読書メモの作成は、高度な知的活動です。そのため、いきなり完璧な要約を目指してはいけません。 最初は「読書メモ」ではなく「読書日記」だと考えて始めてみましょう。 ### 「読書日記」から始めるスモールステップ 書くことが思いつかない、あるいは難しく感じる場合は、「日記」の延長として捉えます。つまり、目標は「なにを読んだのか」を書くことだけで十分です。 - 本のタイトル - 著者名 - 何章のどんなところを読んだか こうした「絶対に書けること」が書けたら、その日のタスクはクリアだと考えます。これができれば、練習として十分に意味があります。 ### 読書メモのハードルを下げる工夫 さらに継続しやすくするための具体的な工夫として、以下のポイントを意識してみてください。 #### 1. 素材選びのコツ:馴染みのあるジャンルや「再読本」から 初めて読む本をまとめようとすると、内容の理解に脳のエネルギーを使い果たしてしまいます。これでは「書くこと」にリソースを割くことができません。 最初は、内容をすでによく知っている「お気に入りの本」や「再読本」を練習台にすることを強く推奨します。内容理解の負荷を下げることで、スムーズに言語化(アウトプット)のプロセスに集中できるからです。 #### 2. 「きれいな要約」を目指さない:自分がわかればOK このメモは人に見せるための文章ではありません。あくまで自分のための練習台です。 多少文章が支離滅裂であっても構いません。自分が後で読み返したときに「あ、あのことだ」と思い出せるキーワードが並んでいれば、最初はそれで十分です。他人に理解されることよりも、自分の記憶のフックになることを優先してください。 ### 記録を残すための時間活用 少し余裕ができてきたら、「読んだ内容」を(コピペするのではなく)自分で思い出して書いてみます。 この段階では、「本を読むこと」そのものよりも「読んだ本について記録を残す練習」に重きを置いてください。なんなら、読書に使った時間と同じくらいの時間を「読書日記を書く時間」に使っても良いくらいです。 「書く時間が長いせいで本が読み進まない」と気にする必要はありません。これは読書の時間を削っているのではなく、思考の時間を確保しているのです。 対象はマンガでも小説でも、一般書でも教科書でも構いません(国語便覧なども意外に面白い素材になります)。自分が興味を持てて、かつ書きやすい素材を選んでください。 ### 読書日記の具体例 例えば、誰もが知っている『桃太郎』を読んで読書日記を書くとします。 あくまで「日記」なので、あらすじ、気になったこと、感想などがごちゃ混ぜになっていても全く問題ありません。 以下のようなメモ書きで十分合格です。 #### 『桃太郎』読書日記 > - 読んだ本:桃太郎 > - 昔話の定番。改めて読むと発見が多い。 > - おじいさんとおばあさんが、戦いの道具やきびだんごを完璧に準備してくれたことに気付いた。スポンサーすごい。 > - 鬼退治に行くメンバーは、イヌ、サル、キジ。 > - 報酬がきびだんご一つというのは、現代の視点だとブラック労働ではないか? > - あるいは、報酬(モノ)ではなく、一緒に食べる行為(コト)に意味があったのかもしれない。 > - 最終的に鬼を退治して宝物を持ち帰る。めでたしめでたし。 このように、事実(スポンサーの準備)と感想(ブラック労働?)と考察(食べる行為の意味?)が混ざっていても構いません。まずは「書くこと」への心理的ハードルを下げることが最優先です。