[[obt002文字起こし]] ### 今回の概要 今回から新しい試みとして、ごりゅごが実際にユーザーの方のObsidianを見せていただき、その使い方に対して直接アドバイスを行う新シリーズ「あなたのためのObsidian」をスタートします。 記念すべき第1回のゲストは、会計士・税理士として活躍されているジンさんです。 > 動画のプレビュー部分ではノートが非表示になっていますが、以降はモザイクなしです。 ## 税理士の仕事道具としてのObsidian (00:01:32) ジンさんは、ご自身の税理士・会計士としての業務におけるメインツールとしてObsidianを活用されています。主な用途は大きく分けて「デイリーノートでの日々の記録」「顧客(取引先)ごとの情報管理」「税務知識の整理」の3つ。 すでに1年近く運用を続けられており、業務のログはしっかりと残されています。正直なところ、拝見した第一印象は「想像以上にうまく使いこなせている」というものでした。無理に複雑な機能を使わず、必要な情報を着実に記録するという、非常に堅実な運用をされています。 今回は、そんなジンさんの「すでに十分機能しているVault」を、より少しの工夫で快適にするための、いくつかの提案をさせていただきました。 ## デイリーノートに「リンク」を貼る (00:06:14) まず最初に注目したのが、ジンさんのデイリーノートの使い方です。 毎朝、その日のスケジュールや訪問予定の会社名をテキストで箇条書きにし、実績を記録されています。これ自体は有効な習慣ですが、一つだけ非常にもったいない点がありました。それは「会社名がただのテキストである」という点です。 そこで提案したのは、**予定を書く段階で会社名やプロジェクト名を `[[ ]]` で囲んでリンクにしてしまう**こと。 これを行うだけで、Obsidianの強力な機能である「バックリンク(Linked Mentions)」が活きてきます。リンク先のページ(その会社のノート)を開けば、過去のデイリーノートでその会社に言及した箇所が、バックリンクとして自動的に時系列で並びます。 わざわざ顧客ノートに「今日やったこと」をコピペして転記しなくても、デイリーノートにリンク付きで書いておくだけで、情報の集約が勝手に行われるようになるのです。 ## サイドバーにバックリンクを常駐させる (00:10:00) さらに、このリンク運用の利便性を高めるのが「バックリンクパネルの常駐」です。 PC版のObsidianでは、サイドバーのレイアウトを自由にカスタマイズできます。例えばカレンダープラグインの下などに「バックリンク」のパネルを配置しておくとどうなるか。 デイリーノートを開いて日々の記録をつけながら、右側のサイドバーを見るだけで「1年前の今日、何をやっていたか」や「リンクされた顧客の過去の履歴」が自然と目に入ってくるようになります。わざわざページを移動したり検索したりしなくても、視界の端に関連情報がある状態。 ジンさんのような、日々多くの顧客と向き合うお仕事において、この「情報の飛び込んでくる感覚」は大きな助けになるはずです。 ## 「Cmd+O」で探せるタイトルをつける (00:26:00) 次に見直しを提案したのが、ノートの「タイトル(ファイル名)」の付け方です。 ジンさんのVaultには、「e-Tax」「JDL(会計ソフト名)」といった、短い単語だけのタイトルが散見されました。一見シンプルで良さそうですが、ノートが増えてくると「どのe-Taxの手順書だっけ?」と迷う原因になります。 ここで重要なのは、**未来の自分がどうやってその情報を探すか**を想像することです。 推奨されるのは、マウスを使ってフォルダからファイルを探すのではなく、ショートカットキー `Cmd + O`(Quick Switcher)を使って、キーワード検索でファイルを一発で開くスタイルです。 そのためには、「JDL」という単語だけでなく、「JDLで法人税申告書を作成する手順」のように、**自然言語に近い、具体的なタイトル**をつけておくことが重要です。そうすれば、「JDL 法人税」とタイプするだけで、目的のノートに瞬時にたどり着けます。 「整理」とは、きれいに並べることではなく、必要な時にすぐに取り出せる状態にすること。そのためには、本人にとって分かりやすい「具体的なタイトル」をつけることが、最も効果的な整理術なのです。 ## 仕事のログに「日記(感情)」を混ぜる (00:54:22) 最後に、少し異色のアドバイスもさせていただきました。 ジンさんの記録は、税理士というお仕事柄もあってか、非常に規範的で整然とした「事務的なログ」そのものでした。もちろんそれは正しい姿なのですが、せっかく自分のための記録を残すのであれば、そこに少しだけ「人間味」を足してみてはどうでしょうか。 「今日は疲れた」「お腹が減った」「昼食のラーメンが美味しかった」。 そんな些細な感情や出来事をログに混ぜ込むことで、無機質な記録が、読み返して楽しい「日記」に変わります。AI時代において、単なる事実の羅列はAIにも生成できますが、その時の感情や体験は人間にしか残せません。 感情のこもった記録は、未来の自分が読み返した時に、当時の状況を鮮明に思い出すための強力なフック(手がかり)になります。仕事のログにこそ、あえて個人的な感情を混ぜてみる。これは、記録を長く楽しく続けるための秘訣でもあります。 ## まとめ 今回、ジンさんにはたくさんの提案をしましたが、一度にすべてを変える必要はありません。 「1日1個だけノートのタイトルを分かりやすく直してみる」「明日のデイリーノートで顧客名にリンクを貼ってみる」。そんな小さな実験から始めていただければと思います。 この「あなたのためのObsidian」シリーズでは、今後も様々なユーザーの方の実際のVaultを見せていただきながら、それぞれの状況に合わせた具体的な活用法を探っていきます。次回もどうぞお楽しみに。