読書メモを書くことの究極の目的は、「ノートに適切なタイトルを付ける練習」を積み重ねることです。
### 「事実のトレース」が最強の基礎トレ
ここまで紹介してきた「新書の目次や太字を書き写し(事実の観察)、それにタイトルをつける(理解の言語化)」というプロセス。
これは一見地味で、創造性がないように思えるかもしれません。
しかし、これこそが思考力を鍛えるための最強の基礎トレーニングです。
著者が論理的に構成した「事実」を、自分の脳を通して「タイトル」という形に再構築する。
これは、他人の高度な思考プロセスを、自分の脳内で再現するシミュレーション訓練に他なりません。
この「事実のトレース」ができるようになれば、どんな難解な本であっても、アトミックに分解して理解することができるようになります。
逆に、この基礎(観察と分離)ができていない状態で、いきなり自分の「独創的な意見」を持とうとしても、それは単なる思い込みや感想に終わってしまいます。
### 長期的な視点で続ける
この練習を「いきなり完璧にやる」必要はありません。
気合を入れて1週間で10冊やるよりも、気が向いた時に1行だけ書き写す習慣を5年続ける方が、遥かに価値があります。
「いつできなくなってもいい」「毎日できなくてもいい」という前提で取り組んでください。
重要なのは、「わからないこと(混ざっている状態)」をそのままにせず、「分けて、タイトルをつける」というアトミック・シンキングの作法を、少しずつ身体化していくことです。
読書という「巨人の肩」を借りて、思考の型を身につける。
そのための最適な練習台が、あなたの目の前にある一冊の本なのです。