文章を書き始められないときの対処法:30点で書き、白紙から始めない
書く前に完成形を作ろうとして手が止まるとき、30点で書き始める、事実から一行目を書く、過去のノートを先に集めるなど、着手の判断負荷を下げる方法を説明します。
書き始める前に完成形を作らない
文章やノートを書こうとして、最初の一文字がなかなか出ないことがあります。
何を書くかを決める。どういう順番で書くかを考える。うまい言葉を選ぶ。完成した文章の形まで頭の中で作ろうとすると、書き始める前に判断することが増えていきます。
そこで先に完成形を作るのをやめます。
抜けがあっても、つながっていなくても、まず書き出す。書いた断片があれば、あとから削る、足す、つなぎ直すという作業ができます。書く前には分からなかった不足も、実物ができると見つけやすくなります。
書き始めるために必要なのは、最初からきれいな文章を作ることではありません。あとで直せるものを、先に作ることです。
30点で書き始める
最初から100点を狙うと、「何を書くか」と「どう書くか」を同時に考えることになります。検討している時間が長くなり、文章そのものがなかなか増えません。
最初は30点で書きます。
30点なら、不完全なところが残っていてかまいません。順番がおかしい。言葉が足りない。説明が抜けている。そういう状態でも、一度文章になっていれば、次にする仕事は「書く」から「直す」に変わります。
白紙を相手に次の一文を考えるのと、目の前にある文章のどこを直すか考えるのとでは、判断する対象が違います。
不完全な文章を出しておけば、そこから加点できます。完璧さを捨てるのは、雑に終わらせるためではなく、まず書き上げられる状態まで進むためです。
ノートを未完成のまま育てる考え方そのものは、アトミック・シンキングの考え方で詳しく扱っています。ここでは、その考え方を「最初の一文字をどう出すか」に絞っています。
最初の一行だけは考えなくていいものを書く
日記や短いメモでは、もっと小さく着手の負荷を下げられます。
最初に書くのは、日付、天気、場所など、考えなくても確認できる事実です。
最初の一行で「何を書けばいいか」を考えない。まず白紙を埋めてから、感じたことや考えたことへ移ります。
これは内容を充実させるための工夫ではありません。書き始める直前に必要な判断を一つ減らすための入口です。
一行目がすでにあれば、そこから先は完全な白紙ではなくなります。
長い文章は過去のノートを先に出す
本や長い文章を書くときも、白紙から始める必要はありません。
過去の読書ノートを検索して、関連しそうな素材を先に集めます。「読書」のような大きな言葉でも、扱いたいテーマでも、著者名でもかまいません。
ここでも、最初から完璧に選別しません。関連がありそうなら一度集める。その素材を目の前に並べてから、どの順番で使うかを考えます。
頭の中だけで構成を作ってから文章を生み出すのではなく、すでに書いてある断片を相手にする。過去に残したノートがあるほど、執筆はゼロから文章を作る仕事ではなく、素材を選び、並べ、つなぐ仕事へ変わります。
小さなノートを蓄積しておくことで、執筆そのものを組み立て作業へ変えていく方法は、アトミック・シンキングのメリットで具体的に説明しています。
整理する時間と創る時間を分ける
過去のノートを使うには、普段から多少の整理も必要です。ただし、整理と新しい文章を作る作業を同じ時間に全部やろうとすると、別の判断が同時に走ります。
整理するときは、既存の内容を正確に捉え、分類し、関係を見つけます。新しいものを作るときは、その材料から別の関係や可能性を広げます。
この二つは時間を分けます。
知識整理を続ける一つの目安として、毎日ではなく週2〜3回、1回15分程度にする方法があります。15分ですべてを整えるのではなく、タイトルを直す、関連するノートをつなぐなど、その時間にできる範囲だけ進めます。
毎回きれいに整理し切る必要はありません。整理する時間を小さく区切って別に持っておけば、新しい文章を書こうとしたときに、整理作業まで同時に始めずに済みます。
書き始める前に完成形を考え続ける代わりに、30点の文章を置く。日記なら、まず事実を一行書く。長い文章なら、過去のノートを検索して目の前に並べる。
白紙の前で考える時間を減らし、直したり並べたりできる対象を先に作る。それだけで、書き始めるときに必要な判断はかなり少なくなります。
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