リズムとスペースもデバイスとして扱える

デバイスは音の選び方だけでなく、リズム操作やスペースの入れ方、音階の装飾にもある。リズム系デバイスの具体例と、音価が聴覚に与える影響

デバイスは音の選び方(音階やコードトーン)だけにあるのではない。リズムの操作も、スペースの入れ方も、ひとつのデバイスとして扱える。

譜割りを変える、特定の音を省略して休符を入れる、リズムの形を変形する。これらの操作は、音の選び方とは独立したデバイスになる。まったく同じ音の並びであっても、譜割りを変えるだけで音楽的な印象が大きく変わる。メロディのデバイスとリズムのデバイスを組み合わせると、ひとつのフレーズから出せるバリエーションが掛け算で増えていく。

音階を装飾する操作もデバイスのひとつ。たとえばブルーススケール的な装飾デバイスとして、♭5を経過音として挟む、m3からM3へ半音でスライドするといった操作がある。これらは特定のフレーズではなく、どの場面にも適用できる手法としてデバイス化できる。ジャンルごとの色は、こうした装飾デバイスの使い分けで出せる。

音の長さ(音価)にもデバイスとしての側面がある。音価が短いと、人間の聴覚は後続の音を実際より前に知覚する傾向がある(時間縮小錯覚)。スタッカート気味に弾くとリズムが走って聞こえやすいのもこの性質による。安定したタイム感を保つには、打点だけでなく音をどれだけ伸ばすかまで意識する必要がある。こうした音の切り方・伸ばし方の制御は、繰り返しの練習でしか身につかない。

リズム系のデバイスは音階系に比べて言語化しにくいが、身につけると表現の幅が広がる。デバイスの全体像は音楽のデバイスは理論を即興で使える道具に変えるを参照。

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