> 気分よく毎日をすごせるなら、家事くらい喜んで手伝うよ
もし、あなたがこんなふうに思っているとしたら、家事には手を出さない方が良いかもしれません。だって、私がそうでしたから。
五藤家は夫婦共働き、夫婦揃って在宅で仕事をしております。子供は長男一人。ようやく一歳を迎えたばかりです。
小さい子供の面倒を看るって本当に大変ですよね。
夫婦揃って、家事と育児と仕事のバランスを取るべく、バタバタとした毎日を過ごしております。
そんな感じでしたから、家長たる私の家事に対する基本スタンスは「気分よく毎日をすごせるなら、家事くらい喜んで手伝うよ」だったのです。
そのため、家事について書かれた情報が気になって、あれこれ読んでみたのですが、なんか違うのです。
* 衣類を素材ごとに洗い分けるコツとポイント
* 取り込むときの効率や日当たりを考慮して洗濯物を干す方法
これらも確かに家事です。 しかし、そんな実務情報を知りたいのなら、女性向けに書かれた家事マニュアルでも十分事足ります。
でも、それらは私が必要としている情報ではありませんでした。
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## 今日の晩ごはんどうする?
五藤家では、毎週末、近所のスーパーへ夫婦揃って買い物に行きます。
そのとき、妻は私によくこんな質問をしました。
妻「今日の晩ごはんどうする?」
このときの私の正直な気持ちを披露しましょう。
* 「なぜ、『どうする?』なんて曖昧な聞き方をするんだろう?」
* 「ひょっとして、家で食べるのか、外食するのか、そういうことを聞きたいの?」
* 「でも、スーパーまで買い物に来てるんだから、家で晩ごはん作るつもりだよね?」
* 「どう答えて欲しいのか、さっぱりわからんのだけど…」
悩み抜いた挙句「今日の晩ごはんの献立はどうしたい?」という意味に違いないと解釈して「うーん、カレーかな?」 と答えました。
すると、妻はガッカリした様子でこう言ったのです。
「カレーは、最近食べたばっかりだから、イヤだ」
**「だったら最初から俺に聞かないでくれよ!」**
そう叫びそうになるのを「グッ」とこらえるのに必死でした。
帰りは荷物が増えて重たかろうと妻を気遣って付き合うことにした買い物。ところが、目的地に着くや否や意味不明な質問を投げかけられる。分からないなりに一生懸命考えて出した答えは即時否定される。しかも、妻は喜ぶどころか、どうやらご機嫌斜めなご様子。
いったい何が気にいらないんだか、さっぱり理解不能。こんなことなら、最初から買い物なんかに付き合うんじゃなかった。行き場のない怒りを持て余し、イライラしてしまったことを覚えています。
いったい何がいけなかったのでしょうか?
## 「今日の晩ごはんどうする?」という言葉に隠された妻の真意
どう考えても、自力で答えにたどりつけそうになかった私。 そこで後日、この言葉の真意を妻に尋ね、私にも分かるように翻訳してもらいました。
### 妻の真意(翻訳版)
* ごはん作るだけならいいんだけど、献立を決めるのは結構大変なんだよ。
* 献立さえ決まっていれば、買い物も、ごはんを作るのもすごく楽なんだ。
* だから、献立を決めてもらえたら嬉しいな。
* ていうか、ちょっとは協力してよ。
* あ、でも、直近3日以内に食べたもの(たとえばカレー)はNGね。
* あと、冷蔵庫にいま入っている食材とその賞味期限を踏まえて考えてね。
* ものすごく手間がかかる料理もNGで。
![[2cbf337007ee8715da2bf87012ac034d_MD5.png|"妻と私の対照表.png"]]
ここまで具体的に言語化してもらえれば「察する」のが苦手な私でも、妻の真意を正しく理解できます。
でも、最初から妻の真意を聞いてしまっていたら「そんな難しい要求、とても応えられないよ!」と、協力する気すらなくしてしまったに違いありません。
これでは、私の協力を期待する妻にとっても逆効果なはずです。
いったい、どうすればよかったのでしょうか?
## っていう本を書きました
[「理系の料理」](https://goryugo.com/20150901/rikeinoryouri_mokuji/)に続いて、今度のテーマは「家事」です。2016年6月29日発売予定です。
そして、この本の「はじめに」に当たる部分が、ここまで書いてきた文章です。
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(今回も)編集者の人からは、ある程度(読みたくなる範囲で)文章公開してもいいよー、って言われているので、発売までに2〜3節分、本の内容をご紹介したいと思います。