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2015年の7月22日で、たすくまという「仕事効率化系」アプリを使い続けて1年が経過しました。
[[[[たすくまの使い方を見てたらタスクシュートの考え方がすごくしっくり来たのでちょっと使ってみることにした]]
自分が実践した方法が「正しい」のかどうかはさておき、タスク管理ツールみたいなものを1年間使い続けることができたのは人生で初めての体験でした。
1年使っていろいろ今現在思ってることをまとめてみたいと思います。
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**[Taskuma -- TaskChute for iPhone -- 記録からはじめるタスク管理](https://itunes.apple.com/jp/app/taskuma-taskchute-for-iphone/id896335635?mt=8&uo=4&at=11l5XR)**
価格: ¥3,600
バージョン: 1.1.2
## タスクシュートとは
とりあえず「タスクシュート」という仕組みの基本ルールを簡単にまとめるとこんな感じです。
* まずは毎日やることを全部記録
* 繰り返しやるなら「見積もり時間設定」をしてリピート登録
* リピートを使いまわしつつそれ以外のことも全部記録
* 繰り返すと、いつもやることでどのくらい時間が必要なのかわかる
* この記録を元に改善を行っていきましょう
そして、この「たすくま」というアプリは、今のところ唯一の「スマートフォンで」タスクシュートを実践できるツールです。
正直まぁ人によってはもう「ありえないでしょ」というレベルでめんどくさい行為だと思います。
私の場合、なんていうか「記録という行為」が元々好きなので続けられていますが、でもまぁめんどくさいです。
でも、なんだかんだめんどくさいと思いつつも私にはそれを上回るメリットがあるわけで、今やもう完全にiPhoneで一番使っている時間が長いアプリになっています。
## メリット
メリットは細かく説明すればいろいろあるんですが、今これだな、と思うのは大きく3つ。
* 今日中にできることが「現実的な数字として」きちんと把握できる
* 「次にすることを思い出す」というエネルギーの消費が減る
* 「働いてない感」を味わいにくくなった
### 実行できることを現実的に把握できる
このタスクシュートによる「分単位の記録」で得られる最大のメリットは、何よりも「現実を把握できること」だと思ってます。
俺の脳内での時間予測と異なり、記録を元にした時間の予測というのは面白いほどに「正確」です。
今日の今の段階で、自分がやろうと思っているのはどれくらいあるのか。 これを全て実践した場合には、一体何時に寝ることが可能なのか。
もちろん全て見積もり通りの時間に終わるわけではありませんが、自分の脳内見積もりに比べれば、2000倍くらいは信頼度が高いです。
また同時に、1年記録をつけ続けていますが「理想通りに」見積もり通りの1日を送れたこともありません。
未だに100%の確率で他のことに気を取られたり、予定外のことで時間を取られて、何か「やること」を削っています。
今日はもうブログを書く以外は諦めて寝ると思う(すでに多くのことを削った状態) ![[8208e288c4d2eed3901ae5d917d0ddb7_MD5.jpg|"写真-2015-07-22-22-37-20.jpg"]]
でも、この「俺の脳内より2000倍くらいは正確な見積もり」のおかげで、何を諦めればいいのかをかなり客観的に、現実的に判断をすることができる。
この「現実的な選択」をできるだけ早めに、正確に、主体的に選び続けることが可能である、というのがタスクシュートを使う最大のメリットだと思ってます。
また、これは感覚的なものではありますが、少なくとも1年前よりは「やるべきこと」「やりたいこと」をこなせるようにはなっている気がしています。
ただこれはまぁ、1年間の記録を元にして、少しずつ理想の俺ではない「現実の俺」が把握できるようになってきて「何もかもこなすのは無理」ってことがわかった、ってだけなのかもしれません。
### 思い出すのは結構大変
2つ目のメリットが「思い出さなくていいこと」
朝起きてトイレに行ってご飯食べて歯を磨いて着替えて、、、とかの朝ルーチンならば、それなりに慣れているおかげで「思い出す苦労」は少ないですが、お仕事なんかになると「今日何やるのか」ってのをまとめるだけでも結構エネルギーを使います。
これらを、頭の中だけで毎回全部思い出すのと、目に見える形になっている状態とではエネルギーの消費量は段違い。
「目に見える形」ってのは紙でもデジタルでもなんでもいんだけど、デジタルは「繰り返しの手間が少ない」ってのが大きなメリット。
毎日やってることは毎日「今日の予定」として思い出させてくれるし、毎週金曜日にやってることは「毎週金曜日だけ」予定に組み込んでくれる。
これらの繰り返しは、なんだかんだ手動で定期的にメンテナンスする必要があります。(リピートタスク修正、という行為自体も自分のリピートタスクに組み込んでいる)
とはいえ、数日間記録を残し、それぞれに「毎日」「毎週」程度の設定をしてやれば、無理なく少しずつ「現実的なやることリスト」ができていきます。
記録を元に少しずつ「今日やること」が洗練されていくのは非常に楽しいです。
そして、洗練されればされるほど「思い出さなくていい」のがこれまた楽しいです。
多分、この辺のメンテナンスを楽しめるかどうか、ってのが「合う」「合わない」の違いのような気もしております。
### やれてない感を味わいにくくなる
そしてもう1つ、メリットていう日本語にするとちょっと変な感じがするんですが、この「タスクシュート」を1年続けてきたことによって「何もしてない感」みたいなものがすごく減りました。
昔は、朝(ていうか昼)に起きて、ダラダラとネット巡回したりブログを書いたりしつつ、なんだかお腹が空いてきて、ご飯を食べて休憩したと思ったらすでに深夜3時になっていた、なんていう日が(体感で)週に2〜3回くらいありました。
一応こんな私でも、これが数日続くとなんだか謎の「罪悪感」みたいなものを感じたりはしておりました。
これが、きちんと記録をつけていることによって、少なくとも「何もしてないのに気がついたら夜中」という事象が起こることはほぼゼロになりました。
もちろん、現実の記録を見ると、ちゃんと働けてる時間ってやっぱり驚くほど少ないんですが、今はこの謎の罪悪感を感じることはほとんどありません。
この、謎の「なんだか何もしてない感じ」って、多分きっと「わからない」からなんじゃないかな、と最近思うようになりました。
何をしてたら時間が過ぎてたのかわからないから、なんだか不安になって、何もしてなかったような気分になってしまう。
これは「記録」をできる限り正確に残すことによりほとんど解決できる問題で、記録によってほとんど実際に解決することができました。
実際に集中してお仕事できてる時間がとてつもなく少なすぎる、という問題は今もあるんですが、そこは現実と折り合いをつけて、今から少しずつなんか対策を考えていければいいかな、と思ってます。
## デメリット
ただ、この「記録をつけるという行為」は、やっぱりなんだかんだめんどくさいです。
記録をつけること自体は好きなんですが、それでもめんどくさいと感じる場合も多いし、記録に消費する時間だってゼロではありません。
ある程度慣れてきて、それなりに自分なりに手間を省くコツ、みたいなのは掴めてきましたが、やっぱりなんだかんだ手間はかかります。
もちろんそれは私にとって「メリットが上回るから」続けていることなんですが、人によってはどこまでいっても「無駄な手間をかけてるだけ」のものだと思います。
## 興味があることは面倒じゃない
でもまぁ、私自身そもそも記録をつけるという行為自体は好きだし楽しいし、行動ログはそれ自体が「日記をつける」という行為でもあるわけで、毎日欠かさず日記つけてるだけだ、と言えばまぁそれなりに理解されるのかな、って気もしたりもしています。
どうやら私の場合、基本的に「興味深いこと」は細かいデータを残したいみたいで、これに関しては全然記録が苦になっておりません。
晩ご飯を作るのに何分かかるのかは興味深くて、ほぼ毎日きちんと記録を取れてます。(最近平均時間が短縮できてきて楽しい)
でも逆に「朝の歯磨きに必要な時間」ってのは全然興味ないみたいで、これは「朝の準備」というレベルでの記録としてしか残さないようになりました。
見積もりのブレ幅は大雑把なほど大きくなりますが、そこは手間との兼ね合い。
この辺の手間とメリットをどうやってバランスをとるのか、ってのはこれからいろいろ考えていきたいところです。
## まとめ:目的は時間を「把握」したいから
ちなみに、この手の話をすると毎回ほぼ100%言われるんですが、別に「やらないといけないこと」のリストではないし、リスト通りの行動をしているわけでもありません。
私自身も実際この話を聞くと「行動を制限されるもの」だと思ってたんですが、割と真逆のものでした。
「やらないといけないことリスト」ではなくて(現実的な話としての)「今現在やりたいと思っていることリスト」
現実は妄想通りに運ぶはずがなく、リストは常に変化します。やりたいと思ってたことがやりたくなくなったり、現実的に不可能になったりする場合にも、その変化に「現実的に対応できる」ことこそが「タスクシュート」の便利なところ。
言ってみれば、きちんとやるべきことは「記録」だけ。
あとは「俺がやりたいことを全部する」のに無駄なエネルギーを使わないツールで、「やりたいことがどれだけできるのか把握する」ツール。
多分この「把握」というのが自分の中で大きなウェイトを占めている行動原理じゃないかな、と思います。
未だに[[自分の持ち物をひたすらEvernoteに突っ込んでみたら想像以上にスッキリした|自分の持ち物全部をEvernoteに保存してる]]のとかも、身の回りを「把握」したいからなんですよねぇ。