## ステップ3:「発見」へ進む ステップ2までは、とにかくずっと「なんでもデイリーノートに記録を残す」ことだけを目標にしてきましたが、次の目標は「発見」になります。 これは、記録を残すだけではなく「残した記録を使って考える」段階に進んだ、ということでもあります。 ここからは、ノート作りに対する選択肢が一気に増えていきます。それは、ノートを使うことがとても楽しくなることであると同時に、難しくなることでもあります。 ## 難しさは楽しさの入り口 でも大丈夫。この「発見にタイトルを付ける」という練習の難しさは、難しさを楽しむことで、どんどん自分の考えを広げて、深めていくきっかけになります。 難しい練習なのは事実ですが、この練習は慣れていないほど上達が実感しやすい「楽しい練習」でもあります。はじめは上手にできなくて当たり前です。10回や20回で上手にできるようになる、なんてものでもありません。しかし、きちんと丁寧に練習を繰り返せば、必ず上達します。大事なのは、それを継続するモチベーションをきちんと維持できるかどうか、です。 ## 上達には時間がかかるもの わたしの体験ですが、毎日3時間くらいノート作りの練習をし続けて、半年から1年くらい経った頃にようやくコツがわかってきた感じでした。 とは言え、それを恐れることはありません。これだけ時間がかかったのは、わたしがほぼ独学で、1人でこの方法を試行錯誤していたからです。このワークシートでは、私の試行錯誤を経た上で身に付けた、できる限り早くコツが掴める方法などを順に紹介していきます。 目安としては、毎日10分の練習を週に3〜4回くらい「真剣に」実践。これを数ヶ月続ければ「うまくできるような感じ」には到達できるはずです。 どれだけうまくできる人でも、残念ながら1週間や2週間ですぐに上手にできるようになる、なんてことはほとんどあり得ません。そのくらいの期間の練習が必要だからこそ「価値あるスキル」だと言えるのです。 また、この段階では特に、1人よりも「人に意見をもらう」ことの効果が大きいです。現在これをご覧いただいている方は、Discordをうまく活用していただければ、ずっと早く「上達」していきます。今ならまだ皆さんの発見に一つ一つコメントし、ごりゅごが逐一改善点などを指摘していけます。ですので、Discordをどんどん活用してください。 ## 発見にタイトルをつける意味 ### タイトルがノートの質を決める 発見にタイトルを付ける際にまず知っておいていただきたいのが「タイトル」の重要性についてです。 『アトミック・シンキング』でも詳しく紹介していますが、Obsidianなどのリンク型ノートを上手く使う際にもっとも重要で、時間をかける価値があることはノートのタイトルを工夫し続けることです。 なんなら、ノートにきちんとわかりやすいタイトルが付けられていれば、ノート本文にはなにも書かれていなくてもいいとすら言えます。 ### 「わかりやすいタイトル」とは では「わかりやすいタイトル」とはなにか。 一言でまとめると「それだけを読んできちんと意味が分かるもの」です。 『アトミック・シンキング』でも書いていることですが、現在我々が日常生活で目にするタイトルは「注意を引く」ことを目的にしており、ほとんどが「わかりやすいタイトルではない」ことに注意しなければいけません。 たとえばObsidianなどのノートの使い方についたウェブページを探すと「Obsidianを上手く使うための7つのコツ」だとか「デイリーノートを書く際に心がけるたった一つの重要なこと」みたいなタイトルを目にするかもしれません。端的に言ってこれは(ものすごく)よくないタイトルです。 『アトミック・シンキング』におけるよいタイトルは、これとは真逆の方向性のものになります。 たとえばこんな感じです。 「Obsidianに慣れるまではデイリーノートしか使わない」 「デイリーノートには毎日食べたものを記録する」 このタイトルにもまだまだ改善の余地はありそうですが、ひとまずこのタイトルであれば、大抵の人が想像するノートの中身は、概ね同じようなものになるはずです。 ### タイトルを考えること自体が思考になる じゃあたとえば、さっき出てきた「7つのコツ」みたい場合は、どんなタイトルを付ければいいのか? この場合、やり方は2つ考えられます。 1つは「7つのコツ」などと書かず、すべてのコツをきちんとタイトルにすべて含めること。 ただ、7つもある場合は、タイトルで数百文字の文章になってしまいそうです。そういう場合は、1つ1つのコツをそれぞれ別のノートにわけて、合計で7個のノートを作り、7個のコツをすべてをタイトルとして整理することです。 元々1つのノートを作るだけで済んでいたものが、わざわざ7個のノートを作ることになってしまったわけです。 そう。要するにアトミック・シンキングの「よいタイトル作り」というのは、これをご覧いただけるとわかるように、一見すると「ものすごくめんどくさいこと」なのです。 しかし同時に、この「めんどくさいこと」は、かなり頭を使わなければできないことでもあります。つまり、一見めんどくさく見えるタイトルを考える、という行為は、それ自体が直接そのまま「考えること」にシームレスに連結しているのです。 さらに、これはのちほど改めて詳しく話しますが、デジタルノートを長く快適に使っていくためにも、ノートに「わかりやすいタイトルを付けておく」ことこそがノート整理において一番重要なことでもあるのです。 ### 正解はなく、試行錯誤がすべて タイトルの重要性についてはこの後も何度も触れる予定ですので、今回はこのくらいにしておきましょう。 おそらく皆さんが気になるのは、発見に対して実際にどんなタイトルを付けたらいいのか、という指針のようなものではないかと思います。 これ、実は非常に難しい問題です。ある発見に対して、どんなタイトルを付けるのが適切なのかというのは、実は「人によって答えが違う」のです。 どこまで前提知識を持っているかによって、発見についての書き方は変化するし、その人の興味や趣味趣向、どういうことをこれから考えていきたいのか、によっても観点は変わります。 つまり、結論だけを言うと「最初はノーヒントでタイトルを自分で考えてみる」ことが、遠回りに見えながらも一番の近道の方法なのです。 いきなり「型」という目標を持ってしまうと、その「型」に対してどんどん最適化が進み、誰もが「ごりゅごと同じことしかやらない」ことになりかねません。 それは結局「その人の個性」を無視することになり「自分自身の考えを深めていく」という目標と矛盾することにもなってしまいます。 「型」を身に付けるのはもちろん重要なんですが、型を知る前に重要なのは「主体的に遊んでみる」ことです。 現在身に付けるべき「型」は「それだけを読んで分かるタイトルにする」というあまりきっちりしていないもの、という言い方もできるでしょう。 もちろん、ある程度の期間「自由に遊ぶ」ことを繰り返してからは、もう少し「型」にハマったものを身に付けた方が役立つことは多々あります。 とは言え、なにごとも焦りは禁物。 まずはデイリーノートを振り返り、発見にタイトルをつけることを楽しんでください。 Discordに発見を投稿していただければ、少しずつ「あなたに最適な型のヒント」を提案していくこともできます。