# タイトルが決まらない時はどうするか
「タイトルだけで中身を証明せよ」と言われても、どうしても良いタイトルが思いつかないことがあります。そんな時はどうすればいいのでしょうか。
結論から言えば、**無理にタイトルをつける必要はありません**。
## タイトルが決まらない理由
タイトルが決まらない理由の9割は、**「一つのノートに複数のことを書こうとしているから」**です。
先ほどの「桃太郎の読書日記」を思い出してください。あのメモ全体に「テーゼ(主張)としてのタイトル」をつけようとすると、どうしても無理が生じます。
- **悪い例:**「桃太郎の考察」
- これでは中身(動物の話?きびだんごの話?)が見えません。ただのラベルです。
なぜこうなるかと言えば、中身に「動物の選定理由」と「きびだんごの報酬システム」という、**全く別の話題**が混在しているからです。複数の主張が混ざっているものに、一つの鋭いタイトルをつけることは不可能です。
## 対処法:分ける(アトミック・シンキング)
解決策はシンプルです。**「分ける」**のです。
日記の中から、話題を一つだけ抜き出して、別のノートにします。そうすれば、驚くほど簡単に鋭いタイトルがつきます。
### 実践:桃太郎日記の分割
では、先ほどの日記を「分けて」みましょう。
いきなり立派なタイトルをつける必要はありません。2つのステップで進めます。
#### Step 1: まずは「事実」や「疑問」で分ける
アトミックノートの「種」を見つける段階です。日記の中から話題を一つだけ抜き出します。
- **ノートA(事実):**
- 中身:「お爺さんとお婆さんが、服や団子を完璧に準備してくれた」
- **ノートB(疑問):**
- 中身:「きびだんご一つで命がけの戦いをするのは割に合わない」
この段階では、まだタイトルは「事実」や「疑問」のままで構いません。
#### Step 2: 分けてから深め、抽象化する(アトミック化)
ここからが重要です。話題を「ノートB(安すぎる報酬)」一つに絞ったことで、初めて深く考えることができます。
「なぜ彼らは安い報酬で働いたのか?」と深掘りしていくと、一つの仮説(主張)が生まれます。それを**普遍的な法則(アトミックノート)**としてタイトルにします。
> **タイトル:食事を共にすることは、言葉以上の信頼関係を構築する儀式である**
>
> (本文)
> きびだんごは単なる「報酬(モノ)」ではなく、同じものを食べるという「行為(コト)」に意味があったのではないか。同じ釜の飯を食う行為は、金銭契約よりも強い結束を生む。
## 結論:分けると思考が深まる
どうでしょうか。「きびだんご」という具体的な話から、「人間関係の法則」という**抽象化されたタイトル**が生まれました。
ここまで抽象化できれば、このノートは「桃太郎」という文脈を離れ、ビジネスやチームビルディングの話とも**「つながる」**ようになります。
最初からこのタイトルは出てきません。「分ける(疑問を切り出す)」→「深める」→「抽象化する」というプロセスを経てこそ到達できるのです。
タイトルが決まらない時は、まず「事実」や「疑問」の単位までノートを分割してください。それが思考を深める第一歩です。