## 「すべて」「完璧に」整理することは不可能であることを知る
デイリーノートにあらゆることを記録する。実は、これさえ出来ていればObsidianを使う上で重要なことの8割は達成できています。
Obsidianには「全文検索」の機能があるので、理論的にはテキストで情報を残していれば、どんな情報も検索を使えば必ず見つけ出すことが出来ます。
どんなものでもきちんと見つけられるとするならば、情報整理で重要なのはあとは「いかに素早く見つけ出せるか」だけに力を入れればいい、ということになります。
これさえできれば、Obsidianはどんどん快適で便利なものになっていく、というわけです。
とは言え、何もかもあらゆるすべてのことを「素早く見つけ出せる」ようにするためには、情報の整理だけで膨大な時間がかかってまいます。
すべてのノートを「すべて」「完璧に」整理しようとするならば、生きている限りずっと情報整理をし続けないといけない、なんてことにもなってしまいます。
となると、現実的にあらゆる情報を完璧に整理するのは不可能である、ということ。
情報整理のスタート地点では、まずこのことをきちんと理解しておくことが重要です。
## 「よく使う情報」を「95%くらいすぐ見つけられる」ことを目指す
ではその上で現実的な情報整理は、どのくらいのレベルを目指すのか。
私が考えている目標は「よく使うノート」を「95%くらいは」すぐに見つけられるようにする(10秒以内)というもの。
ただ、今度はここで悩ましいのは「よく使うノート」ということば。
いったい何をもって「よく使うのか」が曖昧です。
毎日必ず見るようなノートは、ほぼ間違いなく「よく使うノート」だと言っていいでしょう。毎週使うようなノートも「よく使うノート」だということに大半のひとが同意してくれるでしょう。
ただ、ここから先の段階では、人によってかなり意見が異なるものになってくるでしょう。
さらに難しいのは、ほとんどのノートはそれを作った瞬間には「よく使うかどうか」は曖昧なままなのです。
デジタルノートを長く使っている人ほど「これは役に立つかもしれない」と思って保存したノートだったが、結局1回か2回しか使わなかった。そんなことを何度も経験している方も多くいらっしゃるでしょう。
実は「よく使うノート」というものを定義するのはあまりリも難しいし、そのノートがよく使うノートになるのかどうかは、長い期間が経たない限りわからないのです。
なので、ノート整理の基準を変えてしまいます。
「よく使いそう」なんてイメージはアテにならないので「もう一回使ったノート」を(たぶん)「よく使うノート」だと考えるのです。
## もう一回使ったノートは「よく使う」可能性が高い
デイリーノートになんでもメモする習慣を身に付けると、ある日「あの時のメモが見たい」ということが起こります。
たとえばそれは、プログラミングについての調べものの断片化もしれないし、新しく作った料理のレシピかもしれません。なにか「欲しい」と思ったものができて、それについての情報をまとめたものかもしれまないし、本を読んで感銘を受けた文章をもう一回見たい、なんてことを思ったときかもしれません。
とにかくそうしたものを「もう一回使いたい」「もう一回見たい」と思ったとき。
1週間以内の出来事ならば、たいていデイリーノートを順番に探せば見つけられるだろうし、1ヶ月2ヶ月前のことならば、全文検索をして探すことになるかもしれません。
とにかくそうやって「もう一度みたい」と思うメモがでてきた時。このときこそが新しくノートを作る絶好のタイミングです。
(逆に言えば、あの時のメモが見たい、とならない限りはまだ新しいノートを作る段階ではない、ということです)
こうやって「もう一回みたい」と思ったメモは、今後もまた見たいと思う可能性はきわめて高い。そうした時に限って「新しいノートを作ってもいい」というルールにしておく。
これが「新しくノートを作るときの原則」です。
とにかく焦りは禁物です。「いつか使うかもしれないノート」なんて、次にいつ使うかなんてわかりません。だから「もう一回みたい」と思うノートが現われない限り、新しいノートなんて作る必要はありません。
とにかくなんでもデイリーノートにメモを残しておくことさえできていれば「十分」なのです。振り返りなんてしなくても大丈夫。だって、必要になったら全文検索をすればいいんです。無理してノートを整理しようなんて思わなくても委員です。
その中で特別扱いをしてもいいのが「もう一回みたい」と思ったメモ。「もう一回みたい」と思ったということは、その段階ですでに「もう1回使った」もの。
こうしたメモだけを「新しいノートにしてもいい」という扱いにする。
そして、その時はきちんと「タイトルで見つけられるように」工夫して、新しいノートを作ります。
## すべてのノートを瞬時に見つけ出すことはできなくていい
Obsidianやデジタルノートでの一番大きな失敗は「完璧」を目指そうとしてしまうことです。
もちろん、理論的には、デイリーノートに「すべてのこと」を書き残し、その「すべてのこと」を完璧にそれぞれの目的に沿ったノートとして分類し、新しいノートを作って、適切なタイトルを付けることができれば素晴らしいことです。
しかし、おそらくそれを完璧にこなせる人は「日常のすべての時間をノート整理に費やし続けることが出来る人」だけです。
人間が不完全な存在であり、脳内シナプスの発火が確率的な現象である限り、どんなに頑張っても、すべてのノートを完璧にすぐにとり出せるようにすることは不可能です。
となると我々に必要になってくるのは「現実的な時間を整理に使い」「よく使うノートだけはすぐに取り出せる状態にしておくこと」
重要なのはこのバランスどうするか。100%まったく整理しないのは、それはそれで不便だけれども、何もかもを完璧に整理することは不可能。だから「それなりに整理して」「たいていの大事なものならばすぐ見つけられる」ことを目指すべきなのです。
毎日何度も見るノートや、毎週しょっちゅう必要になる資料は、体感的に「1秒」で取り出せることが理想です。
しかし、3ヶ月前くらいの会議のメモ。この内容を見つけ出すのに、1分2分の時間がかかることはなんらおかしなことではありません。だいたい3ヶ月くらい前の時のメモだとわかっていれば、それは「カレンダー」からそのころのデイリーノートを探せば、現実的な時間で見つけ出せます。下手に検索なんてするよりも、こっちの方が早いことは多いです。
3ヶ月前のメモを見つけるのに数分の時間がかかるのであれば、3年4年前のメモをメモを見つける場合には5分10分の時間がかかることは当たり前。
そのくらいのことを受け入れてあげる。
3年も前のメモが今必要になることなんて、たまにしかないことです。
そういう「たまにしか起こらないこと」に完璧に備えておくことなんて必要ありません。
所詮3年使ってなかったメモなんです。むしろ、それを残せておけて、書いたはず、と思い出せたことだけでも十分に素晴らしい。
なんなら、そういうノートが見つからなかったとしても、それは「勉強」だったと思って諦めればいいんです。
3年前のノートを作ったのは、3年前の自分なんだから、今よりもノートの整理が下手なのは当然。
だから、そういうことが起こったら、その反省を活かして「前より上手にノートを作る」ことを心がける。
それで十分です。
とにかく基準は「もう一回みたいと思ったかどうか」
そしてその時に限っては少し手間と時間をかけて、頭を使って丁寧に新しいノートを作る。それ以上はノートの整理は必要ない。
まずはそうやって割り切ること。
これこそが「ノート整理地獄」「ゴミノート地獄」にハマらないために重要な心がけです。
当面はこの原則に従っていれば、無駄なノートを作る可能性は「ゼロ」です。あなたのObsidianには、あなた自身によって「再利用価値がある」とお墨付きを与えられたノートだけが並ぶことになるのです。
## 「整理できていない感」を受け入れるネガティブケイパビリティ
この原則に従うと、どうしても1回目に必要なノートを見つけ出すときには苦労が大きくなります。
また、すべてのデイリーノートが「書きっぱなし」になっているので、どうしても「整理されていない」という不安感を味わいやすくなります。
デジタル時代の情報整理で重要なのは、この「完璧には整理できていない状態」をいかに受け入れられるか、です。こうした「整理されていない」という状態に対するネガティブケイパビリティを高めていくということもまた「ノート整理における重要な考え方」のひとつなのです。
どんなに頑張って整理をしても、必要なメモが見つけられない可能性をゼロにすることは出来ません。
しかし、よく使うノートの95%くらいならば、3秒で見つけられる。これだけでも「ものすごいこと」です。現実的には、よく使うノートの7〜8割が10秒で見つけられれば、もう十分に快適な、整理された環境が作られている、と考えていいでしょう。
## よく使うノートは「タイトルで探す」
では、現実的に「よく使うノートの7〜8割が10秒で見つけられる」ようにするにはどうすればいいか。
それは、ここまでに何度か出てきた「タイトル」をキーにすることです。
ノートは、長く使えば使うほど、どんどん増えていきます。
これをフォルダに分けても、フォルダの中に保存するノートがどんどん増えていき、いつか「フォルダをさらに分割しないと不便」な状態になってきます。(あとでこれを「わける」のは大変手間がかかります。その観点だけでもフォルダで分類し、フォルダから目視でノートを探す、という方法はオススメできません)
そして、いつかフォルダの数は限界を突破し、今度は「目的のフォルダを見つける」ことに苦労したり「どのフォルダに入れたかわからない」状態になってきます。
なによりも、この方法では「よく使うノートの7〜8割が10秒で見つける」ことがほぼ不可能であることは、多くの人に同意していただけるでしょう。
「よく使うノートのフォルダ」を作ればいいんじゃない?という意見がありますが、そうすると今度は「よく使うノートのフォルダ」をメンテナンスする手間が発生してきてしまいます。
結局、これを解決するには、Obsidianの「クイックスイッチャー」を使って、タイトルでノートを探す。
そして、見つけられなかった場合は全文検索などでどうにかノートを見つけ出し、次からはきちんと見つけられるように「適切なタイトルを付け直す」ことを徹底する。
こうすれば「使うときだけ改善」「使ったものだけを改善」することが自然にできます。
あまり使わないノートは見つけやすくないかもしれませんが、それは「よく使うノート」ではないので、見つけるのに時間がかかっても仕方ない。そう考えましょう。
とにかく、フォルダを延々とクリックして探し物をする不毛な時間からは卒業しましょう。
その代わりに「タイトル」を使うのです。未来の自分が「あの情報、なんだっけな」と思った時に、自然に思い浮かぶであろう言葉を、ノートのタイトルにする。
もちろんこれは、一朝一夕で簡単にできるものではないし、完璧なタイトルなんてモノも存在しません。
しかし、1回1回丁寧にタイトルを付け、そのタイトルで探すことを丁寧に実行していれば、タイトルを付ける能力と、タイトルで検索する能力は必ず上達します。
効果的なタイトルの付け方については、非常に奥が深いテーマですので、今後も何度か紹介する予定です。現時点で覚えておいていただきたいのは、「ノートはフォルダで探すものではなく、タイトルで検索するものだ」ということ。これを「当たり前」にできるように「練習をすること」です。
この方法こそが「物理の世界」とは異なる「デジタル情報の整理の、現時点での最適解」だと私は確信しています。
## デイリーノートから新しい作る具体的な方法
では具体的に、どうやって新しいノートを作り、どうやって見つけるのか。
それに関しては、以下2つのノートをご覧ください。
ノートの作り方は、[[Note Refactorでノートを分割する方法]]、そしてノートの見つけ方は[[クイックスイッチャーの使い方]]で紹介しています。
また、新しいノートを作るようになってからは、[[ノートリンクを作る3つの方法]]も覚えておくと役立ちます。