iPadでギターの練習をする
iPadを活用した現代的なギター練習環境を徹底解説。騒音問題を解決し、省スペースかつ高音質で練習するための機材構成から、Loopy ProやiReal Proなどのアプリ活用法、フットスイッチを使った快適な操作まで、ごりゅごの試行錯誤の記録をまとめました。
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42歳になり、約20年ぶりに趣味としてエレキギターを弾くようになった。現在、エレキギターの練習環境は、以下のような機材構成。
ギター → ギターワイヤレス → オーディオインターフェイス ←→ iPhone OR iPad
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+→ ヘッドフォン
この練習環境のメリットは、主に以下の通り。
- (iPhone or iPadを持っていれば)さほど予算が必要ない
- 電源がない場所でも練習が出来る
- iPadとギターワイヤレスはバッテリーで駆動
- 少なくとも数時間は電池が切れることはない
- ノートパソコンを置ける程度のスペースだけで練習が出来る
- 自分の演奏を手間なく高音質で録音できる
- Loopy Proを使って超簡単に自分の演奏を聞き返して上達につなげる
- ルーパーよりも「視覚的にわかりやすい」「操作しやすい」
- 演奏したものを手軽にファイルとして保存できる→少しずつ上達が実感できる
- 「騒音問題」が発生する可能性がほぼゼロ
- 周りに聞こえるのはエレキギターの生音だけ
以下、現在の練習環境にたどり着くまでの機材(アプリ)の変遷をまとめる。
🎸iPadでのギター練習を始めた理由
そもそも、なぜiPadでギター練習をするようになったのか。20年ぶりにエレキギターの練習を再開したときは、まずSpark miniを購入し、それを使ってギターを練習していた。
当時の自分は「小さい音」で練習をしていたつもりだが、家族からクレームが発生。
音量の大小は主観的なものとしても、自分が普段ギターの音を出すのは夜10時以降になることが多く、小さい音だとしても気が引けるのは事実。それならもう、自宅でのギター練習はヘッドフォンでしか音を出さない。家ではアンプは一切使わない。そう決意して、円満な家庭生活とのバランスを取るため、練習方法を完全に変えてしまうことにした。
その場合、せっかく買ったSpark miniにヘッドフォンをつないで使うというのはもったいない。そういえばSpark miniはオーディオインターフェイスとしても使える、という話を思いだして、iPadと接続。
きちんとiPad側もギターの音を認識し、Loopyなどでギターの音を録音出来た。 (Spark miniをiPhoneとつないだら、iPhoneからの供給電力が少なく、Spark miniはオーディオインターフェイスとして機能しなかった。iPadならば電力は足りる。ひょっとしたら、USB-CのiPhoneならば電力が足りるかもしれない)
しかし、Spark miniはオーディオインターフェイスとして使うには遅延が大きすぎた。iPadから聞こえてくる音に合わせて演奏すると、16分音符1個かそれ以上の範囲で自分が録音した音がズレる。(遅れる)
それならば、と思い立って(ちょうど日本で正式に発売されたばかりの)ギター用オーディオインターフェイスを購入。これは、Spark miniと同じPositive Gridが作っているもの。製品のサイズは、大雑把に「分厚いiPhone」くらいで、汎用的なオーディオインターフェイスと比べると遥かに手軽。(上の写真にも写っている)
iPad x ギターワイヤレスで練習する
同じくらいのタイミングで、ギター練習にギターワイヤレスシステムも導入した。
使っているのは、5000円くらいの(比較的安価な)ワイヤレスシステム。
気になるのが、こういう道具を使ったときの遅延はどの程度のものなのか、というもの。(Sparkで遅延の恐ろしさを知った)
今使っているギターワイヤレスシステムの遅延は、公称値5msec未満。この数字は、少なくとも自分が実感できるものではなかった。
そもそも、オーディオインターフェースというものを使う場合にも遅延は必ず存在するし、アンプからから少しでも距離があれば、それだけ遅延はある。オーディオインターフェイスの場合、Buffer Size128、Sample Rate 48000ならば、遅延時間の理論値は2.7msecある。アンプから1m離れれば、遅延時間の理論値はおよそ3msec)
実際に使ってみて、同時に遅延の理論値を計算をしてみて、自宅練習ではギターワイヤレスの遅延は「ゼロ」だと考えても問題ない、というのが自分の結論。
ワイヤレスを使う限り、信頼性の問題や、音質の劣化などは必ず存在するが、趣味でギターを弾く素人が、家で楽しくギターを練習するためには手軽さの方が重要だと考える。ケーブルレスのメリットは計り知れないのだ。練習が手軽になって、快適にたくさん練習できるほうがうれしい。
ちなみに、ヘッドフォンは有線で接続している。その意味では、完全にケーブルレスの練習環境が用意できているわけではない。ただし、ヘッドフォンケーブルならばギターシールドに比べてかなり細くて扱いやすい。試してみるとわかるが、ケーブルが一本でも減るだけで、練習はかなり快適になる。
ギター練習再開時に最初に便利さを実感したのは📱iReal Proだった。
ジャズ系のミュージシャンには広く知られたツールで、このアプリでひとつで大量のスタンダードのコード進行を確認でき、テンポとパターンを自由に編集し、どれだけでも伴奏を再生できる。
このアプリの素晴らしさに感動して、自分はまず「ジャズギターを練習しよう」と決意。
このアプリで定番進行を演奏してもらいながら、無窮動のフレーズをなぞることに明け暮れていた。
(iReal Proはジャズ以外にももちろん使える。アプリ内課金でブルースの伴奏パターンのアンロックが可能)
Loopy Proで練習音源を再生&録音
その次にたどり着いたのは、うまくなるために「録音」することである。
iPadでギター練習をする最大のメリットは、自分のギターの音を簡単に録音&再生できることであるとさえ言える。
iReal Proを使っているだけでは自分のギターの音を録音することはできないので、色々探して見つけたのが📱Loopy Proというアプリ。
Loopy Proを使ってテンポチェンジと録音が簡単にできるギター練習環境を手に入れる
これは、ジャズだけでなくブルースギターも練習したい、と別の練習本にも手を出したことが理由の一つ。
たとえば、ギターの練習本には、練習フレーズからギター演奏だけを取り除いたカラオケ音源が収録されていることが多いが、最初期には「音源と同じ速度で弾く」というのが非常に難しい。
そこで、音源のテンポを落としながら、でもそれなりに楽しく練習できないか、と思ってたどり着いたのが📱Loopy Pro。
フットスイッチでiPadアプリを制御する
2023年10月、次なる練習のステップアップのためにXSONICのAirstep liteを購入した。これを使って、今後は「自分の音を録音しながら練習する」ことを基本にしていく。
→🎸iPadギター練習環境を無線スイッチで制御するためにXSONIC Airstep liteを購入
簡単なルーパー機能だけならば、BIAS FXに付属のものが使えるので、しばらくはそれを使って練習していたが、現在は、AUv3対応アプリの便利さを思い知り、利用するアプリなどの構成全体を変更。
AUv3対応のギターアンプシミュレーターの中にあるGain Stage Vintage Cleanをメインのアンプにして練習している。
ホストアプリとして、Loopy Proを使うか、AUMを使うか、どちらのアプリがより自分と相性が良いのか検討しているところで、2023年11月は現在はAUMで自分の練習用音源を作るのが最善の方法ではないか、と考えていた。
→Airstep liteでiReal Proを操作できるようにする
AUMを使って練習用音源を自作する
2023年12月現在は練習環境のベースはAUMに落ち着いた。
📱Jazz Drummer(Lumbeat)アプリでリズムを鳴らし、その後に自分の伴奏を📱Enso Looperに録音。そして、自分のソロのフレーズも録音して、聞き返す。これで、伴奏とソロの両方を自然に録音しながら練習ができる。
この時のメイン練習素材は、山田忍さんがYouTubeで公開している以下のシリーズ。PDFを見ながら何回も演奏を聴いて、自分の音を録音して聞き返す、というのを繰り返した。
【無料PDF付属】0から始めるジャズギタービギナーシリーズ全26回 - YouTube
また、これとは別に(耳コピなどを使って)練習用の音源を自分で作る、ということにも挑戦した。この体験を通じて、ギターを弾く場合に一番重要なのは指ではなく耳だと分かった。
きちんと周りの音を聴いて、それに合わせて自分がどんな音を出すのか。それが「わかる」というのも演奏の技術なんだな、と実感。
Launch PadとLoopyで伴奏を作る
2024年2月に、🎹Launch Pad Pro mk3を購入した。
この機材は、Loopyと非常に相性がよい。iPadにLaunc Padを接続してLoopyを起動すると、なにも設定しなくてもLaunchPadが自動でLoopモードになる(Mac版のLogic Proにつないだ時と同じ状態。iPadのLogic Proでは機能しない)
あとは、📱Jazz Drummer(Lumbeat)を使ってドラム音源のループを作成したり、単メトロノームだけで伴奏を録音し、そこに上物を被せる、というのが基本の練習。
ここから色々な試行錯誤を経て、現在は自分で課題曲に設定した「スタンダード曲」を利用して、様々な種類の練習をするようになった。
課題曲となるJazzスタンダードをベースに複数の項目を練習する
練習記録をきちんと残す
練習を終えたら、必ずなんらかの練習記録を残しておく。これは、ギターを再開してから欠かさず継続している習慣で、これがあるから楽しく練習が続けられていると確信している。
ヘタクソだった記録こそが「うれしいこと」につながる - by goryugo - ナレッジスタック
練習記録があることで、ヘタだった自分より確実に上達していることがわかるようになる。
→2024年3月から、練習記録は紙の手帳に残すようになった
オーディオインターフェイス付きマルチエフェクターを使う
2024年8月から、オーディオインターフェイスをZoom のG2 FOURに変えた。(G2 FOURはオーディオインターフェイス機能が搭載されたマルチエフェクター。USBケーブルでiPadにつなげば、iPadから電源を取って、そのまま動作する。iPadの音楽アプリも、G2 FOURの音をそのままインプットとして扱える)
G2 FOURを使い始めた理由は複数あるが、1つが「物理のつまみを操作したい」ことだった。
自分は、どうも音色・トーンに対する解像度が低く、なんとなくこれでいいかと音色を決めてしまうと、それを変えることをほとんどしない。
そうなると当然、トーンに関する解像度がいつまでも上がらない。「いい音を作る」ことに注意が向かなくなる。
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G2 FOURならば、iPad(USB-C)からの電力だけでアダプターなしで駆動するので、オーディオインターフェイスを使っていた時と比べても(図体はでかくなるが)接続する機器やケーブルの数はこれまでと同じ状態を維持できる。
また、iPadの電源を節約する目的だとか、単体でG2 FOURを動かしたい時は、モバイルバッテリー + 9Vケーブルの組み合わせが大変便利。
↓のようなセンターマイナス極性の9V変換USBケーブルがあれば、ACアダプターなしで練習も可能。(下記ケーブルにて動作確認済み)
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Loopy Proを使った一連の練習の流れ
2024年10月現在は、Loopy Proを使って「できるだけ簡単なことを」「音楽的に演奏・録音する」ことを心がけている。
難しいことをなんとかこなすのではなくて、簡単なことを間違えずに、細かな音の長さ、強弱なども意識して、きちんと音楽的に演奏が出来るようにすること。
これが、長い目で見たときの「ギターが上手なひと」につながると考える。
大きな意味で課題曲となるJazzスタンダードをベースに複数の項目を練習するという方針は変わっていない。
コードトーンをポジション固定でいいから覚える
2024年10月、練習にちょっと行き詰まりを感じていた。ジャズスタンダードのメロディーを音楽的に演奏する、ということには慣れて、上達してきたように感じていた。
しかし、これだけではアドリブが出来ない。
行き詰まりの理由はもちろんそんな単純な理由ではないが、どちらにしてもちょっとモチベーションが下がってきたところで、10月末に下記の動画を再び見て、そうか。まずはポジションを固定してもいいから、狙ったコードトーンを好きな度数から弾けるように練習しよう、と思い立つことが出来た。
コードトーンの練習自体はそれ以前からも取り組んでいたが、5弦6弦のルートからなら弾けるが、2弦3弦を絡めてしまうとわからない、ということで悩んでいた。
そんな中で上記の動画にあった「ポジション固定でいいからまず1つ覚える」という方法。
これが今の自分のレベルと合っていて、ダイアトニックを弾く、曲のアウトラインを弾く、という順に練習を楽しむことが出来ている。
このコードトーン練習もきちんと録音して「失敗せず、インテンポで、音楽的に演奏する」ことを心がける。
参考
Knowledge Stack
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