前回[Obsidianを「本を書くツールとして使う」という話](https://goryugo.com/20221111/obsidian_making_book/)をまとめました。ただ「本を書くツールとして使う」ということばにはいろいろな限定条件があって、なにもかもすべてをObsidianで済ませた、というわけではありません。 <!-- more --> たとえば今回は、本の目次を考える、本の下書きをする、ということにはObsidianは使っていません。目次案を作るときに使ったのはアウトライナー([Workflowy](https://workflowy.com))だし、本の下書にきはScrivenerを使っていました。(最初はScrivenerを使って本を書こうと思っていた) 別にそのことがよいとか悪いとかではないんですが、次の本はもうちょっとObsidianをうまく使って「Zettelkasten」ぽい本作りがしたいなと思っています。『How to Take Smart Notes』([TAKE NOTES!](https://amzn.to/3otcCRM))で書かれていたような方法で本を書く、というのをやってみたいのです。 この方法がうまくいくと、どんどんいくらでもたくさん本を書けるようになるのではないか、という夢が膨らみます。 ただ『How to Take Smart Notes』に書かれていた方法論は、全体的にわりと曖昧で、これだけ読んでもわからないことがたくさんありました。そういう曖昧なところから始まっているので、現在自分が試している方法も「こんな感じでうまくいくのではないだろうか」程度の中途半端なものではあります。 とはいえ、ごりゅごは「Obsidianで本を作る」ことをすでに経験済み。この経験は非常に大きく、少なくともObsidianを使って、本を書く課程の「終盤」はどんなことをやればいいのかはわかるようになりました。 ということは、あとはObsidianで「終盤」の状態を作ればいい。そこまで進められたら、あとは前回と同じ方法で「書く」ことで、構成案を考えるところから、目次を作って、執筆するまでをObsidianできるようになるはず。 今回は「自分が書いたノートからテーマを見つける」という「アイデアを出す」「アイデアをまとめる」という過程で、Obsidianをどういう風に使っているのか。そんな話をまとめたいと思います。 ## テーマを見つけるヒントはトピックノート まずそもそも、自分はどういう本を書きたいのか。本を書こうとするならば、当然書きたい本のテーマが必要になる。 その準備段階として、自分はどういうことに興味を持っているのか。これがわかっていないと「なにをやりたいのか」を見つけることが難しい。 自分が追いかけたいテーマさえ見つかれば、自分がどういう本を書けるのか、書きたいと思うのかも見つけやすくなる。テーマさえ見つかれば、人生のあらゆる場面で遭遇する出来事をテーマと絡めて考えられるようになる。こうなると、本の構想が徐々に構築されていくようになる。 じゃあその「テーマ」はどうやって見つけるのか。こういうのは、なんとなく見つかっただとか、運命を感じた、自分にはそれしかないと気がついた、というようなスピリチュアルな答えが目に付くが、**自分が追いかけたいテーマは「トピックノート」から見つけられる**というのがナレッジスタック的な答え。 自分が作ったトピックノートは、すでに自分が考えたいテーマを示すもの。自分が気になったノート、興味を持ったノートを集めて、名前を付けたものがトピックノート。トピックノートとは自分が(無意識のうちに)追いかけてきたテーマであることとイコールだと言える。 とは言え、トピックノートだけではインパクトが弱いというか、まだ「本」というイメージにたどり着くほどの懐の深さや独自性が見えてこない。トピックノートはどちらかというとテーマを見つけるための土台。こういう土台をいくつか繋ぎ合わせることで自分ならではのテーマが見つかる、というのが感覚的にイメージしやすい。 ## テーマを見つけようということをテーマにする じゃあどうやってトピックノートから「テーマ」を見つけるか。これも結局すべては「書いて考える」のが一番効果が高い。テーマを見つけるためのノートを作って、そこにいろいろなノートやトピックノートを集めて並べてみる。 ごりゅごは、このノートに「🏠HOME」と名前を付けて普段開くノートとして取り扱うようにしている。 ![](img/goryugo.com/wp-content/uploads/2022/11/2022-07-24_15.57.52ss.png) このノートは「自由に考えることが重要」なノートなので、基本的にルールや制限を設けないようにしている。ルールとしてあえて決めているのは「長くなることを気にしない」ということくらい。(スクショの3〜4倍以上の行数がある) 「テーマを見つけようということをテーマにする」ノートを作ったことで、日常生活の中で「テーマを見つけよう」ということを意識できるようになった。 実際に、スクリーンショット下部で考えているテーマも「テーマを見つけようということをテーマにする」おかげで、こういうことを考えてみようと「発見」できた。 テーマを見つけたきっかけ→[BC042『超没入 メールやチャットに邪魔されない、働き方の正解』](https://bookcatalyst.substack.com/p/bc042-#details) テーマになりそうなものさえ見つかれば、あとは日常生活や読書でも「このテーマと関連している材料はないか」と自然にアンテナを立てることができるようになる。 ## テーマを掘り下げるノート ある程度テーマを掘り下げる素材が集まったら、独立したノートを作ってもう少し掘り下げていってみる。 今までに書いたノートを使ったり、新しくノートを作ったりしながら、なんとなく「本の目次の土台」のようなものを作っていく。 ![](img/goryugo.com/wp-content/uploads/2022/11/2022-07-24_16.08.30ss.png) ある程度土台が出来たな、と思った段階で、この土台を元にして少しずつ「原稿」を作っていく。(ということを最近始めた) ![](img/goryugo.com/wp-content/uploads/2022/11/2022-07-24_16.10.17ss.png) このくらいまで進められると、あとは[Obsidianでの本の作り方](https://knowledgestuck.substack.com/p/obsidian-4e7) で書いた執筆段階に自然に移行していけるのではないか?そういうところまでたどり着くことができた。 この続きはまだできてないので、ここからどう進めていくかは今まさにこれからやりながら考えるところ。この方法論で実際に一冊分の原稿を書くことができれば、この部分もこれから掘り下げて書けるはず。 * * * 自分の話に引き寄せて「本を書くときのテーマ」という視点で考えた話ですが、こうやって「テーマを見つける」という切り口は、おそらくナレッジワーカーと呼ばれる人たち全般に使える「考えることを進めていく」方法論として有効なものになりうると思っています。 だいたいの考え事はこうやって書いてまとめていって、書いてまとめていくとアイデアや課題、解決策みたいなものが見つかっていく。(のではないか) こういう「知的生産」的なことは、効率的に、型にはめてできるものではないはずなので、毎回なにもかも同じやり方でうまくいくとは言えません。とはいえ、なにかものごとを考えるときにある程度「型」のようなものがあること自体は悪くないし、そこから得られるものはたくさんあるはず。自分の場合、この型が洗練されていくことで、今後の人生でたくさんの本を残せるようになるのではないか。そんな妄想が膨らませながらこのあたりのことを試行錯誤しています。 自分がどういうことに注目しているのか。そういうのは「書いてみないとわからない」部分が多いにあります。 その点で、Obsidianに「気になるテーマについてまとめておく」ということに意味はあるのではないか。最近はよくそんなことを考えています。 →でき上がった本はこちら ![[a1b75833fbeeb21011388cb476a88092_MD5.jpg]] 🚚『アトミック・シンキング: 書いて考える、ノートと思考の整理術』🚚 📖[Kindle(Amazon)](https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0B8XBRW93/room510-22/)