理系の料理 第1章 調理時間や調味料の分量はデータ化してPDCAを回す

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理系の料理 第1章 調理時間や調味料の分量はデータ化してPDCAを回す

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最終更新日:2015年9月15日

理系の料理第5章 1節目 調理時間や調味料の分量はデータ化してPDCAを回す、の部分の全文テキストを公開します。

はじめに」と合わせて、書籍はだいたい全体的にこんな感じのものなんだな、ってイメージをつかんでいただけるんではないかと思います。

調理時間や調味料の分量はデータ化してPDCAを回す

「理系的」に料理を覚えていく上で、最も重要なのが「データ」です。
理系脳な人が簡単かつ合理的に、なおかつ一番スムーズに料理が上達するための最大のポイントは「記憶」ではなく「記録」に頼った料理をすることです。

以下のPDCAサイクルを回していくことで、少しずつ自分に最適化された料理を作れるようになっていきます。

P レシピ(お手本)に書かれている分量を調査
D レシピに書かれている分量できちんと計測
C 分量をきちんと記録し、その時の味の感想も記録しておく
A 記録を次回以降に活かす

大事なのは、作るときに量っておしまいではなく、その記録を次に活かすということ。そのためには、使用した調味料の分量、ゆで時間などの定量的なデータに加えて、固い、柔らかい、薄味やしょっぱいなどの定性的なデータも同時に残しておくことが重要です。

定性的なデータの中には、自分自身の主観的なデータが加わっていても問題ありません。それ以外にも直感的なデータとして写真を残しておく、というのも有効な記録方法だと言えます。

理想のゆで卵のためのPDCA

この「データの有効性」を示す最適なサンプルとして「ゆで卵の作り方」が挙げられます。いま現在の「我が家での」最高のゆで卵の調理方法は、このような3ステップでの作成がもっとも好みのゆで加減で作れる、ということがわかってきました。

①鍋に入る限りの分量のお湯を沸騰させる(火力最大)。
②冷蔵庫から取り出した直後の温度の卵を入れ、8分間茹でる。
③鍋から取り出した卵をたっぷりの流水で冷やす。

参考図
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8分という時間は「私の好み」です。「ゆで卵の作り方」に書かれているようなゆで時間で一度ゆで卵を作ってみて、柔らかすぎたら1分増やす。固すぎたら1分減らすという実験を2~3回試行するだけで「理想のゆで時間」は必ず見つかります。

また「ゆで始めの卵の温度」もゆで時間と同じくらい重要です。以前研究した理想のゆで卵の作り方は、一度常温に戻してからお湯で茹でるなどというメンドクサイ環境で調査をしてしまったのが失敗なんですが、きちんと毎回「同じ環境」でゆで時間だけを変えてデータを取ることが重要です。

データの多さは再現性の高さにつながる

厳密なことを言えば、卵のサイズによっても微妙にゆで時間を調整する必要もあるし、卵1個をゆでるのと5個同時にゆでる場合とで、環境は変わります。もっと言えば部屋の室温だって違うので、100%同じ状況というのは現実的には不可能です。

それでも、客観的なデータの量が多ければ多いほど料理の再現性が高くなるからこそ、可能な限りのデータをきちんと記録しておくべきなのです。

また、現実的な話をすれば「卵の大きさ」の違い程度は、家庭料理の世界では「誤差」の範囲で収まるレベルのものです。一流のプロの世界ではまた違うのかもしれませんが、少なくとも個人が家庭で作るレベルにおいてはさすがに「室温」なんてものは気にしなくても良いですし、卵の大きさを厳密に量る必要もないと思います。

こういう感じで、無理のない範囲で様々な計測や計量をきちんと行い、それをきちんと記録しておく。

ゆで卵が2~3回の調整で「理想」が見つけられるように、大抵の料理は2~3回作ればほぼ完璧に「自分好みの味」を見つけ出すことができるはずです。

まとめ

  1. 料理上達の基本はPDCA
  2. 定量的なデータや定性的なデータ(主観含む)を記録し、次回に生かす
  3. 多くの料理は2~3回のPDCAでほぼ理想の状態を見つけることができる

参考:卵の大きさS・M・Lは重さで決まる

サイズ 色分け 重量
LL 赤色 70g以上76g未満
L 橙色 64g以上70g未満
M 緑色 58g以上64g未満
MS 青色 52g以上58g未満
S 紫色 46g以上52g未満
SS 茶色 40g以上46g未満
※農林水産省『鶏卵規格取引要綱 別紙』
(平成12年12月1日)より

「卵のサイズを変えても黄身のサイズは同じ」という話を耳にすることもあるが、それは間違い。日本卵業協会によれば「殻付鶏卵の卵殻は約10%、卵白部は60%、卵黄部は30%くらいです。」という。

「はじめに」はこちらから
4年前のすごいメシマズな写真が出てきたのでちょっとご紹介します

編集者へのインタビュー
オレが書いた料理の本の魅力を編集者に語ってもらった

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