Macのランチャーを、長年使ってきたAlfredからRaycastに乗り換えました。
基本的に、これまで使っていたAlfredは「有料で使うと多機能になる」というアプリで、無料でも十分使えるけど、本気を出すなら有料のパワーパックが必要、という形式。
対してRaycastは、個人利用では(実質)全機能が無料で使えて、チームで使う場合にのみ有料となる方式。チーム向けの機能として、チーム内でスニペットなどが共有できるようになる、という仕組みです。新しいアプリだからなのか、収益構造もわりと今どきっぽい仕組みになっています。(まだ有料機能はベータ段階)
この料金体系から想像するに、まずはできるだけ多くの人に使ってもらって、その人たちが仕事で「使いたい」と思わせようという作戦なので、おそらくこれからも(アプリがある程度うまくいけば)個人ユーザーはずっと無料で使えることが期待できます。
というわけで、使う人が増えてアプリが長続きしてくれると自分もうれしいので、使う人が増えることを願って、Raycastの簡単な使い方、どんなところが便利なのか、というのを紹介したいと思います。
Raycastでできること
ランチャーアプリ、と呼ばれるアプリは、簡単に言うと「キーボードショートカットで機能を呼び出してアプリを立ち上げたりするやつ」のこと。「Launch」(始める)の名詞形「Launcher」のカタカナ語。Macの標準機能「Spotlight」の自由度を高めたアプリ、と考えるとわかりやすいです。
Raycastもランチャーと言う名前の多機能なツールで、電卓機能を搭載する程度では収まらず、クリップボード履歴を呼び出したり、スニペット(定型文呼び出し)の機能だとか、カレンダーやリマインダーを読んだり書いたりいうこともできたりする機能もついています。
QuicklinksとSnippetsが非常に使いやすい
Raycastでいろいろできる機能の中で、手軽で便利で気に入っているのがQuicklinks。これを使えば、特定のファイルやブックマークをランチャーから簡単に起動できるようになります。

グーグル検索が短縮キーで簡単に呼び出せるだけでなく、よく使うWebサイトやフォルダにエイリアスを設定して素早く呼び出したりも簡単。ごりゅご.comのカスタムサイト内検索を呼び出す、というのも「簡単に設定できる」というのが特徴です。
(Alfredもほとんど同じことができるが、Raycastは追加や修正がわかりやすい)
また、いわゆる「定型文呼び出し」機能であるSnippetsも、これまた「RaycastからSnippetの編集や呼び出しを起動する」というコマンドがあるおかげで、ちょっと思いついたら定型文登録だとか、ちょっと文言をなおすというのも非常に簡単。

Raycastは、とにかくこの「Quicklinks」「Snippets」の二つが大変わかりやすい。
これが素晴らしく、この点だけでもランチャーとして大変便利だとおすすめできます。
エクステンションを自由にオンオフして機能が設定できる
もう一つRaycastが素晴らしいなと思うところは、すべての機能が「Extentions」として実装されていて、必要な機能とそうでない機能を完全に自分でコントロールできるところ。そして、その機能一覧の設定が、構造がキレイに整っていてわかりやすいということがあります。

ここで、チェックを入れた機能だけが使えるようにできるし、各機能に簡単にエイリアス(短縮呼び出し)やホットキーの設定も可能。
Extensionsは、自分で作ったり、ストアでいろいろな機能がインストールできるようになったりしています。(拡張機能は無料で利用可能。ここに関してはまだ充実しているとは言いがたいが、半年前と比べると格段に増えたので、期待度は高い)
なお、ごりゅごがRaycastを知ったのは、RaycastにObsidianのExtensionsが登場したことがきっかけでした。
ウインドウサイズの変更がランチャーで出来る快適さ
コマンド、ショートカットなどを覚えなくていい
最後に、おそらく他のランチャーアプリではなかなか見かけないけど、使ってみて気に入ったのが「ウインドウの調整機能」というやつ。
似たような機能は、昔っからよく「Mac用神アプリ」みたいに呼ばれて有名だったBetter Touch Toolというツールで「マウスやトラックパッドのジェスチャ」「隅っこへのドラッグ」などを使ってウインドウサイズを変える、という方法は有名でした。
folivora.ai – Great Tools for your Mac!
ただ、個人的にずっとこれは馴染めなくて、人から「いいぞ」って言われるたびに試したんだけど、どうしてもこれは自分に合わず使えない。
が、同じような「ウインドウサイズの変更」も、Raycastからならば便利に使える。
で、この理由というのがやっぱり「ランチャーアプリ」だからというもので、要するに「たくさんの操作方法」を記憶する必要がない、ということなんですよね。
ウインドウサイズの変更であれば「window」というコマンド一つ覚えておけば、サイズ変更はできる。細かいコマンドは、何回か使ってみてしっくりくるやつが自然に見つかるのを待つ。そうやって何回か使っていれば、自分がよく使う、気に入ったコマンドと言うのは段々自然に覚えることができる。
一気に覚えようとするんじゃなくて、一個だけ覚えてちょっとずつよく使うものを覚えていく。これは、ウインドウサイズの変更に限らず、Raycastというアプリ全般で「いきなり覚えること」が少なくなるように工夫されているイメージがあります。
そのあたりもRaycastが便利で使いやすい、と感じる理由かもしれません。
なんにしても、個人が使う分には無料で存分に利用できる、というのは他のツールにはない強みなので、気になる人は試してみて損はないと思います。