```dataview LIST WHERE date_published < this.date_published & series = this.series SORT date_published DESC LIMIT 5 SORT date_published ASC ``` ```dataview LIST WHERE date_published > this.date_published & series = this.series SORT date_published ASC LIMIT 5 ``` --- 64パッドで始める音楽生活、3記事目です。 1記事目では64パッドの概要を https://note.com/goryugo/n/n017fff21deb5 次の記事では64パッドという楽器の「いいところ」をザッとまとめました。 https://note.com/goryugo/n/nb2c3f2fcbc33 ここから先は、64パッドを「実際に始めてみたい」人向けの、より実用的な話です。 今回の記事では、64パッドをこれから始めてみたい人に向けて、以下のことをできるだけ簡単に・現実的に紹介します。 - 最初に揃えるべき機材 - 機材選びの考え方(感度の話や、中古活用の視点) - 実際に「音を出す」ところまでの最初の一歩 ## 「機材」は実質 Launch Pad Pro 一択 「音楽を演奏して楽しむ」という観点でのオススメの64パッドは、事実上以下の「Launch Pad Pro mk3」一択です。 https://amzn.to/3S3q7qd もう1つAbleton Push3もあるんですが、まあこれはかなり高いです。 https://amzn.to/3EkZHgE 単純に「ただ安いもの」であれば、LaunchPadの兄弟マシーンのLaunch Pad Xなんてものもあります。 https://amzn.to/45C25KQ ただ、以下の「演奏道具としての質」と「流通」という観点で、やっぱりオススメしやすいのはLaunch Pad Pro mk3ということになります。 ## 強く叩くより、弱く叩ける方が大事 まず、Launch Pad Pro mk3をオススメする理由の1つが「パッドの感度の高さ」です。 感度が高いってなんやねん、と思われるかもしれません。感度が高いとなにがいいのかというと「やさしーくパッドを触ってもちゃんと反応してくれる」んです。 やさしーく触ってもちゃんと反応してくれる道具は(弱い音を狙って出せることによって)「強弱を付けやすい」という強みが生まれます。 音楽をかっこよく、それらしく聴かせるためには、単純に「音があってる」だけじゃなくて、その音のタイミング、長さ、強弱も非常に重要な要素です。 そして、パッドは感度が高ければ高いほど弱く弾ける。なので、パッドで重要なのはこの「弱く弾けるかどうか」なんです。 パッドで「強さマックス」の音を出すのは簡単です。力いっぱい指を叩きつければ、簡単に強さ最大の音が出せます。 生楽器の場合にはこの「強く弾ける」というのも大事な技術だったりする(強く弾くことで音量も音色も変化する。上手ければ上手いほど、それらは狙ってコントロールされている)んですが、パッドは電子楽器なので「最大音量」と「最大音量時の音色」は、音源に依存し、それ超えることはできません。 (現在一般に普及しているMIDI規格では、音の強さは0~127の128段階。新しい規格では、65536段階になる予定だが、それが使える機材は非常に限られている) なんにしても、Padを使って、いい感じの演奏、ぽい感じの演奏をするためには、この強弱をいかに弾きわけるか。つまりはいかに狙って弱く弾けるかが非常に重要な要素になってくるのです。 また、弱く弾くことは「怪我をしにくい」だとか「力まないフォームを身に付けやすい」というメリットもあります。 パッドの演奏風景なんかをネットで探すと、真上から突き刺すように指を叩きつけているものもよく見かけますが、あれは「身体が強い人」が「強弱を付けない演奏」をする時に限られる技術です。突き指まですることはないかもしれないけど、ああいうのを続けているとそのうち指を痛めます。 ほとんどの運動全般に言えることですが、身体の動きというのは「無駄な力が入っていない」方が、速く、正確に動かすことができます。 「長く健康に音楽を楽しむ」という観点でも「無駄な力を抜いて早く上達する」という観点でも、余計な力を入れないで演奏できるようになるために「弱く弾ける」というのは大事なことなんです。 ## 中古で買って飽きたら売る そして、Launch Pad Pro mk3を勧めるもう一つの理由は、(64パッドの中では)Launch Pad Pro mk3が一番「中古の売り買いがしやすい」ということです。 メルカリで在庫を見てみましょう。かなり高い確率で1個2個くらいは中古品が売っていて、大抵は一ヶ月以内で売れています。 [【2025年最新】Launch Pad Pro mk3の人気アイテム - メルカリ](https://jp.mercari.com/search?keyword=Launch%20Pad%20Pro%20mk3) 2025年現在では、だいたい3万円以下くらいで買えたらお得、という感じですかね。 新品のLaunch Pad Pro mk3が今は5万円くらいすることを考えると、だいぶお得な感じがしますよね。 ここで大事なのは、単純にメルカリを使えば「安く買える」ということだけではありません。 大事なのはもう1つ。Launch Pad Pro mk3は比較的「売り買いがしやすい」ということです。 つまり、64パッドを買ってみたはいいが、どうも自分には合わなかった。そういう可能性は必ず存在します。そういう場合には「もう一回メルカリで売ればいい」んです。 まず買う時に、上手に安く売ってるやつを買って、品数が少ない時に売ることができれば、買った時と同じ値段でもう一度売る、ということも難しくありません。 もちろん、メルカリで売る時には手数料だとか送料なんかも必要になってくるので、差し引きゼロとかは難しいですが、買って売っての差額を5000円くらいに収めることなら難しくありません。 つまり「続かなかった場合は5000円ですむ」のです。 そのくらいなら、いい年した大人がはじめてみる趣味として決して高いと言えないでしょう。よく言われる「飲み会一回分価格」です。 新品で買ったら5万だと考えたら、コストは10分の1です。 なによりも、**初期投資の大きさが原因で、今後一生音楽が楽しめるかもしれないという可能性を潰してしまうのは非常にもったいない**です。 長く音楽を楽しめたのであれば、正直新品で5万円で買おうが、中古で3万円で買おうが、それはもはや誤差みたいなものです。長く楽しめたんなら最初に買ったパッドの代金なんて、もはや実質無料と言ってもいい。 そこまでハマれたならば、10万を超える「PUSH3」なんかを買っても損はしないでしょう。 つまり、中古でLaunch Pad Pro mk3を買うという手法であれば、成功しても失敗しても、どっちに転んでも痛くはない。いいことしかない!というわけです。 「始めたけど合わなかった」としても、すぐにリカバリーが効く。 だからこそ、64パッドは“安心して始められる趣味”でもあるのです。 --- ## 音を出すために必要なもの で、実際にLaunch Pad Pro mk3を買って家に届いた。 その後どうすればいいのか。 Launch Pad Pro mk3は電子楽器なので、そのまま触っても電源も入らないし、なんの音も出ません。叩いても、聞こえてくるのは、コツコツ音。電気がなければただの板。 具体的に楽しむには、なんらかの「コンピューター」が必要です。 こういう時、まあほとんどの「音楽経験者(DTM経験者)」は当たり前のようにWindowsを選ぶかMacを選ぶか、なんて話を始めがちなんですが、ただ音を出すだけだったらパソコンは必要ありません。 まず「音を出してみる」時にオススメする道具は、iPhoneかiPadです。(Androidでは事実上不可能。今回はその理由などは割愛) USB-Cで接続できるiPhone, iPadならば、その辺にあるUSBケーブル。Lightning端子のついたiPhoneやiPadでも、こういうケーブルを使ってやれば「iPhone + Pad」で超お手軽に音が出せます。 https://amzn.to/43s3BOu iPhoneもiPadも持ってない人は、これまたメルカリで安いiPadを探しましょう。 2万円くらいのiPadなら、とりあえず音を出す、という目的は達成できます。もちろんMacがあるならそれを使ってもお手軽です。 Windowsでも、多少のコンピューター知識があれば余裕でパッドは使えるんですが「ASIOドライバを入れてうんぬんかんぬん」ということを少し頑張ってやらないとまともに演奏できないので注意が必要です。(標準のままでも音が出るが、遅延が大きすぎて「演奏」できるレベルにならない) なので、ここではまずあの有名な「Garage Band」(ガレージバンド)というソフトを使って音を出す、というのをひとつの目標にしてみます。 iPhoneかiPadかMacがあれば、Garage Bandは無料で付属します。(入っていない場合も、無料インストールができる) あとは、LaunchPad ProとiPhoneなどをケーブルでつなぐだけ。その後にガレージバンドを起動すれば、大抵は複雑な設定なしで音は出せます。 ## 「楽器」としてガレージバンドを使う 「ガレージバンドで音楽を作ってみよう」みたいな書籍はそれなりにあるので、操作などが分からない場合はそうしたものを読んでみましょう。 今回**大事なのはDAW(ガレージバンド)を「作曲する道具」ではなく「音楽を演奏する道具」として使う、という目線です**。 ガレージバンドは全然簡単じゃないと思われる方も多い(自分もそうだった)かもしれませんが、ガレージバンドで「曲を作ること」が簡単じゃないだけで、音を出すだけならば難しくありません。 結局DAWで難しいのは「操作」と「曲作り」の両方を同時に学ばなければならない、というところが難しいのです。 だから、ガレージバンドの「目的」を変える。 ガレージバンドで曲を作るんじゃなくて「ガレージバンドで楽器の音を出す」 これを目的にするのです。 これならば、そんなに難しくはありません。 ## とりあえず、音が出たらクリア 仮に今後の目標が作曲だとしても、どっちにしてもまず「音を出す」ことが苦労せずできるようにならなければ作曲はままなりません。たとえばまず「ドラムの音」と「ピアノの音」と「ギターの音」をパッドを使って鳴らせるようになることを目標にしてみましょう。 とりあえずは、音が出ればクリアーです。それで音楽っぽいことなんてできなくていい。目標は「Padを使って音を出す」です。 こういうことが当たり前にできるようになって、ようやく「演奏する」とか「録音する」みたいなことに進んでいけるのです。たくさんのことを同時にやらず、スモールステップで、少しずつできることを増やしていく。 ある意味ここは、ギターやピアノと比べると一番「大変なところ」かもしれません。 しかし、得られるものは大きいです。 パッド一つあれば、ギターの音もピアノの音も、さらにドラムやベース、サックスやバイオリンの音だって出すことができるのです。 まあこれは、いわゆる普通のキーボードでも同じことができるんですが、その場合の「難しさ」は、どっちを選んでも一緒です。 ここでは、かっこよく演奏できるようになることは目的ではありません。 まずは「鳴った!」という小さな成功体験を作ること。「音が出て楽しい」(しかも、色んな音が出せる)ということを素直に喜び、子供のように「いろいろ触って遊ぶ」ことに熱中しましょう。 ## 「弾き語り」は「九九」より覚えることが少ない こうやって音を出して楽しむことを十分に満喫してから「次」に進みましょう。 大抵のは人は音を出すだけでなく、どうせなら「もっといい感じに弾けるようになりたい」と思うでしょう。それは自然な流れです。 そして、そのために必要になってくるのが、「コード」という「音の仕組み」を理解すること。 この辺の「音楽理論っぽい話」って、好まれない人は多いかもしれませんが、とりあえず「コードネームを見たらどこを押さえたらいいかわかる」というレベルの話であれば、九九を覚えるより遥かに覚えることは少ないです。 (九九を暗記する場合、単純計算では81個の暗記が必要。賢く覚えれば40個くらいにできるが、コードネームで「丸暗記」が必要なことは、それよりも遥かに少ない) もちろん、その基本を理解した上で「どうやってかっこいい感じにするか工夫する」という段階になれば、無限の難しさはあるんですが、コードに関する「理論」なんてものは、ドレミの「並び」と「5個くらいの基本ルール」だけ。それだけ覚えたら、ひとまずはなんとかなります。 そして、この「覚える」の部分が、パッドのメリットが最大限発揮されるところです。 個人的に、パッドを使って音楽理論を学んでいくと「難しい」よりも「わかって面白い」ことが遥かに多いんじゃないかと思っています。 ## まとめ:まずは「音が出せたらOK」 Launch Padとガレージバンドを使えば、音を出すまでの道のりは意外と短いです。 大事なのは、難しく考えすぎず、まずは音が出せたという実感を得ること。こういう「できた感」を積み重ねていくことは非常に重要です。 演奏も、録音も、音楽理論も、こうやって小さな成功体験を積み重ねていけば「いつのまにかできる」用になっていきます。 **そしてここからは、「知ってる曲を弾けるようになる」ための次のステップに入っていきます。** ## 次回予告 ひとまずの目標は「歌詞とコードが載ってるもの」を見て、知ってる曲をなんとなく歌える(弾き語り)ようにすること。 そのためにまず重要なのは「ドレミファソラシドってなんやねん」という話です。これは、人体の構造はどうなっていて、音という物理現象に対して人体はどのように反応するのか、という生物学的な話と、心理学的な話が合体したもの。 基本的に「音楽理論」というやつも、この「音の仕組み」と「心理学」、それに「西洋音楽の歴史」がある程度わかれば、変な偏見とか誤解、みたいなものはなくなるんじゃないかと思っています。 結局「理論から自由になる」ためには、理論はちゃんとわかっておいた方がいいに決まっているわけです。 めちゃめちゃ詳しく掘り下げすぎてしまうと、これはこれで目的から大きく逸脱してしまうんですが、でもやっぱり「大人が音楽を自由に楽しむならば」一般的な音楽の入門書よりは、詳しく知っておいた方が「わかる楽しさ」が実感できるし、結果的にその方が「忘れない」「応用が出来る」知識になるはずです。