最終的に、読書メモを書くこととは「ノートに適切なタイトルを付ける練習」だと考えています。
実は2026年現在「すばやく適切なタイトルを付ける能力」で言えばもはや生成AIは人間を凌駕しています。
しかし、それでも読書メモを作ることに意味はあると考えているし、むしろこのような時代だからこそ知的トレーニングとしての読書メモの価値は増加していると考えます。
### 「事実のトレース」が最強の基礎トレ
ここまで紹介してきた「事実(目次や太字)を書き写し、それにタイトルをつける」という練習について。
先ほど申し上げたように、もうこれは「人間がやらなくても出来る」段階にきています。
しかし、この「1つのことに分解してタイトルを付ける」という行為は、これまで私が経験してきた思考のトレーニングとしてもっとも効果が高く、応用範囲も広いものだと確信しています。
著者が論理的に構成した「事実」を可能な限り分解し、自分の脳を通して「タイトル」という形に再構築する。
これは、他人の高度な思考プロセスを、自分の脳内に取り込み、自分のものとして活用できるようにするための訓練です。
「事実の分解」ができるようになれば、どんな難解な本であっても、アトミックに分解して理解することができるようになります。
逆に、この基礎(観察と分離)ができていない状態で、いきなり自分の「独創的な意見」を持とうとしても、それは単なる思い込みや感想に終わってしまいます。
### 継続を優先するためのマインドセット
ただし、この練習を「いきなり完璧にやる」必要はありません。
気合を入れて1週間で10冊の本のメモを作るよりも、気が向いた時に1行だけ書き写す習慣を5年続ける方が、遥かに価値があります。
だからこそ、「いつできなくなってもいい」「毎日できなくてもいい」という前提で取り組むことが大切です。
最も大事なのは、読書メモを書くことそのものよりも、できるだけ毎日「デイリーノートを書くこと」を忘れないようにすることです。読書メモも、まずはデイリーノートの中に書いていけば良いのです。
### 長期的な視点で続ける
私自身、この「読んだ本について書く」という習慣が、間違いなく最も効果が高かったと確信しています。
もちろん、時間はかかりました。
自分の感覚としては、成果が出たのは5年後。
5年続けて、ようやくかなり「わかる」ようになり、読書という体験が次のステップに進化したと感じています。
これは結局、「今から読書力を高めたら、今後数十年めちゃくちゃいいことがある」と信じて、目の前の数ヶ月(あるいは数年)を丁寧に過ごせるかどうかの勝負です。
読書という「巨人の肩」を借りて、思考の型を身につける。
アトミックシンキングを身に付けるという行為は、読書を通じた練習であることで、あなたの興味に添った知識や考え方を自然に向上させていく行為にもなるのです。