ノートを育てるときにかけたいのは、一枚に向き合う「時間」より、何度か読み返すための「期間」です。
書いた直後にはわからなかった説明不足も、別の日に開けば見つかるかもしれません。その間に読んだ本や書いたノートから、前にはなかったつながりが見えることもあります。一度に仕上げ切ろうとせず、そうした変化を少しずつ書き込んでいくのが、ノートを育てる作業です。
書く日と、読み直す日を分ける
2022年の「アトミックノートの作り方」で、私は読書メモや思いつきをLogseqに書き、あとでObsidianへ移す方法を紹介しました。
二度手間に見えますが、このやり方には作業を分ける意味がありました。最初は、頭に浮かんだことを書き出す。それを別の日に見て、一つの話としてまとめ直す。書きながら内容の善し悪しや全体の整合性まで考えるより、一つずつ取り組めるわけです。
大事なのは二つのアプリを使うことではなく、書いたものにもう一度向き合う機会をつくること。同じアプリでも、書きかけのノートにdraftタグを付けておけば、一覧から開き直せます。当時はObsidianのSpaced Repetitionプラグインも使っていました。「あとで見よう」と思うだけで終わらせず、戻ってくる入口を用意しておきます。
題名を考えながら、何を言いたいノートか確かめる
読み返したノートに、内容を言い表す題名を付けてみます。すんなり決まれば、その一枚にはおそらく「一つのこと」が書かれています。
たとえば「Obsidianで執筆する」という題のノートに、「思いつきはその場で書き、別の日に読み返してまとめる」と書いてあったとします。それなら、題名も「メモを書く日と、まとめる日を分ける」まで絞れます。
本文には「書くときは思いつきを出すことに、読み返すときは整理することに集中できる」と一行添えます。これで、何をするのかだけでなく、そうする理由も残ります。
書き足すうちに、題名とは別の話になってきたら、その部分を別ノートに分けます。脚注のようにリンクでつないでおけば、本筋を保ちながら、必要な補足へ進めます。
題名を考えても言いたいことが定まらず、まだ自分でも理解できていないと気づく場合もあります。そんなときは、何がわからないのかを書き残します。次に読み返すときの手がかりにもなります。
ほかのノートとつながったら、ひとまず区切る
読みやすい一枚になったら、それがほかのノートとどうつながるかも考えます。
先ほどの記事では、複数のノートを集めるトピックノートから参照され、さらに別のアトミックノートともリンクできたところを「ひとまず完成」としていました。話題ごとの集まりに入れるだけでなく、一枚ずつのノート同士にも関係を探していたのです。
前の例なら、「メモを書く日と、まとめる日を分ける」というノートから、「draftタグで書きかけのノートを見返す」という方法へつなげられます。「後日読み返すための入口」と添えてリンクすれば、考え方から実際のやり方へ進める関係になります。
すべてのノートに、こうしたつながりが見つかるわけではありません。元の記事では、使えるものを使い、不要になったノートやdraftタグは消すことも含めていました。
リンクがまだ見つからず、書きかけで残るノートもあります。今日の見直しを終えたからといって、その一枚まで完成したことにはなりません。
昨日書いたノートが、半年前のあの話とつながる。書いた日には見えなかった関係が、あとから見つかります。ノートを育てる面白さは、そんなところにあります。
