Obsidianの使い方について、どんなことを書こうか考えていたら、そういえば自分が使っているObsidianのノートには「アトミック・ノート」でも「トピック・ノート」でもないノートも普通にいろいろあるよね、ということに気がつきました。
たとえば、今はLogseqに移動させたけど、料理のレシピとそれにまつわる関連ノート。これらはナレッジスタックで紹介してたような「アトミック・ノート」「トピック・ノート」とは言えないようなノートです。でも、こういうノートは、やっぱり残しておくとすごく便利。
これらのノートにもなにか「Obsidianだから便利」な理由があるはず。
そういう「Obsidianにあると便利なノート」の具体例をいくつか集めて並べて整理してみて、どういうノートがObsidianにあると便利なのかを考えてみたいと思います。
その中でも今回は、たぶんいまObsidianで一番重要な「読書ノート」について。どういうことを書いているのか、なんでそういうことをやるのか。どうやって読書メモをまとめているのか、というのをまとめてみたいと思います。
## 読書メモはなんども振り返る
数あるObsidianのノートの中で、もっとも「特別扱い」をしているノートが「読書メモノート」
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読書ノートには、本のタイトルに書影、ちょっとしたメタ情報と、関連する本へのリンクを作り、その後に読書メモをまとめる、というのが基本スタイル。
書影などは以下の仕組みを使って取得する。これは今年作った自作ツールのなかで、もっとも活躍している。
[[Amazonの書誌情報をObsidianのmd形式でコピペできるようにするブックマークレット]]
読書ノートを(Logseqではなく)Obsidianで作る理由はたくさんある。
一つは、これらの読書メモは「振り返りたい」から。振り返ることで本の内容は知識として定着し、他の本を読むときの相乗効果の期待度が高まるから。
そして、読書メモの振り返りにはObsidianの`obsidian-spaced-repetition`が非常に役立つ。ごりゅごが今Obsidianを使う大きな理由の一つがこのプラグインの存在、と言えるくらいはこのプラグインは重宝している。
[GitHub - st3v3nmw/obsidian-spaced-repetition: Fight the forgetting curve by reviewing flashcards & entire notes on Obsidian.md](https://github.com/st3v3nmw/obsidian-spaced-repetition)
[すべてのノートを定期的に振り返ることは不可能なので、振り返るノートを厳選する - by goryugo](https://knowledgestuck.substack.com/p/087)
本を読んだときの「効果」について数値的に示せるなにかはないが、[ブックカタリスト](https://bookcatalyst.substack.com/)開始時からのごりゅごの変化によって成長の様子は感じてもらえると思う。
## 読書メモノートを集めた「📚本のリストのリスト」
読書メモを使った「趣味」として、📚本のリストのリスト、というノートも作っている。
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ここまで作ってきた読書メモノートをまとめて整理することを繰り返し、最近こういうリストを作り上げることができた。
リンク先のノートはこのように「本の一覧」が並ぶ。
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趣味要素が強いリストではあるが、自分が読んだ本を自分でカテゴライズして俯瞰できる効果、タイトルをど忘れして見つけられないような本も、こういったリストによって見つけやすくすることができる。(このノートは典型的な「トピックノート」と呼べるもの)
[Obsidianのノートをまとめるノート「トピックノート」 - by goryugo - ナレッジスタック](https://knowledgestuck.substack.com/p/obsidian-bdb)
[[📋トピックノート]]
なお、トピックノートを作るときと同じで、こういうリストを作るときは「ボトムアップ」でリスト化することが重要。
最初の最初は「読んだ本リスト」に全部本を並べ、それらを並べ替えて「なんとなく近いもの」を集めて、あとから名前を付ける、という方が自然にまとまる。
## 読んだ本をgraphで並べる
これと関連してもう一つ、本のリストをgraphにして眺めるということも定期的(月1くらい)に行っている。
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読書メモや「📚本のリストのリスト」を一つのフォルダにまとめておくと「本に関連したノートだけ」をgraphに表示させることも簡単にできる。
[💎ObsidianのGraph機能を使いこなしていい感じにする設定 - by goryugo - ナレッジスタック](https://knowledgestuck.substack.com/p/obsidiangraph)
graphがなんの役に立つかわからない、という意見はよく聞くが、こうやって特定のテーマだけでノートを絞り込むと、**他のノートとリンクしていないノートを視覚的に見つけられる**。もちろんこれは自分の目でgraphを見て、どこにもつながっていないノートを探すというアナログな仕事ではある。
毎日実行する必要があるタイプのものではないが、月に一回程度であれば「目線を変える」くらいの目的でgraphを眺めてみるのは悪くない。graphから見つけた孤立したノートが「意外な発見」を生むこともある。
読書メモに「関連本」へのリンクを作っているのも、こうやってgraphにしたときに見た目が楽しくなるから、という理由が大きい。
## 読書メモの残し方
具体的な読書メモの残し方もついでに簡単にまとめる。
まず、本を読む時は手元にiPhone or iPadを置いておく。iPhoneの場合は、Logseqにメモを書き、iPadの場合にはApple Pencilでメモ帳アプリにメモを残す。
「なにを読書メモとして残すか」というのは非常に難しい。基本は「自分が興味深いと思ったもの」だが、では興味深いと思ったとはどういうことかを言語化するのは難しい。
逆説的な答えになるが、この「なにを残すといいのか」というのは「読書メモを残せば残すほどわかるようになる」もので「自分でやってみないとわかるようにならない」とも言える。
とは言え自信を持って言えるのは「たくさんメモを残しすぎてまとめる時間が足りない」「メモが少なすぎてメモの意味がわからない」というのはよく経験すること。その「失敗」は必ず糧になるので、反省の価値はあるが気に病む必要はない。
自分自身を振り返ってみても、最近ようやく「多すぎる読書メモ」からは脱却できる兆しが見えてきた、という感じ。まだまだ満足できるようなレベルには達していないし、おそらくこれが完全に満足できるようになることない。大抵の「点」はあとから「線」としてつながってから意味がわかる。読書メモもそうやってたくさん「点」を残しておけばいい。
あとは、最近読書メモを残すときに重要視しているのは「わからないこと」「難しいこと」を「書いて理解しようとすること」
もはや読書メモというよりも「独学」的な要素が強いが、難しいこと、わからないことは「書いてみて」少し理解が深まるイメージはある。
こういった「難しいこと」も「興味深いと思ったもの」の一つだとも言えるのではないか?だからこそ「書いて理解する」ことが大事なのではないか、ということも感じている。
少し前に読んだ本だと[『意識はどこから生まれてくるのか』](https://amzn.to/3AymIbw)や[『ミシェル・フーコー:自己から脱け出すための哲学 (岩波新書)』](https://amzn.to/3Pf58NF)なんかは「書きながらでないと理解できなかった」と感じる本だった。
こういう本は特に手書きで文章を図解しようとするのが理解のコツ。こうした「翻訳」も併用して時間をかけて本を読んでいく。
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そして、↑のようなノートはObsidianに画像をコピーしてから**もう一回文章にして書き直す**。これはものすごく大変で疲れるので完成までに長い時間がかかるが、今はこういう地道な行為が非常に楽しい。わからないことが(少しは)わかるようになると確信しているので、わかるために書くのがとにかく楽しいのである。
おそらくこれがObsidianをうまく使う一番の秘訣。結局「書いてることが楽しいと感じられるかどうか」はモチベーションに直結し、長く続けられるかどうかを分ける。
そして、こうやって書いた読書メモは「アトミック」にしてタイトルを付けて分割していく。
最終的にはこんな感じになる。
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このとき使った手書きメモは、不要だと思えば消すし、必要だと思えば残す。基準はメモなしで理解できるかどうか。自分で文章を書いてその内容がきちんと理解できたと思えば手書きメモは削除するし、それでも難しいと感じたものは画像のまま残しておく。
## いつ読書メモを整理するか
手書きメモ→ノート分解をする際に、次にいつ続きをやるのか、を決めるのが「obsidian-spaced-repetition」プラグイン。
読んだ本すべての読書メモを完璧なものにして整理して、すべて毎日見直す、なんていうのは時間が足りないので、どれを見直すのか、どれを進めるのかを「プラグインに任せる」
こうやって日々「少しずつ」読書メモをまとめるので、読み終えた本の読書メモが完成した、と言えるようになるには結構な時間がかかる。(だいたい一ヶ月くらい)
そうなると、時間が経ちすぎてノートに書いたメモが理解できなくなることもある。それはつまり「あとで見てわかる読書メモが書けなかった」ということで、諦めるか、もう一回本を読むかする。
たぶん、こういうやり方で100冊分くらいのメモが完成したはず。本によってたくさんメモがあるもの、数個のメモが残ってるだけのものなどいろいろな種類の本はあるが、どれも自分が満足できる程度には「ちゃんとできた」ので、今後も楽しんで続けられるはずである。
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この記事は、ニュースレター「ナレッジスタック」に書いたものを編集し、まとめ直したものです。ニュースレターは以下から登録いただけます。
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