アトミックノートはすぐに作らない:再利用できる命題へ変換する

デイリーノートの気づきをすぐにアトミックノートへ切り出さず、再利用の実績を見てから別の場面でも使える命題へ変換し、後からテーマを育てる方法を説明します。

アトミックノートは素材から命題を切り出してテーマを育てる

デイリーノートに書いた気づきを、すぐにアトミックノートへ切り出す必要はありません。

経験から得た断片的な気づきを、最初から一つの命題として整えようとすると、話題を切り出して一般化する作業まで同時に行うことになります。そこで手が止まるなら、命題化の手前に、整形しない散文の段階を置きます。

リピートタスクや作業ノートの下に、気づきを一行の散文として書き残します。この段階では、分類もしません。命題にも直しません。まずは再現可能な記録として残せれば、それで役割を果たします。ある程度の量が溜まってから、そこに含まれる命題の候補を探します。

デイリーノートからアトミックノートを作る

では、いつ独立したノートへ切り出すのでしょうか。

「役立ちそうだ」という最初の印象だけでは、まだ判断できません。同じ内容をもう一度使った事実があるかを見ます。二度目に使う場面が現れるまで待つことで、その情報が実際に再利用できるものかを確かめられます。

これは、ノートを増やさないためでもあります。デイリーノートから積極的に情報を切り出すと、価値の低いゴミノートが大量に生まれます。断片が増えれば検索時のノイズになり、管理する仕組みも複雑になります。かつてEvernoteやNotionで起きたノートの死蔵化を、別の形で繰り返すことにもなります。

そのため、未整理のデイリーノートを残しておくことを許容します。練習としてノートを分割することと、実用のために知識を切り出すことは別です。実用のアトミックノートは、同じ情報を二度以上使うときに初めて作る、という基準を置けます。

ただし、二度使ったからといって、素材の文章を別の言葉へ置き換えればよいわけではありません。素材の表現を言い換えただけでは、素材にない判断や接続が増えていないからです。

アトミックノートにするには、素材に含まれる具体例から条件や仕組みを一般化し、別の場面でも使える判断へ変換します。一つの問いに絞り、その問いについて一つの命題として書き切れるかを確認します。そこまで変換できないなら、候補のまま残します。

こうして個別の命題がいくつかできると、それらを並べたときにテーマが見えてきます。テーマを先に決めて、その形に合う命題を作ろうとすると、命題のほうをテーマに合わせて歪めることがあります。

先に一つずつ命題を書き、後から並べてMOCで束ねる。テーマは最初に埋めるものではなく、命題の並びから見つかるものです。

素材が生まれた時点で、すぐに完成した知識へ変換する必要はありません。まず散文で残し、再び使われるかを見て、言い換えではなく別の場面でも使える命題へ変換できるときに切り出します。テーマは、その命題を並べた後から育っていきます。

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