はたらくiPad ワークスタイルにiPadを取り入れるヒント

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ブログなどでもよく公言していましたが、ごりゅごは10年前くらいに「手書き」を完全に捨てようと決意しまし、家の中のメモやノートを一掃しました。

今後生きて行く中で、紙とペンを使って文字を書くのは「役所」「ホテル」なんかで自分の名前や住所を書くときくらい。それ以外では俺は「手書き」なんてしない。そういう決意で、この10年くらいを生きてきていました。

人の気持ちというのはいい加減なもので、そんな決意はあっけなく衰えていきます。この数年はそういう無駄な「意地」は少しずつなくなり、手書きへの抵抗感も減少。2021年11月には「自分用のApple Pencil」を購入し、今やごく普通にApple Pencilを使ってiPadに「手書き」をするようになりました。

これは、完全に圧倒的に妻haruna1221からの影響です。

Apple Pencilで手描きをするときのコツ

「手書き」というものが嫌いだった理由は、自分で書いた文字が下手だから。自分の書いた文字が汚くて読みにくくて、見ると嫌な気分になるから書きたくない。

今振り返れば、そこには「下手な文字を見られることが恥ずかしい」という感情も含まれていたかもしれません。

たとえば、2年ほど前の2020年初頭。妻による「図解教育」が行われたばかりころは、自分が書いたメモはこんなものでした。

その後「図解教育」は発展し、私も(主観的には)人並みといえるレベルのものが書けるようになりました。

2022年9月に、ふと思い立って図解したもの

上手いかと言われると、そんなレベルではないのはわかるけど、このくらいなら少なくとも「自分で見返して不快な気分を味わう」ということはありません。

自分の中では、こんなまともな図を自分1人で書けるようになったというのは驚異的なことです。たぶん10年前の自分がこの話を聞いても、おそらく信じないでしょう。

これができるようになったポイントは大きく2つあります。

一つは「ラインを揃えて書く」「大きさを揃えて書く」などといった「ごく基本的な字を書くコツ」を大人の目線で改めてきちんと学び、意識すること。おそらくもう二十年以上も「無意識」になっていた文字を書くという行為を、改めて大人の目線で見直して、直せることをきちんと直す。これだけでも効果は非常に大きいです。

特に、ある程度文字が書ける人からフィードバックをもらうのが特に有効ですが、大人になればそこはある程度「独学」できます。たとえば自分の場合「速く書こうとしない」「筆圧を弱く書く」というのを意識することが重要でした。

そしてもう一つは、Apple Pencil特有の「デジタルならではのテクニック」を身に付け、それをうまく活用すること。

これも、ほぼ「知識」と呼べるものです。こうやればうまく書けるということを「知る」ことが(自分の中で革命的といえるレベルの)変化をもたらしてくれたのです。

文字を書くという行為は本質的には「運動」なので、体を上手に動かすための肉体的な訓練は重要です。ですが、かなり部分は「頭」で補うことができます。子供の頃はそんなことを考えて文字を書くような心の余裕がなかった自分のような人間でも、大人になればもう少し「考えて書く」ことができるようになりました。

そういう「テクニック」を覚えるだけでも「字を書く」という自分にとって「テクニックとは無縁のもの」もある程度テクニックによって解決することができたのです。自分が覚えた具体的なテクニックは、以下の2記事に集約されています。

永久保存ではない一時的なメモをいい感じに書ける最高のアプリ – by はるな👠iPad Worker

iPadで見やすいノートを取るためのコツ – by はるな👠iPad Worker

個人的に特に効果が大きかったのは「iPadのメモ帳アプリで鉛筆ツールを使うこと」「書いてからペン先を離さずにいると奇麗な図形が書けること」あたり。

この「知識」を使って直線がまっすぐ書けるようになるだけで、自分で見返したときの「気分」が段違いによくなり「手書き、いいかも……」というプラスのフィードバックループが生まれます。

「手書き」は速い

こうやってちょっとした図解の書き方を学んでみると、手書きの速さ、楽さにちょっと感心します。

「ちょっとした説明」「ちょっとした解説」みたいなやつって、けっこう手書きだけでなんとかなったりするんだ、というのは新しい発見でした。

もちろん、似たような図解を、たとえばKeynoteで作ればもうすこしちゃんとしたものが作れます。ただ、はたして日常でそのレベルのものが必要になるのはどんなときなのか、と考えると、かなりの場面で「手書きでいい」だろうし、場合によっては「手書きの方がいい」なんてことも結構あるんじゃないでしょうか。

そんなことを思い知ったのが『はたらくiPad』という本なのです。

この本で使われている解説の大半は、ほとんどが「手書き」で注釈が入っています。haruna1221さんは日常の手書きでもコンピュータのフォントのようなゴシック体の文字を書くのですが、そのおかげで何の違和感もなく「書籍」の中で手書き文字を活用しまくっています。本の中のほとんどの注釈は「スクリーンショット+手書き」という形式なのです。

本人曰く「そっちのほうが早い」とのことですが、たしかにこれが手書きで書けてしまうなら、PhosothopだったりIllustratorを使って注釈を入れるより早いだろうということは想像できます。

そしてharuna1221さん曰く、これこそがiPadで仕事をする意義だというのです。これまでパソコンでやってきた仕事をiPadで代替しようとするのではなく、iPadが得意なことを、iPadが得意な形で進めるようにすること。それこそが「iPadを使う意味」であり「iPadを仕事で活用する」ということの本質なのだと。

たぶん「パソコンでやってたことをiPadでやる」という考え方の場合、本で使われる画像に注釈を入れる場合にもiPad版のPhotoshopを使う、ということが真っ先に思い浮かぶでしょう。

Photoshopを使ってスクリーンショット画像に説明を加える、というのが「パソコンで普通にやってたこと」だからです。でも、そうやって「パソコンの代わり」という概念に囚われるのでなく「手書きすればええやん。そうすれば早いやん」と思えるかどうか。ここがiPadで仕事が出来るようになるかどうかの分かれ目です。

そういう考え方のヒントになるような本を、haruna1221さんが書きました。

重要なのは、iPadの「操作の仕方」を覚えるのではなくて、iPadが得意なこととはどういうことなのか。具体的に、どういうことにiPadを使うと便利なのか。それを知ること。

もちろん、大前提として知っておきたい基本的な知識は、それはそれで必要です。ですが、大切なのは「なぜそれをするのか」なのです。

そんな「iPadの使い方」を学べる本が、9月13日に発売されます。電子版もあるので、是非手に取ってみてください。

はたらくiPad いつもの仕事のこんな場面で

はたらくiPad いつもの仕事のこんな場面で

この記事を書いた人

五藤隆介(goryugo)

「仕事効率化」「ライフログ」「家族Hack」「デジタル情報共有」みたいなことを書いてます。

面白い本について語るPodcast「ブックカタリスト」も始めました

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