64パッド:弾けるフレーズが増えない時期にフォームの上達を確かめる
同じフレーズの古い録画と現在の録画を比べ、肩・肘・手首の動き、無駄な動き、力みの変化からフォームの上達を確かめる方法。
一年前の録画と今の録画を並べると、弾いているフレーズはほとんど同じなのに、手の使い方が変わっていることがあります。以前は指だけで叩いていた手が、肩、肘、手首を使う動きへ変わり、無駄な動きや力みも減っています。この変化は、弾けるフレーズの数だけを見ていると見えません。
同じフレーズの録画を並べれば、その変化を確かめられます。
同じフレーズを練習していて、増えたものが少ないと感じる時期があります。その時期に練習が止まっていたかどうかを、フレーズ数だけで決めることはできません。身体の使い方が変わっていれば、同じフレーズでも演奏は以前と変わっています。上達を確かめるには、何が増えたかと同じものをどう弾いているかを比べる必要があります。
フレーズ数だけを上達の物差しにしない
新しく弾けるフレーズが増えることは、分かりやすい変化です。けれども、同じフレーズを続けて弾く時間には、別の変化が含まれます。指だけで動かしていた演奏が、肩、肘、手首まで使う動きへ変わることがあります。力んでいた手から余分な力が抜け、動きも小さくなります。
この変化は、弾いた直後に言葉だけで確かめるのが難しいものです。弾けるようになったかどうかを基準にすると、同じフレーズにとどまっている期間を、上達していない期間として扱ってしまいます。しかし、フレーズが変わっていなくても、フォームが変わっているなら、身体は同じ演奏を以前と異なる方法で行っています。フレーズ数はひとつの物差しですが、フォームの変化を見る物差しにはなりません。
同じフレーズの録画を時間を空けて比べる
フォームの変化を確かめる対象は、同じフレーズを弾いた古い録画と現在の録画です。二つを並べるときは、弾けたかどうかに加えて、どこで身体を使っているかを見ます。指だけで叩いていないか、肩、肘、手首がどう動いているかを確かめます。無駄な動きや力みも、録画に残った動きから比べられます。
フォームの差は年単位で現れることがあります。そのため、古い動画を残していなければ、現在の動きだけを見ても、何が変わったのかは確かめられません。フォームの変化は年単位で差が出るため、古い動画がなければ、何が変わったかを確かめにくくなります。
同じフレーズを残す意味は、過去の自分と比べる基準を作ることです。現在の録画が、次にフォームの変化を確認するための古い録画になります。
録画には短期の修正と長期の比較がある
録画を見返す役割は一つに限りません。録画して見返すと、頭の中で思い描いている動きと、実際の動きとのずれに気づけます。そのずれが分かると、短い反復でどこを修正するかの焦点を定められます。これは、今の演奏を見て次の練習を決めるための使い方です。
比べる相手を変えると、録画の役割も変わります。
古い録画と現在の録画を比べる使い方では、時間を空けた二つの記録からフォームの変化を確かめます。肩、肘、手首の使い方や、無駄な動き、力みを比べます。短期の見返しは修正する対象を定め、長期の比較は以前の動きとの差からフォームの変化を確かめます。同じ録画でも、見る時間の幅によって役割が変わります。
古いやり方に戻る動きも記録に残る
フォームを変えた直後は、意識していないと身体が古いやり方へ戻ることがあります。長く続けたフォームは無意識の水準まで染み込んでいるため、考えずに弾こうとすると、すでに自動化された動きが出ます。新しいフォームは、意識して上書きし続けなければ定着しません。
切り替えの初期に古い動きへ戻ることは、それだけ身体化が進んでいたことの表れでもあります。戻った事実から、新しいフォームが失敗したとは決められません。録画に残った動きを見れば、どの条件で古い動きが出たかを確かめられます。今の録画には、新しい動きと古い動きに戻る場面の両方が残ります。変える途中のフォームを記録しておくことで、後から二つの動きの差を比べられます。
次に比べるための同じフレーズを残す
上達している実感が持てないときは、フレーズ数に加えて、同じフレーズの古い録画と今の録画を比べます。指だけで叩いていた動きが肩、肘、手首を使う動きへ変わり、無駄な動きや力みが減っているかを見ます。その差から、同じフレーズを弾いてきた時間に何が変わったかを確かめられます。
次に残す録画も、未来の比較のための基準になります。フレーズが増えない時期でも、同じフレーズをどう弾いているかは変わっていきます。古い録画と現在の録画を並べられる状態にしておけば、身体の使い方の差を上達として確かめられます。
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