで一つのノートかのようにまとめて表示することができるようになる。

220506_16.17.05ss

そのベースになるのが、情報量の多い「Linked References」

言葉ではわかりにくいので、ここではサンプル画像を表示する。

220506_16.17.18ss

このように、Logseeqのデイリーページで「特定のページへのリンク」を作り、その下の階層に内容をメモすれば、時系列のログが一望できるのである。

プロジェクトのログを「デイリーページに書いておくだけ」で「あとから全体を把握する」ことができるということだ。さらに、このバックリンクはページ遷移なしで直接編集が可能。その場で内容をまとめなおすこともすぐさま可能なのである。

自分が考えたことを一つにまとめて整理する場合には、時系列にノートが並ぶことのメリットは少ないが、いつ、なにをやったのか、というようなログや記録としての要素が強いものを「整理せずに整理する」には大変素晴らしい方法である。

(余談だが、こうやってゲームのプレイログなんかもきちんと残しておくと、後日振り返ったときにより深く楽しめるので大変オススメである)

自分の行動は、まずLogseeqにその日やったことを日誌としてまとめる。今後も行うであろうルーチンタスクであれば、それらは必ず名前を付けてノートを作る。そして、そのタイトルの記録を残す。

「ニュースレターを書く」というタスクを毎週行っているのであれば「ニュースレターを書く」というページを作り、毎回その時に書いたこと、考えたこと、反省点や改善点などをまとめておく。

本やマンガ、小説やゲームでも、同じようにページを作って記録を残すと、日記を書いていくだけでどんどん記録がつながっていくようになる。

Obsidianですでにこれらの本やゲームのノートがあれば、手間なく簡単に「同じ名前のリンク」が作れるのがよいところ。

モバイルで料理レシピの確認

もう一つLogseqが便利なのは、モバイル版のシンプルな使いやすさ。

特定のノートを検索して見つけるというシンプルな使い方では、多機能でいろいろなことができるObsidian mobileよりもLogseqの方が快適なことが多い。

Logseqは常に検索ボタンが見えていて、検索を始めるまでの手数が少ない。さらに、Obsidianで作ったマークダウンファイルもなんの苦もなく読める。

logseq

Obsidian mobileはできることが多い分「簡単なこと」をしたい場合でも手数が多かったり機能がこなれていなかったりする。

obsidian

ローカルのファイルを扱うおかげで「両方で使う」ことができる

ここで考えたいのは、ObsidianとLogseqの優劣を決めることではない。今でもObsidian mobileが必要な時は確かに存在しており、その場合はもちろんObsidianモバイルを利用する。それぞれのアプリは用途が違うだけである。

重要なのはLogseqもObsidianもローカルにある汎用のファイルを、できるだけシンプルに読み書きしようとするツールだから、両方のアプリで同じデータを(まあまあ快適に)扱えるということ。

NotionもScrapboxもRoam Researchも、このようなことの実現はほぼ不可能で、これこそが「汎用ファイル」「ローカルファイル」であることの強み。


こんなところが「両方使う」ことのメリット。

以降、両方使うにあたってのちょっとした注意点などの備忘録。


Logseqのフォルダ構成

Logseqは(標準では)画像や添付ファイルを保存する「assets」に、デイリーノート用の「journals」その他のノート用の「pages」というフォルダを作る。

だが、それ以外のフォルダの中にあるファイルも認識して、きちんと読み取ってくれる。(ただし、フォルダ違いでも同盟ファイルが許可されないので、ファイルを移動させたりすると毎回エラーメッセージが出る)

LogseqとObsidianのデイリーノートのフォーマットをそろえる

Logseqでは、日付の見え方はいくつか簡単に選べるが、おそらくデイリーノートの命名規則はおそらく簡単には変えられない。

追記:わりと簡単に変更できると教えていただきました。

なので、Obsidianの「Daily Noteプラグイン」で以下のような設定にすると簡単。

Logseqの日付フォーマットは標準では YYYY_MM_DDという形式。なので、Obsidianでもそれに合わせて、フォルダは「journals」に設定する。

220509_16.12.03ss

シンプルに併用しようとするならばObsidianSyncが必要

LogseqのiOSアプリでは、iCloudのLogseqフォルダ以外での同期がうまくいかない。

Obsidianでも、基本的にモバイル版のVaultは「Obsidianフォルダ」の中に作られたiCloudドライブか、Obsidian Syncを使う必要がある。

結果的に、LogseqとObsidianの同じデータを手軽にiOSで使うには、Obsidian Syncの契約が必要。(工夫をすればおそらく不可能ではない。それぞれをgitで管理して半自動で更新するなど)


ただ最近は、Logseqのデイリー機能を便利に使うだけならば、そもそもObsidianとLogseqの同期がいらないんじゃないか?というここまで書いてきたすべてのことをひっくり返す考えも生まれてきている。Logseqは、時間の計測、ツリーの開け閉めなどをすべてmdに直接記述するため、わりとmdファイルがごちゃごちゃになりやすい。

自分の場合Logseqで「Obsidianにあるレシピデータを見たい」(手軽で早い)ので二つのデータを同期することに意味はあるが、そうでもないならば上手に使い分ければいいじゃん、というすごく普通の考えが生まれてきているのである。(シンプルに、ObsidianのレシピをLogseqに移行してもいいのかもしれない)

Logseqが思いの外いい感じで、デイリーノートの運用方法がLogseqに合わせて、この2週間でかなり使い方が変わった。

ので、もう少しLegseqを使い、デイリーノートの運用が固まったらば、またまとめたいと思っている。


今回は、ナレッジスタックに書いたものに追記、編集をしてまとめた記事です。

この記事を書いた人

五藤隆介(goryugo)

「仕事効率化」「ライフログ」「家族Hack」「デジタル情報共有」みたいなことを書いてます。

面白い本について語るPodcast「ブックカタリスト」も始めました

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