Kindle Unlimitedで始める哲学入門

Kindle Unlimitedで始める哲学入門

ブックカタリストをはじめて一番の大きな変化は「哲学」というものに興味が出てきたことでした。

1年前は、正直何もかも全然わからん、というレベルだったんですが、色々な入門書を読んで、おぼろげながら「哲学」という分野の全体像がつかめてきたような気がします。

その際に、Kindle Unlimitedで読める本がわりと役に立ったりしたので、今回はKindle Unlimitedで読める自分がよいと思った哲学入門書をまとめてみたいと思います。

ここで紹介している本の一部は、本格派の人にはあまりにも軽すぎる本もあったりしますが、個人的には哲学というやつは「簡単すぎてアホくさい」「説明が大ざっぱすぎるくらい短い」というレベルのものから読んでいくのが入門のコツだと感じます。(挫折せず読み切れることが重要)

なのでここで並んでいるのはオススメ順ではなく「オススメの読む順番」でまとめています。

なお、一部のKindle Unlimited本は、アンリミ対象に「出たり入ったり」ということがあります。(NHK出版新書はよくそれがある印象)半年くらい観測したレベルで、大抵2〜3ヶ月で再び「入れ替わることがある」というイメージがあるので、そのくらい待つか、そもそもそういうのは「縁がなかった」と考えとくくらいがちょうどいいかと思います。

マンガでイメージを掴む

「我思う、ゆえに我在り」という言葉を残した人物デカルトの生涯と、その著作『方法序説』の内容をマンガでまとめたもの。このマンガシリーズはけっこう当たり外れある印象なんだけど、この本は非常に丁寧に当時の時代背景、方法序説がどういう思いで書かれたのかなどまでわかって、大変素晴らしい。
学研マンガのノリで書かれているので、あのフォーマットに慣れている人だとさらに入門しやすい。
哲学の本ってこういうのがあるのか、というイメージが掴める。

最初に読みたいよみもの

哲学者が書いた本4冊を「著者と共に順に読んでいく」というイメージの本。
NHK出版 学びのきほんシリーズを読んだことがあるならば「あの感じ」の話というのが通じるかも。
このシリーズは、短くて読みやすく、ほかの本も大変に質が高い。哲学史ではなく「哲学とはなんなのか」を書籍の紹介を通して学ぶ、というイメージ。


ものすごく丁寧に「考える」ことを教えてくれる本。哲学の前提知識ゼロで読める。最初に読む1冊として、読み物っぽいものが読みたいならばこれも大変よい。

ここまでで「哲学」っていう概念のイメージが掴めたら、次は哲学界全体の大きな流れとか、よく名前を聞く有名な人物なんかのイメージが掴めるようにする。「あーなんか聞いたことある」っていう名前、用語が増えると次に繋げやすい。

大きなイメージをざっと掴む

図解によって「なんとなく」の雰囲気はつかめる。自分が一番最初に「なんとなくわかった」気になれた、全体像が見えるきっかけになった本。一つ一つの事柄は本当に超簡単な説明しかないが、一番最初に哲学の大きな流れや全体のイメージを掴むにはこのくらいの方が挫折しない。テキストよりも図解重視で、素早く全体像がつかめる。


↓こっちの本は、時代別の有名な哲学者と、彼らが考えたことを短く(3〜4ページ)まとめたもの。多くの哲学者の主張を見ながら、人物ベースでの哲学界の流れを把握するための一冊目としてよい。

名前だけでも「聞いたことある」になると、その後にどこかで出てきてもとっつきやすさが違う。また、そうやって他の本で哲学者の名前が言及された際に、辞書的に使うのもよいかもしれない。

ライトでイラストもかわいいんだけど、通読はちょっと新しいことが出てくるペースが早すぎてつらいので、他の本と同時進行で少しずつ読んでいくのがよいかも。

過剰なハイライトなど、装飾が多すぎるのはちょっとマイナス。


センター試験に出た問題をフックにして、哲学全体を学ぶ、というコンセプトの本。センター試験の問題は、適当に用語を暗記しても点が取れないすごくよく練り込まれた問題で、普通に間違えまくる。

入門から初心者へ

Kindle Unlimitedの哲学入門として一番参考になった本がこれ。ただ、当時の自分を振り返ると一冊目として読むには難しい。先に上の本を読んでなんとなく哲学用語に馴染んでおくと、いろんなことが理解しやすい。
古代からから現代までの大きな哲学の流れを「人物ベースでない形」で「教養レベル」で理解できる。

哲学は「言語」で書かれているから、日本語が読める人間は「読めばわかる」と思ってしまう(実際は、専門用語がわからないと理解が難しい)、という言葉が身にしみた。

光文社古典新訳文庫シリーズ

ある程度「入門」が読めたら、そこからは実際の哲学者の本(古典)を読んでいくのがオススメ。光文社古典新訳文庫シリーズは、かなりの量の哲学系の古典がKindle Unlimitedで読める。

まず最初に読むなら一番取っつきやすい古典「ソクラテスの弁明」

光文社古典新訳文庫シリーズは、あとはもう随時ちょっとずつ読んでみる、とかでよいと思う。20世紀を代表する哲学書『論理哲学論考』なんかも読める。(一通り目を通したけどまったくわかった気にならなかった)

現代の哲学をざっと知る

Kindle Unlimitedの対象になったり外れたりしてるみたい?で、常に読めるかわからないんだけど、最近の哲学ってどういうことをやってるの?ってのをざっと知るのにすごくよい。

ただ「わかりやすい入門書」というやつではなく、わりと難しい。自分の場合まだこれがちゃんとわかると感じられるレベルではないんだけど、一応通読できるくらいには人物の名前とか用語には慣れた。

ここまで一通り読めると、だいたいなんとなく哲学っていう分野のイメージが掴めて、そこから「こういう考え方面白いな」っていうのが見つかると思います。

つい先日ごりゅごは本質主義と実存主義という言葉を知って「男らしく」「女らしく」ってのは「本質主義」なのだとわかったら、ほかのいろんな物事がこの概念で整理できたりして、ああ、これは面白いな、なんて感じています。

こういう、おもしろいなーって感じる話が学べば学ぶほどにどんどん出てきて、どんどんいろんなことを学びたくなっています。

この記事を書いた人

五藤隆介(goryugo)

「仕事効率化」「ライフログ」「家族Hack」「デジタル情報共有」みたいなことを書いてます。

面白い本について語るPodcast「ブックカタリスト」も始めました

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