Logseqでのデイリーページの使い方 タスク管理も含めた「Logseqする」感覚

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ほとんどのメモをLogseqの「今日」のページで管理・記録して、やることを書き出しながらやることを進めていく。

最近はそういう方法が大変気に入って、なかなかにいい感じで機能しているので、それらについてまとめます。

なお、この記事はニュースレター「ナレッジスタック」に書いた内容を整理してまとめなおしたものです。


Logseqはデイリーページだけで「やるべきこと」「やろうとすること」「やったこと」をほぼすべて受け入れてくれる度量の広さがある。

これが、自分がLogseqを気に入った理由でした。

そういう観点で見るとLogseqは「タスク管理ツール」なんですが、いい意味で「普通のタスク管理ツールっぽくない」ツールです。

Logseqでの「タスク管理」というのは、最近のブックカタリスト(Podcast)の中でも軽く触れた「準安定状態での仕事術」「ドゥルーズ的仕事術」みたいなものに近いイメージ。タスクを「管理」するだけでなく「進行」までできるツール。やることがリストアップされているんじゃなくて、やることを整理していたらいつのまにかやることが少し進められていて、気がついたら仕事してる状態になってた、というような感覚が味わえるもの。

今回は、そういったタスク管理なんだけどタスク管理っぽくないLogseqの使い方。デイリーページをどのように使っているのかについてまとめてみたいと思います。

なお、今回もここからは常体で書きます。


基本:ほとんどのことはデイリーページに書く

Logseqを使い始めてからの最も大きな変化は、いい意味で「書き捨て」ができるようになったことだった。

自分の性質、相性なのか、アウトライナーでの箇条書きは、テキストファイルで文章を書くときに比べてとにかく「早くたくさん書く」ことができる。文字入力速度だけで言えば、アウトライナーを使えば森博嗣レベルの時速5000文字での文字入力も可能。

たとえばこの記事を書くときのように「なにをどう書いたらいいのかわからない」状態から考えをまとめるときにLogseqは非常に活躍する。

自分にとって、Obsidianは「じっくり考えを育ててまとめ上げる」ことが主目的で、考えをじっくりと熟成するための場所。対してLogseqは「今のごちゃごちゃした考えを書いて整理する」という脳内短期メモリを解放するための場所、というイメージ。

目の前にあるやるべきことは「じっくり考えを育ててまとめ上げる」ことをしていては間に合わないことが多い。よって、Logseqで書いて整理して、整理していたらいつの間にか仕事が進んでいた、という状態を目指す。

考えることは、書くことを通じてしか行えない。

書いて考えるということを実践するためには、とにかく気軽にたくさん書いて考えることができる場所が必要である。Logseqのデイリーページは「書いて考える場所」として非情に素晴らしい。

Logseqのデイリーページは気兼ねなく書き散らせる

Logseqのデイリーページが「書いて考える場所」に向いている理由は大きく二つ。

一つはアウトラインの「折り畳んで隠す」機能があること。

これによって、今日のページにどれだけたくさんの文字を書いても邪魔にならない、という”感覚”を得ることができる。それによって、結果的に制約なしにいくらでも考えていることを書き出せる。(Obsidianで同じことができないというわけではないが、Logseqは自然にそうさせる力がある)

もう一つが、空白行の先頭にドットが付かないこと。そんなもの重要なのか、という些細なことだが、この違いが重要なのである。

空白行で区切りがわかりやすい
空白行で区切りがわかりやすい

この空白行が区切り線の役割をする。ドットがないことで、空行がある部分で「区切り」があることが非常に認識しやすい。これによって(ここまでと関係ないかもしれない)次のことをためらいなく書くことができる。この安心感があるおかげで、細かいことを気にせず「まずは書く」ということに集中できる。

なお、上記画像は、すでにある程度ノートが整理がされている状態もの。基本的に「今日」のノートを書き始めたときは、以下のような状態であることが多い。(イメージ画像)

思いついたことを「なんでも」書くことができる場所
思いついたことを「なんでも」書くことができる場所

もともとObsidianのデイリーページを使っているときも「なんでも書く」「いくらでも書く」つもりでいた。だがLogseqのデイリーページを使うようになって明らかに書き残す量が増えたことを考えると、意識に上らないところで「たくさん書きすぎると読みづらい」と感じて書くことをセーブしていたのかもしれない。

Logseqは「書いて」「区切って」「閉じる」ことで「たくさん書ける」

そして、たくさん書けることによって「書いたものを見ながら考える」ことが自然に実現できる。こうやって書いたものを元にして、並べ替えたり、階層を作ったり、編集をしたりすることで、結果的に頭の中のごちゃごちゃが自然に整理される。

シンプルな課題であれば、書いたものを整理することすら必要なく「とりあえず書く」だけで脳内がクリアになることもある。

タスクを書いて整理すると「いつのまにか進む」

こうやって、書いて頭の中を整理するというのを「タスク」でも行う。Logseqでは「タスク」もフリーライティングを通じて実行する。

たとえば、この記事を書くという「タスク」

これを実行するにあたり、複数日にわたって「アイデア出し」をした。その際には、デイリーノートに以下のような形でアイデア出しを行っている。
220513_17.24.29ss

この下書きも、デイリーノートに書いたもの。このくらい長いアウトラインも、閉じれば邪魔にならないし、あとから引き出すことも簡単にできる。とりあえずデイリーノートに書いておけば、あとはどうにでもまとまるという信頼感。これがあることで悩まずに、難しいことを気にせず書くことだけを考えることができる。

一つのタスクは一つのファイルにまとめようとか、そもそもどこに書こうかとかということを考えてしまうと、そこでタスクが滞る。なので、細かいことを気にせず、とりあえず書く。どこに書くか考える前に、デイリーページに書く。

この画像では「2022_05_14 📨KS」というツリーの下に位置づけられているが、最初にこのようなリンクを書く必要すらない。まずは書いて、書いた文章の「所属先」はあとからまとめればいい。書いて「所属」を考えて、そこに「リンク」すればいい。

リンクによる所属先決めができれば、同じ所属先のノートは簡単に一覧できる。

同じノートにリンクしたツリー要素は簡単に一覧表示できる
同じノートにリンクしたツリー要素は簡単に一覧表示できる

書いたものはスケジュールで申し送り

上記画像の一番下には「SCHEDULED」と書かれた項目がある。これもまたLogseqでタスク管理するためのコア機能といえる能力を発揮する。

タスクは、一日で終わるとは限らない。

未来の出来事の「準備」をするのであれば、書いて整理した内容は、いつかそれを使う時がやってくる。

ここで、Logseqの「scheduled」を使う。/scheduledと入力すると、スケジュールの入力画面が表示され、そこで日付や設定が可能になる。(スケジュール機能)

カレンダーで日付や繰り返しを選ぶ
カレンダーで日付や繰り返しを選ぶ

ここで指定した日がやって来ると「今日」の欄の下に表示される。

「今日」の欄の下には今日注意すべきことが表示される
「今日」の欄の下には今日注意すべきことが表示される

この部分はいわゆる「エイリアス」「引用」的なもので、過去のノートから今日スケジュールされている部分だけを引っ張ってきて、今日のノートの下に表示してくれている状態

さらに、この項目はその場で確認しながら直接編集ができてしまう。ちょっとした内容の修正も簡単だし、本格的に整理するならば「点」をクリックして、該当部分だけを表示することだってできる。

過去のデイリーノート(の必要箇所)はこうやって「スケジュール」だけで簡単に後日引き継げる。

ノートの整理は非常に重要

このような方法でうまく「タスク管理」をするために重要なのは「たくさん書いて」からの「後処理」である。

ノートを書きっぱなしの状態にしておいてはいけない。

毎日どこかのタイミングでノートは一つのかたまりにして、転記したり、リンクを付けて整理したりと、なんらかの処理が必要になる。書いただけで整理が必要ないものは「未使用」なんて見出しの下に置いてもいい。そうすれば「今日のノート」はコンパクトに納まる。

また、自分が書いたメモの中でObsidianに転記したものはObsidianで作ったノートへの「リンク」を付けたり「完了」マークを付けるという使い方も出来る。このあたりの細かなルールなどは定まっておらず試行錯誤中だが、結果的に「わかりやすくなる」ならどんな方法でもいい。

今日書いたものもすべて折り畳めばコンパクト
今日書いたものもすべて折り畳めばコンパクト

素晴らしいのは、どれだけたくさんのことを書いても↑のように「今日」コンパクトにできるということ。

多くのタスクは「書いて」「アトミックにする」ことが一番難しい

ナレッジワークと呼ばれる仕事は、ほとんどが「言語」で処理される。

Logseqが素晴らしいのは、言語を使ってアウトラインの整理ができること。そして、アウトラインでやることを整理できたときには、ナレッジワークはすでに半分が完了しているようなもの。やるべきことが整理されれば、タスクはそのままなんとなく進んでいるような状態に移り変わっていく。

自分のような「なかなかタスクに着手しようとしない」タイプの人間ならば、こうやってやることを書いて「アトミックにしていく」ことで、自然にタスクにとりかかりやすくなる効果がある、というのが偉大なのである。

多くのタスク管理ツールは、この「タスクについて書いて考える欄」がないか、あまり使いやすくない。

タスク遂行においてもっとも難しいのは、タスクを遂行することではなく、具体的になにをしたらいいのかを認識し、実行できる状態まで持っていくこと。つまりタスクをアトミックにすることが難しいのであって、それができればタスクは半分以上終わったようなもの。大抵の場合それは「書く」ことを通じて実現できる。

たとえば「本を書く」なんてタスクがあっても、それはアトミックなタスクではない。本を書くためになにをしたらいいのかわからないので、なにが出来るのかを書いて分解しなければ具体的な行動ができない。「本を書く」ことをタスクにしても本は書けない。

「本を書く」ことを進めるには、なにをすればいいのか。まずはそれを知ることが「本を書く」ことの第一歩。そして、それを知るために必要なのは「書くこと」なのである。

「書きやすいLogseq」があれば、そういった大きなプロジェクトも、書くということを通じて少しずつ進めることができるようになる。


ここからは具体的に、デイリーページにどういうことを書いているのか、という話。

生活のメモ(主に飲食記録)

まず、デイリーページの一番上には「生活」欄がある。

ここには、日記に分類されるメモや、自分の飲食の記録をおいておく。

飲食記録はこのように構造化することで、Logseq上で毎日の食べ物だけを振り返ることもできるし、夕食だけを一覧で振り返ることも可能。

また、夜食、飲酒などもきちんと記録し「どのくらいの頻度で」「どのくらい飲み食いしたか」を振り返ることで「抑制」の効果がでることも期待している。(少なくとも今のところは体重という数字でよい効果が出始めている)

この「飲食」欄は、Logseqのテンプレート機能を使って書き出し、構造化して型にはめて使っている。便利とか役に立つというよりもほぼ趣味の欄だが、これを使って2回くらい「今日なに食べよう」を考えるときに役立った。

その他、Logseqに残した「なんでも」の中で、日記的要素が強いものはこの「生活」の中にまとめるようにしている。つまり、ごりゅごのLogseqメモは時系列には並ばないで、順番は恣意的に入れ替えが行われる。

読書のメモ

本を読んでいるときのいわゆる「読書メモ」も最近はLogseqに残すことが増えた。理解が難しい(と感じる)本は未だにiPadで手書きで読書メモを残すが、もう少しスムーズに読めるような本は「まずLogseqに書いて」「あとでObsidianでまとめなおす」ということを行っている。

基本的に、Logseqでは階層構造を使って箇条書きで読書メモを残し、翌日それを手動でObsidianに転記し「文章で」書き直すようにしている。必要な手数は多いが、こうすることで自分がメモを残した内容が頭の中に残りやすく、より整理されやすいので「必要な手間」だと考えている。

そして、Obsidianへの転記が完了したら「DONE」を付けて完了状態にする(転記した、という目印)

全体的に負荷が高い行動だが、実感としてこれは非常に効果が高く、Logseqを使ってよかったな、と思える習慣の一つ。

プロジェクトのログ

もう一つLogseqに残していて便利なのが「プロジェクト」の記録。

Logseqのおかげで(GTDでいう)プロジェクトという言葉の概念が大きく広がった。2回以上実行するありとあらゆることは「プロジェクト」である。

[[昼ごはん]]はプロジェクトだし、昼に食べた[[うどん]]もプロジェクトである。

括弧をつけて「ページ」を作るというのは、Logseqの中では「プロジェクト化する」と考える。

そうすることで、昼ごはんプロジェクトも、うどんプロジェクトも、リンククリックだけで関連した記録が簡単に取り出せる。

Logseqを使って感じたのは、この程度のことも「プロジェクト」にしてしまうと便利という感覚。括弧で括ればプロジェクトになる、と考えれば、思いつく限りのあらゆることをどんどんプロジェクト化してしまっていい。

ご飯や今日の料理のレシピがプロジェクトになるんだから、今日書いているこのニュースレターももちろんプロジェクトである。今書いている記事の「計画」をするときも考えた記録を残し、作業ログもできる限りプロジェクトの記録として残しておく。

こういう「記録」が自然にできる、というのがLogseqの得意とするところであり、自分自身に「日誌の有用性」をあらためて思い知らせてくれた部分でもある。

将来にリマインドしたいこと

「プロジェクト」と共通する部分が多いが、将来必要になることも「今日」の欄に書いて、必要な日に「スケジュール」するという方法を使っている。

予定は、カレンダーに書いて将来のものを一覧できるようにしておく。これが「スケジュール管理」の基本だが、Logseqではこういう感覚とは異なる「スケジュール管理」をする。

そもそも、Logseqに予定を書いたからカレンダーに予定を書く必要がない、ということにはならない。一覧性、信頼性の高さや、地図や通知といった連携機能でいえば、圧倒的にカレンダーの方が便利である。

ではLogseqの「スケジュール管理」とはなんなのかと考えると、予定を記入しながら「書いて考える」ことである。

予定というのは、明日新しいマンガが出るぞ、とか「明日は歯医者に行く」いう程度の情報でもいい。この程度の情報でも書く場所があり、当日Logseqを開いたときに書いたものが一番下に見えるのは大変ありがたい。邪魔にならない程度に目に入ってきて、でも忘れにくい。そして、当日必要であれば再びそこに直接情報を追記できる。

たとえば歯医者に行く、という程度のことでも、細かな考えることとはいくらでもある。行く前に歯磨きしないといけないな、ってことだったり、あの道は混んでそうな時間だから別の道を通った方がいいかもな、ということだったり。

この程度のことだが、この程度のことが書ける場所があると、予定やToDoの管理がとにかく楽なのである。こういうことを「とりあえず気になったときに書いて」「構造化して一覧性を高め」「当日に引き出せる」

つまり、Logseqでは明後日の歯医者すらもきちんとメモを書いて、スケジュールに落とし込むことまでがこれだけで実現可能。ある意味で「カレンダーより便利」なスケジュール管理ツールなのである。

繰り返し使い続けるフレキシブルチェックリスト

この「プロジェクト」と「スケジュール」を組み合わせると、Logseqは「一歩進んだチェックリスト」としても機能するようになってくる。

個人的に重宝しているのが、毎週の繰り返し設定をした「週次レビュー」を「繰り返しスケジュール」にして使うこと。

「週次レビュー」ツリーに今週振り返りたいことをリスト化して、終わったら「完了」する。

ここでLogseqが優れているのは、このチェックリストは直接編集可能であり、編集内容は次回以降にもきちんと反映されること。(仕様的に当然そうなる)

世の中のチェックリストに「完璧」なものはない。自分自身が変化することで自分に必要なチェックリストの中身も必ず変化していく。ならば、チェックリストというのは「作って終わり」ではなく、変化に耐えうる、変化させやすい仕組みが重要なはずなのだ。

Logseqではその「チェックリストの微調整」が非常に簡単に実現できる。これもまた「ありそうでなかった便利な使い方」の一つ。

Logseqは「整理しなくてもまとまる」ツール

今現在、LogseqとObsidianは自分の「2大エディタ」になった。どちらも役割が違う物で、どちらも大変気に入っている。

これまでの「ほぼObsidianだけ使う」といった環境にLogseqが入ってきたおかげで、むしろObsidianはObsidianのよいところがクリアになった。

あえてこの二つをどういう用途で使っているか言語化するならば、以下のようなイメージ。

  • Obsidianは「考えたこと」「学んだこと」を(自分で)繋げて、意識的に結びつけるツール(ノート)
  • Logseqは「記録」を(自然に)まとめて、手軽に整理できるツール(日誌)

Logseqは知識を「つなげて作り上げる」というイメージではないが、Logを探して(seek)活用する、という点では考えうる限り最強なのかもしれない、というのが最近の印象。


Logseqのスケジュール機能や締切り機能は大変面白いが、リピートと含めて仕様がなかなかに複雑。

とりあえず現状わかっていることはこういう感じ。現段階で間違っている部分があるかもしれないし、後日リンク切れになる可能性がある。
Logseqでのタスク管理 – ナレッジスタック – Obsidian Publish


Logseqの面白さがだいたいまとめられたら、次は改めてObsidianをどういう感じで使っているか、Logseqが加わってどう変化したか、というのをまとめてみたいと思っています。

この記事を書いた人

五藤隆介(goryugo)

「仕事効率化」「ライフログ」「家族Hack」「デジタル情報共有」みたいなことを書いてます。

面白い本について語るPodcast「ブックカタリスト」も始めました

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