ObsidianでJohnny Decimalを使う。フォルダなし・リンクベースの実装

Johnny DecimalをObsidianで使うとき、フォルダは作らずリンクで運用すると構造変更が柔軟になる。10×10の番号体系でノートに住所を与え、クイックスイッチャーで瞬時に呼び出す実装方法。

Johnny Decimalの公式サイトには「Obsidianは難しすぎてありえなかった」と書かれています。ジョニーさん本人は、フォルダをたくさん作ってコンピュータのディレクトリを整理するという想定でシステムを設計しているからです。

ところが使ってみると、ObsidianとJohnny Decimalの組み合わせはむしろ相性が良い。フォルダを使わないからこそ、Johnny Decimalの本来の力が引き出される部分があります。

Johnny Decimalとは何か

Johnny Decimalは、すべての情報を最大10の「エリア」と最大10の「カテゴリ」に分類し、各情報に一意の数字IDを割り振る手法です。「32.05」なら3番台エリアの2番カテゴリ5番目、という具合に住所が決まる。システムの思想や詳しい仕組みはJohnny Decimalにまとめてあります。

ここではObsidianでの実装、特に「フォルダを使わない」という点に絞って書きます。

フォルダを使わない理由

本家のJohnny DecimalはBearなどのアプリと組み合わせてインデックスを作りつつ、コンピュータのフォルダ構造を同じ番号で整理する、という方法を取ります。

しかしObsidianでこれをやると、かえって面倒なことが起きます。

フォルダを物理的に作ってしまうと、カテゴリの構造を変えたくなったとき、フォルダの移動・リネームが必要になり、そのたびにリンク切れのリスクが生まれます。Johnny Decimalを使いはじめて数ヶ月は、構造を何度も作り直したくなるものです。最初から決め打ちで全部のIDを決めてフォルダを作ってしまうのは、後悔の元になります。

フォルダを作らず、ノートのファイル名に数字を入れてリンクで繋ぐ方法なら、構造の変更はノート名を変えるだけで済みます。Obsidianはリネーム時に自動でリンクを更新してくれるので、手間がかかりません。

実際の運用イメージは、こういう形です。

これがフォルダ代わりのインデックスになります。Obsidianではインデックスとコンテンツが同じ環境で直接リンクで繋がるため、インデックスノートを開けばそのままコンテンツに飛べます。本家のJohnny Decimalではインデックスとファイルシステムがどうしても分離しますが、Obsidianならその橋渡しが不要になります。

数字の本当の価値はクイックスイッチャーにある

フォルダを使わないなら、数字はいらないのではないか。そう思いたくなるのですが、数字には別の役割があります。

Obsidianのクイックスイッチャー(⌘+O)を使うと、ファイル名に含まれる文字で素早くノートに移動できます。ここで数字が力を発揮します。

日本語のキーワードで検索すると、変換の手間と「どんなキーワードで保存したか」を思い出す手間の両方がかかります。一方、数字は一意です。「32」と打てば、32番台のカテゴリに属するノートだけが絞り込まれます。

頻繁に使うカテゴリの番号をいくつか覚えてしまえば、「検索する」という意識すらなく、反射的にノートを呼び出せるようになります。番号が身体化されると、思考の流れを止めずに情報にアクセスできる状態になります。

全部のノートをJohnny Decimalに入れようとしない

使ってみて一番大事だと感じた点は、「すべてのノートをJohnny Decimalで管理しようとしない」ことです。

Johnny Decimalが得意なのは、固定的で変化しない情報の整理です。健康に関する書類、お金の記録、仕事のプロジェクト資料、自分の環境設定のメモ。こういった「資料」や「行動ログ」の管理には、数字で住所を与えておくことが大きな威力を発揮します。

一方、Evergreenノート(成長し続ける知識のノート)や、書きかけのアイデア、思考の断片のようなものをJohnny Decimalに組み込もうとすると、かえって窮屈になります。こういったノートは、リンクで有機的に繋いでいく方法と相性がいいです。

整理したい情報に「これは変化しない資料か、成長し続ける知識か」という問いを立ててみると、Johnny Decimalを使うかどうかの判断がしやすくなります。

最初は番号を少なくする

はじめてJohnny Decimalを試すなら、細かいIDを全部決めようとせず、まず最上位の番号だけ決めることをお勧めします。

「10番台は生活のこと」「20番台はギターのこと」「50番台は仕事のこと」。この粒度でまず1〜2週間使ってみる。このレベルなら修正のコストが低く、自分に合った構造を探しながら動けます。

下位の数字(具体的なIDまで)は、上位の構造が安定してから付け足していくくらいで十分です。最初から全部決めようとすると、数週間後に構造を作り直したくなったときの手間が大きくなります。

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