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AIで生まれた余裕を好きなことに使う:効率化のあとに仕事を増やさない

AIで生まれた余裕をさらに仕事で埋めない

AIを仕事に使う大きな理由の一つは、時間を減らせることです。

調査を任せる。長い文章を整理してもらう。コードを書いてもらう。これまで人間が手を動かしていた作業をAIへ渡せば、そのぶん時間が空きます。

ところが、時間が空くと別の仕事を入れたくなります。

1時間かかっていた仕事が30分になった。だったら同じ時間で2倍仕事ができる。

これは生産性という意味では正しいのですが、それだけを続けていると、AIを使う前と使った後で生活そのものはあまり変わりません。

仕事が速くなっただけで、空いたところにはまた仕事が入っています。

AIで効率化する意味は、仕事量を増やすことだけではないはずです。

AIの待ち時間は停止時間ではない

AIを使っていると、数秒から数分の待ち時間が何度も発生します。

処理を依頼して、結果が返ってくるまで待つ。そのたびに手を止めていると、短い時間でも意外とリズムが崩れます。

この時間に、すぐ始められる別の小さな仕事を入れておけば、AIが動いている間も人間側の仕事を進められます。

そのためには「5分あればできること」が普段から見える状態になっている必要があります。AIの回答を待ってから次に何をするか考えるのではなく、待ち時間が発生したらそのまま別の小さな仕事へ移れるようにしておくわけです。

ただ、何でもいいから雑務を詰め込めばいいというわけでもありません。

人間にしかできない判断を待ち時間に戻す

AIに大量の処理を任せているとき、人間側ではメール整理のような軽い仕事もできます。

でも、別の使い方もあります。

自分がどう考えたのかを記録する。何を採用して、何をやめたのかを書く。プロジェクトについて今どう判断しているのかを残す。

こうした仕事です。

AIに処理そのものを任せるほど、「なぜこうしたのか」という人間側の判断を残す仕事は重要になります。

そして判断の記録は、AIにそのまま代行させにくい仕事でもあります。

AIが処理している時間を、人間側の判断を言葉にする時間として使う。そうすると、AIと人間が同じ仕事を取り合わず、それぞれ違う役割で同時に進められます。

AIを待ちながらAIを監視する必要もありません。

逆に、すべてを忘れて休む必要もありません。

AIが処理している時間に、人間側では自分の判断を残す。

この組み合わせは、AIとの仕事ではかなり自然な分業になります。

実務そのものをAIへ任せる範囲や、任せるための手順書の作り方は、AIに日常のオペレーションを任せるで詳しく説明しています。

効率化で生まれた余裕を仕事量に戻さない

もっと大きな単位で見ると、AIによる効率化には別の問題があります。

仕事が速くなって、本当に自由な時間が増えたとき、その時間を何に使うのかという問題です。

空いた時間をそのまま新しい仕事で埋めれば、処理できる仕事量は増えます。

でも、暮らしはそれほど変わりません。

AIを導入して余裕ができたら、そこで初めて「この余裕を何に使いたいのか」を考えられます。

以前からやりたかったことを仕事にする。成果になるか分からないことを試す。単純に好きだからやってみる。

AIによって仕事の負担が減ることは、そのための前段階と考えることもできます。

重要なのは、余裕ができてから考えるのではなく、余裕を何に使わないかも含めて先に決めておくことです。

そうしないと、空いた時間は自然に仕事へ戻っていきます。

この「余白を残す」という考えは、AI以前から仕事の進め方でも重要でした。ナレッジスタックのObsidianデイリーノート仕事術 実践編では、短期的な効率よりも、10年20年と続けられるように余白を残した仕組みを作ることを扱っています。AIで処理速度が上がった今は、その余白を何で埋めるかまで意識しないと、以前より簡単に仕事量だけを増やせてしまいます。

非効率なことを楽しむためにAIを使う

さらに考えると、AIによる効率化で生まれた時間を、あえて非効率なことへ使うという選択もできます。

手で書く。自分で料理を作る。遠回りして何かを覚える。

効率だけを考えれば、もっと速い方法があります。

それでも、自分で手を動かしたいことがあります。

仕事や事務のような「速く終わらせたいこと」をAIで効率化して、そのぶん「速く終わらせる必要がないこと」に時間を使う。

そう考えると、AIはあらゆることを効率化するための道具ではなくなります。

むしろ、効率化しなくてもいい時間を取り戻すための道具になります。

ナレッジスタックのAIと一緒に1冊を学び尽くす読書術は、その具体例です。AIを使った結果、読書メモ作りは以前より速くなるどころか、何倍も時間がかかるようになっています。それでも、対話しながら分からないことを掘り下げる過程そのものが楽しいから続けています。

AIを使えば、同じ時間で処理できる仕事は増やせます。

でも、それだけが目的なら、空いた時間は永遠に次の仕事で埋まります。

どこをAIに任せて、そこで生まれた余裕を何に使うのか。

そこまで決めて初めて、AIによる効率化が仕事だけではなく生活の変化につながります。

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