フルオートでしか洗濯できない人の 男の家事

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生活全般

フルオートでしか洗濯できない人の 男の家事

家事を家事として評価されるためには、前後の流れを意識できなければダメ。では、そのために一体どういう方法を取ればいいのか。原始的ながらも効果的な方法が「観察」です。

最終更新日:2016年7月7日
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家事と仕事の共通点

「ゴミ出しをやっておいて」と言われたら「ゴミ袋をごみ捨て場まで持っていく」。これだけでは嫁に一切「家事」として評価されない。家事と評価されるためには、前後の流れを意識できなければダメ。

私はいまさらそんなことに気がついたわけなんですが、これって「仕事」とまったく同じじゃないかって思うんです。

最初の一歩は観察から―家事観察リスト

仕事でも、新人のころは仕事の全体像を把握できなくて、目の前の、言われたことをこなすのが精一杯です。

だから新人さんに「コピーを取っておいて」なんて指示を出すと、必要な部数、閉じ方、配布先など、先周りして確認すべきことはたくさんあるのに、文字通り「コピーを取る」ことしかできません。

それが、ある程度仕事をこなせるようになると、少し余裕が出てきて、周りが見えるようになる。

そうなって、はじめて全体のことに気を配れるようになるわけです。

これって、家事もまったく同じです。

ゴミ出しという仕事の全体像が見えない家事の新人だから、ゴミ出しを頼まれても、各部屋のゴミ箱を確認しようとか、ビニール袋がなくなるなとかいったことにまで考えが及ばないのです。

家事も見て盗む

「家事も仕事と同じ」ということは、たぶんきっと仕事と同じような手法を使うことで、家事の新人であっても、家事の全体像を把握することができるんじゃないかって考えたくなります。

で、とりあえず試してみたのが、妻が家事をする様子を「見て盗む」こと。

新人教育がバッチリ完璧な巨大企業でもなければ、どこの会社もすべての仕事に体系だったマニュアルなんてあるわけがなく、基本的に教えられたこと以上のことは先輩がやってることを「見て盗む」しかないはずです。

ならば、家庭でも同じように、妻がやってることを見て盗んでやろうじゃないかというわけです。

洗濯を見て盗む

「じゃあ、家事のうち具体的に何から見て盗もうか?」と考えて、とりあえず選んだのが洗濯。

私の場合、料理や掃除はあまり妻に文句を言われることなくできるようになりましたが、洗濯だけはどうしようもなく苦手で、嫌いで、ほとんど妻に任せっぱなしです。

なので、妻がおこなう「洗濯」というやつをじっくりと観察しまくって、私のやっている洗濯と、何がどう違うのか研究してみることにしました。

私が観察を始める前に用意した観察リストは以下のようなものです。

観察リスト初期版

  • 洗濯物を洗濯機に入れる
  • 洗剤を入れる
  • 洗濯機を回す
  • 干す

この観察リストを基にして、妻の洗濯をじっくりと観察したところ、そもそも「洗濯の前段階」でも、私がまったくやらないような仕事をたくさんしていることに気付きました。

また、結婚前には「洗濯洗剤」しかなかった五藤家に、いつの間にか「柔軟剤」だとか「漂白剤」という、私からするとどういう用途で、どういうタイミングで使えばいいのかわからない「薬剤」も多数使い分けていることがわかりました。

これらを反映したのが次のリストです。色文字が追加した項目です。

進化した観察リスト

  • 色ものをわける
  • 汚れがひどいものをわけて漂白剤につけおきしたり手洗いしたりする
  • 洗濯物を洗濯機に入れる
  • 柔軟剤を入れる
  • 洗剤を入れる
  • 洗濯機を回す
  • 干す

一度の観察では、すべてを記録しきれなかったので、日を改めて、さらに詳しく観察を進めました。

衣類によっては「洗濯ネット」に入れてから洗ったり、風呂の残り湯をホースで引いてきて、洗濯に再利用していたりすることも分かりました。

洗濯ネットは、最初、何のために使っているのかわからなかったんですが、妻に聞いた結果、「洗濯時に絡まりやすい洗濯物を洗濯ネットに入れることで、絡まって服が伸びてしまうのを防ぐ」という効果があることがわかりました。

また、ただ単純に水道代をケチっているだけだと思っていた風呂の残り湯の再利用についても、残り湯に「水道水よりも高い水温だと汚れが落ちやすい」という節約以外の効果があることもわかりました。

こうした追加の観察結果を反映したのが次のリストです。

さらに進化させた観察リスト

●前提

  • 洗濯道具の収納場所がわかる
  • 洗濯機を使いこなせる
  • いつもの時間に洗濯できる
  • 洗濯機で洗える洗濯物がわかる
  • 衣類以外に毎回洗ってるものがわかる
  • 定期的に洗っているものがわかる

●やること

  • ポケットの中を確認する
  • 色ものをわける
  • 汚れがひどいものをわけて漂白剤につけおきしたり手洗いしたりする
  • 洗濯ネットに入れる
  • 風呂の残り湯を使う
  • かさばるものから順に洗濯物を洗濯機に入れる
  • 洗濯機の設定を変える
  • 柔軟剤を入れる
  • 洗剤を入れる
  • 洗濯機を回す
  • 洗濯が終わったらすぐフタを開ける
  • 洗濯ネットから取り出す
  • シワを伸ばす
  • 衣類を表に返す
  • 衣類の向きを揃えて洗濯カゴに入れる
  • 給水ホースを片づける
  • 干す

こういう感じで、様々な発見や、妻の「こだわり」を盛り込んでできあがったのが、本書冒頭の「洗濯観察リスト」です。

正直、作るのは、すごく大変でした。

でも、これだけ「チェックすべき点」と「その仕事をしなければならない理由」がわかれば、かなり「洗濯という仕事」の全体像を把握しやすくなるのではないかと思います。

会社に入りたての新人さんが「上司や先輩の仕事を見て盗め」なんて言われても、いきなりできるはずがないでしょう。

それに、家事に対して、「見て盗む」なんていう職人さんのような価値観をあてはめて、わざわざ苦労する必要なんて私はないと思います。

皆さんが、そういう苦労をしなくても済むように、私が苦労して妻から「盗んだ」いろいろな家事の観察リストをできるだけ汎用化して本書で共有したいと思います(本書202ページからはじまる「家事観察チェックリスト」をご覧ください)。

この観察チェックリストで「見るべきポイント」を押さえ、それをもとにして「妻の家事を盗む」のです。

すべての家庭における、あらゆる観察ポイントを網羅できているとは思いませんが、ポイントの7割くらいはカバーできているんじゃないかと思います。

こういう基本さえあれば、盗む労力は半分以下どころか分の1くらいに減らせるはずです。

リストができあがったら、みなさんの家庭流のマニュアルを作って一度挑戦してみてください。

妻を「まぁまぁできるじゃん」と驚かせることができ、きっと妻も喜んで褒めてくれるのではないかと思います。

っていう感じの本です

「理系の料理」に続いて、今度のテーマは「家事」です。

この部分は、家事をいかに「見える化」して、誰でもできるようにしていくのか、って部分。

あほくさすぎるレベルまで書き出すことが、すごく重要なんだ、って感じの話です。

(今回も)編集者の人からは、ある程度(読みたくなる範囲で)文章公開してもいいよー、って言われているので、発売までに2〜3節分、本の内容をご紹介したいと思います。