Obsidian Basesの使い方:データベースではなく「思考のハブ」として使う

ObsidianのコアプラグインBasesを「データベース管理」ではなく「思考を動かすハブ」として使う考え方と実践。Dataviewとの使い分け・タスク管理・サイドバー活用まで。

Obsidianの使い方まとめ

Obsidian 1.9から「Bases」という機能が追加されました。

「Notionみたいなデータベースが使える」という第一印象を持つ人が多いのですが、実際に使い込んでいくと、Basesの本質はそこではないと感じています。

Basesが本当に役立つのは、データを管理するためではなく、情報を眺めながら次に考えることを決めるときです。一覧を見て、つながりに気づいて、思考が動く——その「ハブ」として使うときに、Basesは面白くなります。


コードを書かずにDataviewと同じことができる

これまでObsidianで「条件を指定してノートを一覧表示する」ためには、Dataviewを使うのが定番でした。ただ、DataviewはDQLというクエリ言語を記述する必要があり、使い始めるまでのハードルが高い。

BasesはそのDataviewの「UI版」として設計されています。フィルターの追加もソートの変更も、画面上のボタンを操作するだけで完了します。

加えて、Basesには決定的な違いがひとつあります。一覧画面から直接プロパティを編集できること。Dataviewはクエリ結果を表示するだけで読み取り専用ですが、Basesはビュー上のセルをクリックしてそのままプロパティを書き換えられます。タスクの完了チェック・締め切り日の変更・ステータスの更新が、一覧を開いたまま完結する。

使い分けの基本は「まずBasesで試す、複雑になったらDataviewを検討する」です。

BasesDataview
操作方法UIクリックのみクエリ言語(DQL)を記述
習得難易度低(即日使える)中〜高(学習コストあり)
プロパティ直接編集ビュー内でそのまま編集可能不可(読み取りのみ)
公式サポートあり(コアプラグイン)コミュニティプラグイン

タスク管理での実践:締め切り順に自動表示して、その場で更新する

Basesでまず試す価値があるのが、タスク管理です。

ノートのフロントマターに due_date(締め切り日)と status(todo/done/in_progress)を入れておくと、Basesで「今日締め切りのもの」「進行中のタスク」をフィルターして自動表示できます。

重要なのは、表示だけでなく更新もその場でできること。締め切りが変わったとき、ノートを開き直さずに一覧から直接変更できる。タスクが複数のノートに分散していても、Basesのビューを開けば一元的に把握・操作できます。

ごりゅごが実際に使っているのは「期限切れ」「やること(期限が近い順)」「履歴(過去30日)」の3つのセクションに分けた構成。これだけで、今何をすべきかがひと目でわかります。

詳しい設定方法は Substackの記事「Obsidian Basesを使ったタスク管理の実例」 で解説しています。


サイドバーに固定して「今いるノート」の関連情報を常に見える化する

Basesをサイドバーに配置するテクニックは、使い方の中で最も実感が大きかったものです。

dis(display in sidebar)パラメータを設定したBaseを右サイドバーにピン留めすると、メインエディタで開くノートを切り替えるたびに、それに関連したタスクや資料が自動で抽出・表示されます。別のウィンドウを開く手間がなく、情報を探す動作がなくなる。

「今書いているノートに関係あるものが、何もしなくても横に出てくる」という状態は、思考の中断を減らして作業への没頭を助けます。


読書リスト・プロジェクト管理への応用

読書リスト: 読書ノートのフロントマターに cover_image(表紙画像URL)を記録しておくと、Basesのカードビューで表紙付きの読書リストを作れます。ジャンル別・読了日順など様々な切り口で並べ直せるため、「最近何を読んだか」を俯瞰するのに便利です。

ただし注意があります。画像が並ぶのは見ていて気持ちよく、達成感がありますが、効果の大半は自己満足です。これを作るために何時間もかけるなら「趣味」として割り切る必要があります。

プロジェクト管理: 複数のプロジェクトノートに statusdeadlinepriority を入れておくと、進行中のもの・期限が近いものを一目で把握できます。別途ツールを用意しなくても、Obsidian内で完結できます。


Basesの「2つの形式」:ファイルと埋め込み

Baseを作る方法には2種類あります。

.base ファイルとして独立させる:どのノートからも呼び出せるため、使い回しに向いています。タスク管理のBaseや読書リストのBaseを一度作れば、複数の場所で利用できます。

Markdownノートに直接埋め込む:特定のプロジェクトノート内にBaseを直接書くと、プロジェクトの情報と一覧表示が一体化します。プロジェクト全体のメモをBaseと同じノートに書けるため、文脈と情報を切り離さずに管理できます。

どちらを選ぶかは用途次第。汎用的な一覧は.baseファイル、特定の文脈に紐づく一覧はMarkdown埋め込み、という使い分けが自然です。


「整理のための整理」に陥らないために:段階的な導入を強くすすめる

Basesは強力ですが、運用コストが高いという側面があります。プロパティの設計・テンプレートの整備・定期的な見直しが必要で、「全部Basesで管理しよう」と最初から張り切りすぎると、管理コストが膨大になります。

推奨する導入ステップ:

  1. まず標準検索だけで運用(1〜3ヶ月):整理しすぎない。標準検索でほとんどは対応できます
  2. トピックごとにノート名でまとめる(3〜6ヶ月):「〜についてまとめたノート」という命名から始める
  3. 1用途だけBasesを試す(6ヶ月以上):「タスク管理だけBasesを使う」と限定して導入する

「必要になってから使い始める」「1用途ずつ試す」という姿勢が、Obsidianを長続きさせる秘訣です。

空白のプロパティが見えると「全部埋めたい」という衝動が生まれます。でも、ほとんどの場合、空白を埋める必要はありません。埋まっていなくても便利に使えます。この感覚を持てるかどうかが、Basesを長く続けられるかどうかの分岐点です。


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