## デイリーノートしか使わない運用の振り返り Obsidianという「なんでもできるツール」で「デイリーノートしか使わない」という方法を実践されて、どうだったでしょうか? まじめに丁寧に毎日デイリーノートだけを使い続けていただけた方もいらっしゃるでしょうし、くっっそ不便だからもう新しいノートを作った、という方もいるでしょう。そもそもここまでのページは読んだだけで、実践なんてしていない、って人もいるでしょう。 各人それぞれ自分に合ったやり方があるので、それを実践していただくのが一番よい方法です。 しかし、もし今でもノートの使い方で迷っていたり、困っていたりする場合は、今からでもまだ遅くありません。ここまでの内容を再び振り返り、1ヶ月「デイリーノートしか使わない」ことを試してみてください。遠回りに見えても、その方が近道になる可能性は高いです。 ## 実践から原則へ:ノート整理の基本 ここまでは主に「練習方法・実践方法」について触れてきましたが、ここからしばらくは「実践方法」というより「ハウツー」と「心構え」が主体となる話を進めていきます。 具体的には「デイリーノート以外のノートを作るにあたって覚えておきたいこと」についての説明です。 ## デジタルノートは無限に増える [[Obsidianを使い始める際に重要なルール]]でも簡単に触れていますが、Obsidianでは「タグもフォルダも使わないこと」を推奨しています。 なぜそうするのか。 簡単に言うと、デジタルのノートはアナログのノートと違い無限に近いレベルでノートを増やすことが「できてしまう」からです。 そう。この「できてしまう」というのが厄介で、本人が好むか好まざるかには関係なく、特に意識をせずにObsidianを使っていると、ノートは際限なく無限に増え続けてしまいます。 紙のノートは、物理的な制約によって、1つのノートで多くても数百ページくらいしか残せません。 しかし、デジタルノートでは「何万ノート」というノートを作ることが簡単にできてしまうのです。 さらに、現代のコンピューターはその程度の分量のノートであれば、処理にもたついたりもすることなく、当たり前のように保管ができてしまいます。 現実の世界で「2万ページのノート」があるとしたら、それがどのようなものになるか想像してみてください。 「2万ページのノート」の代わりに「2万枚の書類」を想像してもいいかもしれません。 2万枚の書類というのは、ファイル一つに100枚ずつ書類をにまとめた場合、全部で200冊にもなってしまいます。 少なくともこれは、机の上に置いておけるようなレベルの分量ではありません。 もちろん、企業なんかではその程度の書類が書庫に眠っていることは、今でも当たり前にあるかもしれませんが、それでもそうした書類を必要とするのはかなり特殊な場合だけでしょう。 おそらく多くの人は、日常的に200冊のファイルを使い分けて仕事をする、なんて経験はないはずです。 弁護士や税理士などの職業の方であればこの程度の資料を使いこなすことは日常的なことかもしれませんが、それでもそこには「長年蓄積されてきたノウハウ」が存在しているはずです。 対して、個人のデジタルノートにはまだまだこうしたノウハウは十分に蓄積されていません。 間違いなく言えるのは「フォルダ分け」はいつか破綻する、ということです。 弁護士や税理士の人たちが扱う書類は、ある程度型が定まっており、どこになにを収納するか、というルールは、ある程度固定化されています。 対して、個人の場合どういうノートを作るかは完全に自由です。 興味の赴くままにフォルダを作っていったら、必ず「作っただけで使わないフォルダ」であふれ「目的のフォルダを探すだけで一苦労する」という状態になります。 フォルダの数が増えすぎると、まず目的のフォルダを探すのが面倒になります。新しいノートを作るたびに、保存するフォルダを考えることでも悩むことになるでしょう。じゃあフォルダをできる限り少なくしてみよう、としてみると、今度は1つのフォルダに保管されるノートが膨大な量になり、フォルダは見つけられても、フォルダからノートを探すのに苦労する、ということになります。 さらにこうした問題が厄介なのは、フォルダやノートの量は少しずつ段階的に増えていき、少しずつ不便になりながらも、なんとかそのまま運用を続けられてしまうことにあります。 いきなり「200個のフォルダと、その中にある2万個のノート」を渡されたら「こんなの使えるわけがない」と思うでしょう。 しかし、少しずつノートが増えて行く場合には「多少不便だけど、使えなくはない」ままに使い続けることになり、いつのまにか「このツールは不便で使いにくい」ということになってしまうのです。 「20,000個もノートを作るわけがない」と思われるかもしれませんが、毎日1つデイリーノートを書いていれば、1日ごとに1ノートずつ確実に増えていきます。これを10年続けると、デイリーノートだけでノート数は4000近くに達します。 単純に、毎日デイリーノートを作りながら、1日1つ新しいノートを作ると、6~7年でノート数は5000。1日5個のノートを作ったら、5年でノート数は1万です。 結局、10年・20年と自分の思考や知識を積み重ねていこうと考えているのであれば、いつかは万単位のノートを扱うことが必要な段階に到達してしまうのです。 もちろん、リンク型のノートシステムであるObsidianは、リンクを使うことでこの問題に対してある程度の対策はできます。しかし、リンクと全文検索だけでノートを使い続けても、いつかは限界がやってきます。 (逆にいえば、「快適に使う」ことを求めないなら、全文検索や生成AIに頼るだけでもなんとかなる、という考え方もできます。生成AIをどう活用するかは今後の重要テーマですが、今回はそこには深入りせず「自分自身でノートを管理することが大切である」ことを前提にして話を進めます) では、リンクと全文検索以外に、何をすればいいのか。 その鍵となるのは「ノートのタイトル」です。これについては、次の[[ノートは探さないで「タイトル検索」をする]]で詳しく解説します。